[スポンサーリンク]

化学書籍レビュー

Nanomaterials: An Introduction to Synthesis, Properties and Applications, 2nd Edition

[スポンサーリンク]

対象

材料工学に関心がある学部・院生

解説

本書はドイツ語で書かれたものが元になっており英語版もすでに2版目で、ナノ材料(特に無機)を扱った非常にスタンダードな教科書と言える。そのため、学部2-3年生で十分に理解できる内容となっている。さらに文中で図や概念図が非常に多く(全体の4割程度)、また英語が平易で読みやすいので研究室での英語ゼミ用教材としてもピッタリな内容になっている。

内容

詳細な目次はこちらから見ることが出来る。大まかに分けてナノ材料に関する基礎知識(1-7章)とその応用(8-11章)とキャラクタリゼーション(12章)で構成されており、以下にその内容を挙げます。

  • 1-3章では物質がナノスケールになるとその物質を構成する分子の状態がどのように変わり、それによる材料物性の変化ついて丁寧に解説している。
  • 4章ではナノ無機粒子の気相合成を取り上げている。現在、多くの研究室では固相法か液相法で無機材料を合成しているが、工業的にはCVDや火炎法と呼ばれる気相法が大量合成が容易であるという理由から広く採用されている(例、EvonikのTiO2やSiO2)。これまで気相法を扱った経験がない人にとってちょうど良い分量の解説になっている。
  • 5-7章ではナノ材料の形と結晶について取り上げている。特に5章では様々な面白い形のナノ材料をTEM画像と共に紹介しており、7章ではそのような結晶がどのように成長するかを解説している。見た目(形)の面白さとその形状に起因する物性の変化はナノ材料の大きな特徴で初めてナノ材料を学ぶ人にとって興味を引く内容になっている。また6章では簡単に磁性流体を紹介している。
  • ナノ無機粒子の応用:磁性(8章)、光学特性(9章)、電気特性(10章)、機械特性(11章)について。内容は最新の研究結果ではなく、これらの分野の基礎的なコンセプトと代表的な材料について解説している。

 

関連書籍

Ohno

投稿者の記事一覧

博士(理学)。ナノ材料に関心があります。

関連記事

  1. よくわかる最新元素の基本と仕組み―全113元素を完全網羅、徹底解…
  2. Density Functional Theory in Qua…
  3. 【書籍】有機スペクトル解析入門
  4. Molecules That Changed the World…
  5. Innovative Drug Synthesis
  6. 2008年12月人気化学書籍ランキング
  7. 創薬化学
  8. 日本にノーベル賞が来る理由

コメント、感想はこちらへ

注目情報

ピックアップ記事

  1. 分子内架橋ポリマーを触媒ナノリアクターへ応用する
  2. Greene’s Protective Groups in Organic Synthesis 5th Edition
  3. セブンシスターズについて② ~世を統べる資源会社~
  4. 原子量に捧げる詩
  5. AIで世界最高精度のNMR化学シフト予測を達成
  6. 有望な若手研究者を発掘ー研究者探索サービス「JDream Expert Finder」
  7. 調光機能付きコンタクトレンズが登場!光に合わせてレンズの色が変化し、目に入る光の量を自動で調節
  8. 第四回Vプレミアレクチャー「金属錯体を利用した光化学アップコンバージョン」を開催します!
  9. 岩谷産業がセシウム化合物を取り扱っている?
  10. 2008年10大化学ニュース

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2016年1月
« 12月   2月 »
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

注目情報

注目情報

最新記事

【速報】HGS 分子構造模型「 立体化学 学生用セット」販売再開!

いまから約7年前の2015年10月。分子を愛する学生・研究者に悲報が届けられた。…

次世代型合金触媒の電解水素化メカニズムを解明!アルキンからアルケンへの選択的水素化法

第383回のスポットライトリサーチは、横浜国立大学大学院 理工学府 修士2年(研究当時)の野上 周嗣…

LG化学より発表されたプラスチックに関する研究成果

LG Chem develops advanced plastic materials …

経験の浅い医療系技術者でも希望にかなう転職を実現。 専門性の高い職種にこそ求められる「ビジョンマッチング」

「人財躍動化」をビジョンに掲げるAdecco Group Japanの人財紹介事業ブランドSprin…

創薬における中分子

ここ10年の間で、低分子・高分子の間の化合物の分類として 中分子 という言葉が台頭し…

ポンコツ博士の海外奮闘録⑦〜博士,鍵反応を仕込む〜

ポンコツシリーズ一覧国内編:1話・2話・3話国内外伝:1話・2話・留学TiPs海外編:1…

強酸を用いた従来法を塗り替える!アルケンのヒドロアルコキシ化反応の開発

第 382回のスポットライトリサーチは、金沢大学大学院 医薬保健総合研究科 創薬科学…

ドラえもん探究ワールド 身近にいっぱい!おどろきの化学

概要「化学」への興味の芽を育むマンガ+解説書 子ども(大人も)の毎日は、「化学」とのお付き合…

データ駆動型R&D組織の実現に向けた、MIを組織的に定着させる3ステップ

開催日:2022/05/25 申込みはこちら■開催概要近年、少子高齢化、働き手の不足の影…

薬剤師国家試験にチャレンジ!【有機化学編その1】

2022.5.21 追記: 問3の構造式を再度訂正しました。2022.5.2…

Chem-Station Twitter

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP