[スポンサーリンク]

ケムステまとめ

有機合成テクニック集[ケムステ版]

[スポンサーリンク]

スタッフの多くが有機合成を専門としている事情から、ケムステには有機合成化学領域の記事が豊富に存在しています。分野としても手を動かさねば進まず、職人的技術が多く求められる側面があるため、テクニックやノウハウの蓄積も進んでいます。

本まとめではケムステで過去に公開された有機合成の実験テクニック集をまとめてご紹介したいと思います。

試薬・プロトコル選びに関するテクニック

tech_summary_2

無数の試薬・反応条件から適切なものを選び取り、実施する・・・これが優れた有機合成化学者に求められる最重要能力であることは間違い有りません。実験が上手く滞りなく進む人は、着手前のプランニングに優れているのです。試薬も怪しいグレードのものを見極めて使わない、必要に応じて精製して使う・・・などの意志決定も正確です。遠回りな一手であっても、トータルで時間を無駄しないため重要とされるものもあります。日々の経験から学んでいきましょう。

分離・精製に関するテクニック

tech_summary_1

主にはカラムクロマトグラフィに関するテクニックが多く紹介されています。ラボに加入した学生、経験を積んだシニア研究者、いずれも日々頭を悩まされる作業でしょう。時間もそれなりにかかるため、これがスムーズに行えるかどうかが有機合成の巧拙に直結すると言っても過言ではありません。とはいえちょっとしたノウハウを学びつつ、経験を積めば確実に上手くなるものです。

溶媒処理に関するテクニック

tech_summary_3

現代では市販の溶媒も質が上がり、自前精製する必要無く気軽に使うことができるようになりました。しかし非常に高度なケアを必要とする局面は、研究テーマ次第で今もあります。その典型が、脱気と乾燥だと思います。経験の浅い人はまずこの記事をご覧ください。

定量・再現・信頼性に関するテクニック

tech_summary_3

電子天秤、NMRチャート、HPLC、質量分析などは何とはなしに毎日使っているものですが、機械である以上、当然ながら誤差が生じます。特に数mg~数μgサンプルでの計量が求められるケースでは、データがどれだけ確からしいか理解すべく、正確な測定法・分析手法の信頼性を頭に入れておくことが必要不可欠です。

失敗・安全に関するテクニック

tech_summary_4

様々な代替法が開発されているとはいえ、危険な試薬の使用が求められることは今でも多くあります。ゆえに事故と隣り合わせであることは、実験化学者の宿命でもあります。しかし命あっての物種ですし、初動を早くし被害を最小化するためにも、実験を行う人全てが対処法を知っておかねば成りません。普段から身の回りを整理整頓しておくことでも、被害の拡大は防げます。

有機合成ラボで使える便利な製品

tech_summary_5

実験器具・装置の世界も日進月歩です。日常的な消耗品から高価な装置までをご紹介。どれも優れた点がありますので、予算と必要性に応じて導入を検討されてみてはいかがでしょうか。

有機合成のテクニック書籍

はじめて研究室に配属された人、有機合成に取り組み始めたばかりの人にとって参照価値のある、「合成のお作法」が一通り記されるプロトコル集です。

事故と隣り合わせの化学実験ですが、暗澹たる気持ちにならず気楽に学んでほしい、とのコンセプトで作られている書籍です。

こちらは有機合成に限った話題と言うよりは、「研究室って何?」という人向けの書籍です。漫画も入れながら読み易く記されています。テクニック以前の話として、お互いに気持ちよいラボ生活を送るために、是非一読しておくと良いでしょう。

まさに実験ノートを正しく利用することが研究を成功させるために重要であることを再確認できる書籍です。

ケムステ外の有機合成関連テクニック集

有機合成を行う人たち全てに役立つ、実験TIPS満載のサイトを紹介しておきます。

cosine

投稿者の記事一覧

博士(薬学)。Chem-Station副代表。国立大学教員→国研研究員にクラスチェンジ。専門は有機合成化学、触媒化学、医薬化学、ペプチド/タンパク質化学。
関心ある学問領域は三つ。すなわち、世界を創造する化学、世界を拡張させる情報科学、世界を世界たらしめる認知科学。
素晴らしければ何でも良い。どうでも良いことは心底どうでも良い。興味・趣味は様々だが、そのほとんどがメジャー地位を獲得してなさそうなのは仕様。

関連記事

  1. 生合成研究の記事まとめ
  2. Dead Endを回避せよ!「全合成・極限からの一手」シリーズ
  3. コロナウイルス関連記事 まとめ
  4. 研究者向けプロフィールサービス徹底比較!
  5. 研究費・奨学金の獲得とプロポーザルについて学ぼう!
  6. 身近なカガクを説明した記事まとめ
  7. 研究倫理問題について学んでおこう
  8. 化学小説まとめ

コメント、感想はこちらへ

注目情報

ピックアップ記事

  1. 第112回―「生体分子センサー・ドラッグデリバリーシステムの開発」Shana Kelley教授
  2. ケムステVシンポまとめ
  3. 実現思いワクワク 夢語る日本の化学者
  4. IR情報から読み解く大手化学メーカーの比較
  5. 電子のやり取りでアセンの分子構造を巧みに制御
  6. エレクトライド:大量生産に道--セメント原料から次世代ディスプレーの材料
  7. トリフルオロメタンスルホン酸トリエチルシリル : Triethylsilyl Trifluoromethanesulfonate
  8. 【なんと簡単な!】 カーボンナノリングを用いた多孔性ナノシートのボトムアップ合成
  9. 「重曹でお掃除」の化学(その2)
  10. メールのスマートな送り方

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2016年3月
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031  

注目情報

最新記事

超塩基に匹敵する強塩基性をもつチタン酸バリウム酸窒化物の合成

第604回のスポットライトリサーチは、東京工業大学 元素戦略MDX研究センターの宮﨑 雅義(みやざぎ…

ニキビ治療薬の成分が発がん性物質に変化?検査会社が注意喚起

2024年3月7日、ブルームバーグ・ニュース及び Yahoo! ニュースに以下の…

ガラスのように透明で曲げられるエアロゲル ―高性能透明断熱材として期待―

第603回のスポットライトリサーチは、ティエムファクトリ株式会社の上岡 良太(うえおか りょうた)さ…

有機合成化学協会誌2024年3月号:遠隔位電子チューニング・含窒素芳香族化合物・ジベンゾクリセン・ロタキサン・近赤外光材料

有機合成化学協会が発行する有機合成化学協会誌、2024年3月号がオンライン公開されています。…

日本化学会 第104春季年会 付設展示会ケムステキャンペーン Part3

日本化学会年会の付設展示会に出展する企業とのコラボです。第一弾・第二弾につづいて…

ペロブスカイト太陽電池の学理と技術: カーボンニュートラルを担う国産グリーンテクノロジー (CSJカレントレビュー: 48)

(さらに…)…

日本化学会 第104春季年会 付設展示会ケムステキャンペーン Part2

前回の第一弾に続いて第二弾。日本化学会年会の付設展示会に出展する企業との…

CIPイノベーション共創プログラム「世界に躍進する創薬・バイオベンチャーの新たな戦略」

日本化学会第104春季年会(2024)で開催されるシンポジウムの一つに、CIPセッション「世界に躍進…

日本化学会 第104春季年会 付設展示会ケムステキャンペーン Part1

今年も始まりました日本化学会春季年会。対面で復活して2年めですね。今年は…

マテリアルズ・インフォマティクスの推進成功事例 -なぜあの企業は最短でMI推進を成功させたのか?-

開催日:2024/03/21 申込みはこちら■開催概要近年、少子高齢化、働き手の不足の影…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP