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ポンコツ博士の海外奮闘録 〜留学サバイバルTips〜

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ポンコツシリーズ番外編 その3 ポンコツらしからぬ役立つ事を書こう(しかし無駄に具体的)というコンセプトのもと,筆者の留学手続きと渡航Tipsをまとめておきます。

*コロナ規制解除のため,文章内容を変更。SSNの予約等の内容を削除(2022.4)。

本編はこちら。国内編: 第1話 ・ 第2話第3話  外伝はこちら:第1話第2話

外伝 付録:ポンコツ博士,滞在に必要なものを確認する

筆者は海外留学していた知り合いの研究者に連絡をとり,必要なものを確認した。滞在先は気候が安定し,治安も良いため,羽織る服を数着と半袖服そこそこでどうにかなるそうだ。衣食に関しては,アウトレットモールやスーパーで日本食が手に入るのであまり持ち込む必要がないとの旨の連絡がきた。…ん?筆者がイメージしてるアメリカと全然違うぞ,と内心戸惑ったがアドバイスに従い,生きるために重要な住まいの確保等を優先して考えることにした。以下に詳細を記載する。

① 住まい,食事

筆者が滞在する都市の物価は東京の1.5倍程度と聞いて肝を冷やした。研究所付近の平均家賃:1Bedroom 2000-2500ドル/月などの様々な収集した結果,滞在中に田舎者の筆者が発狂する可能性が予想された(筆者の最後の一人暮らしは1K10畳 3万円/月)。そこで研究室の床に段ボールを敷いて寝る技術を有する筆者は,研究所に住んでバックパッカー並のケチケチ生活をすることを覚悟した。しかし,やっぱり暖かいベッドで寝たいので,英語力向上と異文化交流を狙ってホームステイを選択した。

ホームステイ先の検索は,日本人に友好的なホストファミリーが多く登録するHomestayBayを利用した。2週間から長期滞在まで様々な条件があったが,とりあえず安くて良さげな物件に片っ端からアプライし,渡航後即入居可能な所を探索した。結果,筆者は1000ドル/月の1Bedroom(光熱通信費無料,朝食付,月2回洗濯無料,犬や猫と遊ぶのが義務)で滞在している。

東京や大阪の都心で一人暮らしをするよりも遥かに安い条件ではないだろうか。構成員はホストファミリー夫婦,筆者,日本の理系B3生(オンライン講義の利点を利用してESTAで語学留学。発想が素晴らしい),ブラジル人留学生(英語ペラペラ,化学系大学を専攻していたため,話が合う)である。また渡航直後は,偶然侍JAPANで構成されたこともあり(1名は1月に帰国,近くの大学に居る姉を頼ってESTAで語学留学),日本語で生活圏の情報収集+色々な観光に行けて良かった。

その他ファミリーにハスキー犬がいる(♀3ヶ月・かわいいが,かなりやんちゃ)。筆者は彼女にお手と待てを教え,ホストからブリーダーとして絶大な信頼を得たことで長期滞在が可能になった。かなり大きくなってきたので甘噛を辞めさせることに必死。また,猫(♀2匹・かわいい),子猫(♀1匹・かわいい)がおり,研究が辛い時のメンタルケアも充実している。現時点で最高の滞在環境だと考えられる。ラボ環境も早く充実させたいものだ(IR, MS等精密機器を早く使いたい)。

食事に関しては,ホストが提供するアメリカンフードを堪能する一方,滞在先近辺に日系スーパーがあり,さしすせそ,みりん,料理酒,出汁を手ごろな価格で購入できたため日本食を作っている。また,中華系スーパーなどでは,鶏ガラコンソメオイスターソース,ごま油,野菜等を格安で入手できたので,中華・イタ飯・フレンチなどの幅広い自炊が可能になった。研究所近辺のレストランがコロナで閉鎖中であり,経費削減も兼ねて前夜に作った一品(シチューやカレー+パンor炒飯orリゾットetc)をランチとして持ち込んでいる。

② お金 *個人の感想ですので,個々で最適化してください。

やっておいた方が良かったことを含めて記載する。今のご時世,IC付きスマホが絶対必須であり,渡航6ヶ月前に5G対応の最新機種へ機種変更する事を推奨する(機種や契約先によってSIMフリー化手続が契約から数ヶ月後の場合があるため)。

1. 三菱UFJ銀行(MUFG)の国内口座を開設し,VISAデビットカードを入手する。アメリカはクレジットorデビットカード社会であり,現金を大量に持ち歩くのは怖い。日本のクレカがネット決済で機能しないときがあるため,デビットカードとの併用が安定する。

2. 日本に居て海外口座の開設が可能なカリフォルニアアカウントサービスを利用して自分の海外口座を開設する。1ヶ月程度かかるMUFGがユニオンバンクを売却したため,今後このシステムを利用できるか要確認。

3. 海外SIMへの変更によって,日本の携帯番号・SMSが使えなくなることから,ネットバンキングの連絡先を実家の固定電話等に変更しておく。SMS類が使えなくなるのが痛恨で本人認証が利用できず,ネットバンキング経由で日本口座間の振込ができなくなった。これに関しては今もかなり後悔している。

4. 円↔︎ドル両替手数料が格安のWiseの送金アカウント開設を行い,自分の海外銀行口座にドルを一部送金する。海外口座がなくてもWise口座の開設で円↔︎ドルの両替・保管が可能になるので開設した方がよい。また,Wise口座でデビッドカードを申請するとその口座からドル/ユーロ払いもできるので作った方がよい。カード作成には1か月程度かかるが,日本で手に入らないなら送付先をアメリカにすればよい。本人確認にマイナンバーカードが必要であるため,海外口座がなくても登録だけは住民票の離脱や海外渡航届を行う前にやっておく。MUFGのカードを使っても良いが,円→ドル変換手数料がボディーブローのごとく効き,想像以上にお金がスッ飛ぶ。一般の送金手数料が8000円かかる場合,Wiseを上手く利用すると300-1000円程度で済む。*Wiseにはモバイルデビットもあるが,2022年現在,日本で申請したカードではApple or Google payに登録できないため,今後に期待。

筆者は2-4の作業を出国前にやっていなかったため,手数料によって僅かな貯蓄・助成金をガンガン減らした。奨学金の返済がある筆者はケチケチ生活しないとすぐ破産するのでやっておくべきだった。カリフォルニア以外に留学する方も1,3,4の作業をやっておけば,手数料のダメージから解放されやすくなるので推奨する。筆者は海外渡航してからWiseを開設したが,マイナンバーを返還したため本人認証に苦労した。

その他,ソーシャルセキュリティーナンバー(SSN)を早めに入手しよう。入国から10-14日経過して,住所が決まり次第パスポート+VISAとDS-2019, I-94を持参し,直接ソーシャルセキュリティーオフィスに駆け込めば取得できる。その後,海外の銀行に駆け込んで早く海外口座を開設する。筆者が選んだChase Bankでは上述の書類を持って支店に向かえば,SSN後日提出OK+Mobileデビットを即日で担当が設定してくれた。また,給与の支払い先に指定すると初回200ドルのキャッシュバックがあるので,お小遣いも確保できた(月12ドルの口座維持費免除のため,毎月初めに1500ドル以上の預金が必要なのがデメリット)。SSNがなければ,「車免許取得」「Tax Return」「クレカ発行」等でアメリカ社会王者によるお金のコンビネーションブローをくらって立ち上がれなくなる。

③ 移動

出国前にUberおよびLyftの日本語アプリをスマホにインストールして会員登録・設定をしておく。何度も書くが,日本のアプリは日本の携帯番号にSMSが送られるため,海外からの設定は大変苦労する。その他,国際運転免許の取得をしておく。SSN入手後でなければ運転免許の取得ができないため,国際免許の取得は効果抜群である。ちなみに日本で車運転歴10年以上の筆者は,アメリカの道路等が逆のため,怖くて運転していない。SSNが手に入れば,3時間教習+免許取得,車の購入を予定している。

Uber通勤では瞬殺で破産するので,筆者は滞在住所で海外メールアカウントを開設し,地方の公共交通アプリ(Pronto)をダウンロードした。現在,72ドル/月でバス・電車どこでも定期券を購入できたので,これを使って生活をしている(Google mapと連動したシステムがあり,現在地から到着地までの時刻がリアルタイムで確認できて不満はない)。ちなみに,筆者が勤務する研究所のストリートだけバスが異常に少なく,通勤に1時間20分程度かかるが,この時間は○部ちゃんを見習って勉強している。その空気を吸うだけでは,まるで成長していない…と実感したからである。

④ 連絡・通信手段

幸運なことに,筆者は研究所からDS-2019の書類と共にMint Mobileの海外SIM(4GB/月)が送られてきたので,出国直前にActivateした。APNの設定をしないと4G, 5G回線に繋がらないので注意。また,バス通勤者は10GB/月を推奨。海外用ポケットWifiは必要なかったが,使用GBオーバーによる回線停止や電波が届かない所の緊急用にあってもよいかも。Mintの契約料は4GB=約240ドル/年で格安である(迷惑電話防止作業は必要)。海外用の電話番号は銀行開設・SSNの申請等に必須であり,生活のスタートダッシュをキメるためにも出国前にAmazon等で購入しておくと良い。スマホアプリが存在し,契約も簡単なため,資金力が乏しい方に推奨する。

その他,PCのWifi環境は勤務先,滞在先で早めに確保したい。ボンビー筆者は,Windows(安いIdeapad)+Mac Book Pro(10年目)のPC二刀流で海外留学に挑んでいる。資産があるなら出国前にPCを新調するのもアリだろう。

⑤ その他,持っていくもの *あくまで個人の感想です

パスポートやDS-2019は常識すぎて割愛する。

1. 衣服・下着類(14日分):日数は筆者が2週間に1回で洗濯無料のため。使用後の何か大きなランドリー袋があれば良い。半袖や7分袖で基本的にOKだったが,今年は歴代最強の寒さで筆者は凍えた。暖かくて嵩ばらないワークマンの安いアウターを1-2着,ヒートテック等の暖かいインナーを数着持ってくれば完璧だった。ルームウェアはユニクロのスウェットが数着あれば,気候的にそうそう汗臭くならないので事足りる。筆者の通勤アウターはモンベルのポケットファスナー付ウインドブレーカーを愛用し,財布と携帯を肌身離さず持っている(この格好で東京をうろついた時,寒すぎた)。スーツを一応持ってきたが着る機会はないかも。クリスマスディナー用の小綺麗なカジュアル服があれば良い。靴はかなりのオシャでない限り,スニーカー(必須)とスーツに合う靴,ルームサンダルを持参し,後は現地で揃えるとよい。

2. 体にフィットするショルダーポーチ・通勤用リュックorバッグ:これらは海外に行く以上,やはりマストアイテムである。

3. ウォーレン(第2版),スペクトル解析本等の専門書,英会話などの書籍類:日本語の本は欲しい。英語力が堪能であれば問題ないが,筆者には無理だ。電子書籍化できる分はスマホに回した。実験講座が電子書籍化すれば買いたい。空港で書籍の入れすぎによる重量超過を避けたいし,スーツケース2個の国内移動が結構辛かった。ホストで英会話の参考書を実践するとインアウトプットが容易で定着が早い気がする。

4. PC,電子機器類(携帯充電器やバックアップSSDなど)のケーブル類:この辺は海外旅行と同様のチェックリストを参考にし,自分が必要なものを吟味すれば良い。変電器はアメリカにいらない。髪のモイスチャーやキューティクルがよっぽど心配な方以外は,現地でGrignard試薬の調製に最適な安いドライヤーを買えば良い(新技術の到来でこのネタが分からない時代がやってくるのかぁ)。むしろ研究室にドライヤーが無かったので購入した。

5. 綿棒:渡航前に帰国した子にこのアドバイスを頂いたが,めちゃ高いし,アメリカンサイズだったので持っていくのは正解だった。ありがとう…!

6. 携帯ウォシュレット:熱狂的なウォシュレッターである筆者には必須アイテムだ。時差ボケから回復するまで5日間お腹を下し,節子状態だった筆者はこれを持っていなければ病院送りだったかもしれない。筆者同様のウォシュレッターは買うべし。紙代の節約にもなる。

7. 腕時計:日本時間を同時確認できるGMT対応の時計があれば良い。当ラボには時計がなかったので実験時装着で壊れても許せるチプカシ等もあれば良い。筆者はポスドクになった直後,国際学会とかで使えたらいいなという願掛けの意を込めてとあるメーカーのGMTモデルを購入したので実験時以外はこれを愛用している。GMT針があれば日本へのLineの送信時間ミスを減らせる。万一の修理や盗難を考えると,耐久性を考慮したG-Shockのちょっとええやつの使用が精神衛生上,良い気がする。

8. 文房具および,クリアファイル,ジッパー付き小物入れ:重要書類がペラ紙1枚で渡されたり,パスポート等をある程度したら封印したりするため,クリアファイルとジッパー付きのA4サイズ入れがあれば良い。

9. 釣具(リールのみ,できればルアーも)SHIMANODAIWA200030004000番台スピニングリールを持ってきた。本当はサイレント○サシンセッ○アッパー月○美人を輸送したかったが,御礼巡りのお土産優先で入らなかったため,断腸の思いで断念した。リールがあると本場のバスフィッシングおよび,ヒラメ・ハマチを狙ったオフショアゲームに加え,メバリングにも対応できる。

…え?リールは必要ない?いやいや!リールは筆者にとってセレンディピティを産み出す重要なアイテムである(本編第2話参照)。太公望は釣りを通じて後世に残る逸話を残し,実際世の中には筆者と似た発想の方もいる。日本製リールは日本が誇る技術の結晶であるため,世界に普及して日本企業に貢献するために持参は義務である。

…という訳で使えそうな趣味道具もあればよいかも。

10. 愛用の実験小物器具:最後に日本研究者のソウルアイテムシリーズ。日本人が頻繁にいる研究室では普及して常備されているようだ。筆者のラボは日本人研究者がいない空白の時期が生まれたため,日本文化が廃れていた。与えられたプラッテの整備中にゴミ箱と化した引き出しからええサイズの桐山ロート,3方コック,アンプルカッターを発見し,先人がいた証を慈しんだ。

外伝 付録②:ポンコツ博士の留学軌跡

…振り返ってみると本当にほぼ丸2年かかった。進み出してからかなり早かったが,留学準備は最低半年程度かかる事を知っておいて欲しい(また,博士のメンタルが折れてから悟るまで約1年かかるようだ。n=1のため再現性はない)。

2019年12月 

国の諸事情によるブランディング事業支援の打ち切りを知らされる。次のキャリアに海外留学を選択し,CV(履歴書)とCover Letterを作成する。

2020年1月-3月

某先生に受入先教授の推薦メールをお願いする。先生方の推薦書(3通)の確保と留学助成金の申請に励む。

2020年4月-21年3月

オファーレター確保も日付が入らず助成金申請に苦戦する。VISA申請手続が大統領令で12月まで完全停止し,長いモラトリアム期を迎える。ポンコツ氏,悟る。

2021年4月-11月 

ポンコツ氏,薬剤師になる。6月中旬から申請再開 (7月中旬:新パスポート入手。TOFEL惨敗。8月中旬:DS-2019申請。9月末:DS-2019入手後,DS-160申請。10月末:大使館面接。ワクチン接種証明発行。11月下旬:VISA入手,飛行機券購入。11/30:薬局退職。これ以外にも手続きをしたはずだが,多すぎて覚えていない。

2021年12月1-7日

12/1-2:市役所で海外渡航届,住民税の支払などの事務手続き。免許センターで国際運転免許取得(1日でOK),釣り納めなど。12/3:スーツケース2個(83L)で移動開始。12/4-6:東京入り。御礼巡り。12/7:PCR検査後(オミクロン株の影響で急遽,当日検査),成田から出国。

…こんなものであろうか?(2022/2月現在) 本稿に関しては,あっ,これは書いておきたい!と思う内容があった時に随時更新したい。

本編に続く

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たぶん有機化学が専門の博士。飽きっぽい性格で集中力が続かないので,開き直って「器用貧乏を極めた博士」になることが人生目標。いい歳になってきたのに,今だ大人になれないのが最近の悩み。読み方はナナメルorナナメェ…?

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