[スポンサーリンク]

世界の化学者データベース

ライアン・シェンビ Ryan A. Shenvi

[スポンサーリンク]

ライアン・A・シェンビ(Ryan A. Shenvi, 1981年2月2日-)は、アメリカの有機化学者である。米国スクリプス研究所准教授(写真: Scripps Research)。

経歴

2003 ペンシルベニア州立大学 学士号取得 (R. L. Funk教授)
2008 スクリプス研究所 博士号取得 (P. S. Baran教授)
2008–2010 ハーバード大学 博士研究員 (E. J. Corey教授)
2010–2014  スクリプス研究所 助教授
2014–2019 スクリプス研究所 准教授
2019– スクリプス研究所 教授

受賞歴

2005–2008  NDSEG Predoctoral Fellow, TSRI
2007 Lesly Starr Shelton Award for Excellence in Chemistry Graduate Studies
2007 Roche Excellence in Chemistry Award
2008–2010 NIH Ruth L. Kirschstein Fellow, Harvard University
2011 Eli Lilly New Faculty Award
2012 Boehringer Ingelheim New Investigator Award
2013 Amgen Young Investigator Award
2013 Baxter Foundation Young Investigator Award
2014 Alfred P. Sloan Research Fellow
2014 NSF CAREER Award
2014 BMS Unrestricted Grant in Synthetic Organic Chemistry Award
2014 Novartis Early Career Award
2015 Eli Lilly Grantee Award
2019 Tetrahedron Young Investigator Award 2019
2021 Elias J. Corey Award for Outstanding Original Contribution in Organic Synthesis by a Young Investigator

研究業績

学士をR. L. Funk教授のもとで、博士をP. S. Baran教授のもとで取得。博士研究員をE . J. Corey教授のもとで勤めた後、スクリプス研究所で助教授となる。2014年にテニュアを取得、准教授となり現在に至る。

テルペンやアルカロイドなどの天然物合成、およびそれらの合成を指向した反応開発を中心に研究を行っている。例えば、2012年にはfunebreneやcumacreneといった歪んだテルペンを合成する画期的な手法を報告しているほか[1]、2013年には(–)-neothiobinupharidineの全合成を行っている[2]。また同年、立体反転によって第三級アルコールを第三級アミンに変換する手法をNature誌に報告し、大きな注目を集めた[3]。最近では、自身で開発した手法により合成した分子の生物活性を評価するなど[4]、ケミカルバイオロジー分野へと研究の幅を広げている。

スクリーンショット 2015-04-29 12.19.07

ちなみに、Baran研在学時の有名な仕事に(+)-cortistatin Aの全合成[5]と(±)-chartelline C[6]の全合成がある。

スクリーンショット 2015-04-29 12.17.46

名言集

 

コメント&その他

 

関連動画

 

 

関連文献

  1. Pronin, S. V.; Shenvi R. A. Nat. Chem. 2012, 4, 915. DOI: 10.1038/nchem.1458
  2. Jansen, D. J.; Shenvi, R. A. J. Am. Chem. Soc. 2013135, 1209. DOI: 10.1021/ja310778t
  3. Pronin, S. V.; Reiher, C. A.; Shenvi R. A. Nature 2013, 501, 195. DOI: 10.1038/nature12472
  4. Wan, K. K.; Iwasaki, K.; Umotoy, J. C.; Wolan, Q. W.; Shenvi, R. A. Angew. Chem., Int. Ed. 2015, 54, 2410. DOI: 10.1002/anie.201411493
  5. Shenvi, R. A.; Guerrero, C. A.; Shi, J.; Li, C. -C.; Baran, P. S. J. Am. Chem. Soc. 2008, 130, 7241. DOI: 10.1021/ja8023466
  6. Shenvi, R. A.; Baran, P. S. J. Am. Chem. Soc. 2006128, 14028. DOI: 10.1021/ja0659673

関連書籍

 

 

関連リンク

めぐ

投稿者の記事一覧

博士(理学)。大学教員。娘の育児に奮闘しつつも、分子の世界に思いを馳せる日々。

関連記事

  1. 平井 剛 Go Hirai
  2. アントニオ・M・エチャヴァレン Antonio M. Echav…
  3. 加藤 昌子 Kato Masako
  4. 飯野 裕明 Hiroaki Iino
  5. ヴィンス・ロテロ Vincent M. Rotello
  6. ティム・スワガー Timothy M. Swager
  7. トーマス・トーレス Tomas Torres
  8. アンドレアス ファルツ Andreas Pfaltz

コメント、感想はこちらへ

注目情報

ピックアップ記事

  1. 井口 洋夫 Hiroo Inokuchi
  2. サイコロを作ろう!
  3. 高効率な可視-紫外フォトン・アップコンバージョン材料の開発 ~太陽光や室内LED光から紫外光の発生~
  4. フィッシャー オキサゾール合成 Fischer Oxazole Synthesis
  5. スズアセタールを用いる選択的変換 Selective Transformation with Tin Acetal
  6. アンドリュー・ハミルトン Andrew D. Hamilton
  7. 私達の時間スケールでみても、ガラスは固体ではなかった − 7年前に分からなかった問題を解決 −
  8. 呉羽化学、社名を「クレハ」に
  9. 第144回―「CO2を捕捉する多孔性金属-有機構造体の開発」Myunghyun Paik Suh教授
  10. 薬剤師国家試験にチャレンジ!【有機化学編その1】

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2015年5月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

注目情報

最新記事

プロトン共役電子移動を用いた半導体キャリア密度の精密制御

第582回のスポットライトリサーチは、物質・材料研究機構(NIMS) ナノアーキテクトニクス材料研究…

有機合成化学協会誌2023年11月号:英文特別号

有機合成化学協会が発行する有機合成化学協会誌、2023年11月号がオンライン公開されています。…

高懸濁試料のろ過に最適なGFXシリンジフィルターを試してみた

久々の、試してみたシリーズ。今回試したのはアドビオン・インターチム・サイエンティフィ…

細胞内で酵素のようにヒストンを修飾する化学触媒の開発

第581回のスポットライトリサーチは、東京大学大学院 薬学系研究科 有機合成化学教室(金井研究室)の…

カルロス・シャーガスのはなし ーシャーガス病の発見者ー

Tshozoです。今回の記事は8年前に書こうと思って知識も資料も足りずほったらかしておいたのです…

巨大な垂直磁気異方性を示すペロブスカイト酸水素化物の発見 ―水素層と酸素層の協奏効果―

第580回のスポットライトリサーチは京都大学大学院工学研究科物質エネルギー化学専攻 陰山研究室の難波…

2023年度第1回日本化学連合シンポジウム「ヒューメインな化学 ~感覚の世界に化学はどう挑むか~」

人間の幸福感は、五感に依るところが大きい。化学は文明的で健康的な社会を支える物質を継続的に産み出して…

超難溶性ポリマーを水溶化するナノカプセル

第579回のスポットライトリサーチは東京工業大学 化学生命科学研究所 吉沢・澤田研究室の青山 慎治(…

目指せ抗がん剤!光と転位でインドールの(逆)プレニル化

可視光レドックス触媒を用いた、インドール誘導体のジアステレオ選択的な脱芳香族的C3位プレニル化および…

マテリアルズ・インフォマティクスに欠かせないデータ整理の進め方とは?

開催日:2023/11/29 申し込みはこちら■開催概要近年、少子高齢化、働き手の不足の…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP