[スポンサーリンク]

化学者のつぶやき

ReadCubeを使い倒す!(2)~新着論文チェックにもReadCubeをフル活用!~

[スポンサーリンク]

前回の記事では「論文の検索→閲覧→履歴管理→関連論文探索」という一連のプロセスが、全てReadCubeだけで完結できるとの主旨にてその活用法を紹介しました。

これとは別に、新聞を読むように日々行う、新着論文チェックも研究者にとって欠かせない仕事です。ただこちらはRSSリーダー上で行う手法が依然として主流であり、また確実なようにも思えます。

そこで今回の第2弾記事では、新着論文チェックのプロセスをReadCubeに統合させていく工夫をご紹介したいと思います。

リコメンデーション機能で読むべき論文を厳選する

筆者のRSSリーダーには、既に80以上ものジャーナルRSSが登録されています(数えてみて驚愕!!)。登録数が増えてくるに従い、全てをチェックする気力が正直失せてきます。実際、主要ジャーナル以外は既にろくに見ておりません。年を食うにつれ時間も無くなる一方ですので、こりゃどうしたもんやら・・・と思案しておりました。

そこで、ReadCubeのリコメンデーションシステムの活用を考えました。以前の記事でも少し触れましたが、その名の通り、読むべき論文をお薦めしてくれる機能です。主に一流ジャーナルからピックアップされ、精度もなかなか良いようなので、これを追うだけでも主要論文は押さえておけると思いました。

加えてReadCubeは、トピック毎に論文リストを作っておくと、それぞれに個別マッチした論文をお薦めしてくれます。複数の分野にまたがる研究をしている人、トピック毎に縦割り型の論文チェックをしている人に嬉しい機能です。

例えば筆者は「medicinal chemistry」「C-H activation」「nonlinear chemistry」などの括りで個別リストを作っています。以下の通り、おすすめ論文のカラーが全く異なっていることがおわかりでしょう。また公開時期の指定でも、おすすめ内容がだいぶ変わってくるようです。上手く組み合わせることで、網羅的なチェックもできそうです。

readcube_tips_14

readcube_tips_15 - コピー
readcube_tips_16 - コピー

筆者個人は、最近マイナージャーナルのチェックをすっぱり止め、リコメンデーションシステムでの新着チェックに重きをおくようになりました。チェックすべき論文の幅があまりに広範囲になってくると、やはりこの方式のほうがずっと気楽だと思えます。

ダウンロードした論文を片っ端から自動インポート

とはいえ、リコメンデーション機能は研究者側にある程度の「割り切り」が求められるサービスとも思えます。競争の激しい分野であれば、全ての競合成果を舐めるように毎日チェックしないと不安に感じる人も多いことでしょう。こういったスタイルにはやはりRSSリーダーのほうがマッチします。

またRSSリーダーに限らず、ブラウザ経由の論文取得サービスは他にも沢山あります。前回の記事で「ReadCubeだけで完結」と書いたことをひっくり返すようで恐縮ですが、ブラウザを完全に捨てる選択は現実的ではないのが実情でしょう。かといって論文をダウンロードするたび別途ReadCubeに手動登録するのは、(いくら簡単とはいえ)二度手間感があります。

このジレンマは、論文がダウンロードされてくるフォルダをモニターし、自動インポートする設定にすれば解決します。Pro版限定の機能ですが、設定法は以下の通り。

まず設定メニューを開き、「ReadCube Pro」タブをクリックします。その後、「Add a Watch Folder」に「Download」フォルダ(ブラウザでダウンロードしたファイルが保存されるフォルダ)を登録すればOK。これでブラウザ経由でダウンロードした論文も、ReadCubeに自動登録されるようになります。

readcube_tips_13
ついでに、ダウンロードした論文PDFファイルを自動処理する設定も行っておきましょう。こちらもPro版の機能。

設定メニューの「File Management」タブを開き、「Keep ReadCube library folder organized」にチェックを入れておきます。お好みでインポートしたファイルのCopyもしくはMove設定もしておきます。

readcube_tips_12

こうしておけば、自動インポートされた論文PDFはReadCubeフォルダに自動コピーされ、ファイル名も自動修正されます。ついでにクラウドストレージとも同期されるため、バックアップも気楽です。

これでブラウザ経由で論文PDFをダウンロードしても、次回以降はReadCube上ですべて扱えます!

ReadCube Connectを使って閲覧する場合

Nature Publishing GroupやWiley発のジャーナルにおいては、ウェブブラウザ上で開くPDFリーダー、ReadCube Connectに対応した閲覧が行える様になっています。デスクトップ版ReadCubeが提供する閲覧機能と類似したものが多く使えます。中身の詳細はワイリー・サイエンスカフェの記事を参照ください。

閲覧後に気に入った論文は「Add to  Library」ボタンをクリックして、自分のライブラリに登録しておきましょう。ReadCube用のブックマークみたいなものです。このビューアは大変便利ですが、不満があるとすれば、Google Chromeで閲覧したときに表示が崩れてしまうことでしょうか・・・(解決方法をご存じの方は是非ご一報を)。

readcube_tips_9

 

いかがでしょうか。ReadCubeとブラウザを融合的に使うことで、大幅な効率化が図れる可能性があると思います。時間に追われる研究者にとって、論文チェックと管理の負担を減らすことは、至上命題の一つです。皆さんも是非工夫してみてください。

今回はここまでにしたいと思います。次回もお楽しみに!

 

関連文献

  1. “Eight ways to clean a digital library” J. M. Perkel, Nature 2015, 527, 123. doi:10.1038/527123a

関連リンク

Avatar photo

cosine

投稿者の記事一覧

博士(薬学)。Chem-Station副代表。国立大学教員→国研研究員にクラスチェンジ。専門は有機合成化学、触媒化学、医薬化学、ペプチド/タンパク質化学。
関心ある学問領域は三つ。すなわち、世界を創造する化学、世界を拡張させる情報科学、世界を世界たらしめる認知科学。
素晴らしければ何でも良い。どうでも良いことは心底どうでも良い。興味・趣味は様々だが、そのほとんどがメジャー地位を獲得してなさそうなのは仕様。

関連記事

  1. 有機ケイ素化合物から触媒的に発生したフィッシャーカルベン錯体を同…
  2. 非相溶元素間の原子拡散障壁が未踏結晶相形成に及ぼす影響を解明
  3. 134回日本薬学会年会ケムステ付設展示会キャンペーン!
  4. Tattooと化学物質のはなし
  5. ジアニオンで芳香族化!?ラジアレンの大改革(開殻)
  6. エーテル分子はすみっこがお好き?-電場・磁場・光でナノ空間におけ…
  7. Chemistry Reference Resolverをさらに…
  8. ジアリールエテン縮環二量体の二閉環体の合成に成功

注目情報

ピックアップ記事

  1. 力をかけると塩酸が放出される高分子材料
  2. 抗生物質の誘導体が神経難病に有効 名大グループ確認
  3. “へぇー、こんなシンプルにできるんだっ!?”四級アンモニウム塩を触媒とするアルキンのヒドロシリル化反応
  4. pre-ELM-11
  5. エステルからエーテルをつくる脱一酸化炭素金属触媒
  6. リスト・バルバス アルドール反応 List-Barbas Aldol Reaction
  7. 抗体を液滴に濃縮し細胞内へ高速輸送:液-液相分離を活用した抗体の新規細胞内輸送法の開発
  8. 特許情報から読み解く大手化学メーカーの比較
  9. 炭素 Carbon -生物の基本骨格、多様な同素体
  10. 有機合成化学協会誌2026年7月号:固体高分子電解質・電子ドナー・アクセプター錯体・機械学習法・trichodermamide類・エナンチオ選択的スキップジエン合成法

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2016年2月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
29  

注目情報

最新記事

条件の「前後」も実験条件である【プロセス化学者のつぶやき】

前回まで1. 設定温度と系内の実温度のお話2. 温度値をどう判断するか3. 反応操作をし…

そのpH、“本当にその場所”の値ですか?ニードル式pHセンサーを使ってみた!

突然ですが、「培養の再現性がなんか悪い」「同じ条件のはずなのに結果がズレる」といった経験はあ…

「骨格編集」×「ナノカーボン合成」〜ナノカーボン合成の新戦略を実証〜

第719回のスポットライトリサーチは、名古屋大学大学院工学研究科(忍久保研究室)博士後期課程2年の平…

【書評】立体化学 はじめの一歩

立体化学は,分子の三次元構造を理解するための重要な分野であり,有機化学や…

水のシミュレーション入門 — 水分子を計算機の中でどう”描く”か —

身近なのに、計算機にとって手強い"水"。本記事では、点電荷モデルから機械学習まで、その"描き方"の進…

◆◇◆◇ 第36回フォーラム・イン・ドージン開催のご案内 ◆◇◆◇

同仁化学研究所が熊本から世界へ情報発信するフォーラム・イン・ドージンの開催ご案内です。今年は『な…

『力』による円偏光発光のon/off制御を単一分子レベルで実現

第718回のスポットライトリサーチは、東京科学大学 物質理工学院(相良研究室)博士後期課程2年の野中…

数日かかっていた反応機構解析を、わずか数分に!

機械学習ポテンシャルが変える計算化学の現在近年、DFT計算による反応機構解析は広く行われるよ…

海外ポスドクのオファーをもらう【アメリカで Ph.D. を取る: 進路編】

ポスドクとして海外に留学する場合、希望する研究室の教授に直接連絡を取り、面接などを通して適性を判断さ…

MDで観るトライボロジー 〜原子が擦れるその場をシミュレーション〜

軽くて強いのに摩耗に弱いチタン合金は、航空機や人工関節に広く使われています。原子が擦れ合うその場を分…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP