[スポンサーリンク]

世界の化学者データベース

キャロライン・ベルトッツィ Carolyn R. Bertozzi

[スポンサーリンク]

キャロライン・R・ベルトッツィ(Carolyne R. Bertozzi、1966年10月10日-)は、アメリカの有機化学者、分子細胞生物学者である (写真:Bertozzi Group)。スタンフォード大学教授。

経歴

1988 ハーバード大学 学士号取得(Joe Grabowski教授)
1993 カリフォルニア大学バークレー校 博士号取得 (Mark Bednarski教授)
1993 博士研究員
1996 カリフォルニア大学バークレー校
2015 スタンフォード大学教授
19xx ハワード・ヒューズ医療研究所(HHMI) 研究員兼任

 

受賞歴

1987 Danforth Teaching Award
1988 New England American Institute of Chemists Award
1988 Thomas T. Hoopes Undergraduate Thesis Prize
1989, 1990 Outstanding Graduate Student Instructor Awards
1992 Bruce Mahan Teaching Award
1995 Camille and Henry Dreyfus New Faculty Award
1996 Exxon Education Fund Young Investigator Award
1996 Pew Scholars Award in the Biomedical Sciences
1997 Burroughs Wellcome New Investigator Award in Pharmacology
1997 Alfred P. Sloan Research Fellow
1997 Horace S. Isbell Award in Carbohydrate Chemistry (ACS)
1998 Office of Naval Research Young Investigator Award
1998 Research Corporation Research Innovation Award
1998 Glaxo Wellcome Scholar
1998 Prytanean Faculty Award
1998 Beckman Young Investigator Award
1999 MacArthur Foundation Award
1999 Camille Dreyfus Teacher-Scholar Award
1999 ACS アーサー・C・コープ スカラー賞
2000 Presidential Early Career Award in Science and Engineering (PECASE)
2000 UC Berkeley Department of Chemistry Teaching Award
2000 Merck Academic Development Program Award
2001 The Donald Sterling Noyce Prize for Excellence in Undergraduate Teaching
2001 Berkeley’s Distinguished Teaching Award
2001 ACS Award in Pure Chemistry
2002 Irving Sigal Young Investigator Award of the Protein Society
2004 Agnes Fay Morgan Research Award
2005 Havinga Medal
2005 The T.Z. and Irmgard Chu Distinguished Professorship in Chemistry
2007 Ernst Schering Prize
2008 Willard Gibbs Award
2009 W. H. Nichols Award
2009 Harrison Howe Award
2009 Albert Hofmann Medal, Univ. Zurich
2010 Lemelson-MIT Prize
2010 Royal Society of Chemistry – Organic Division, Bioorganic Chemistry Award
2011 Tetrahedron Young Investigator Award for Bioorganic and Medicinal Chemistry
2012 Heinrich Wieland Prize
2013 Elected Fellow of the National Academy of Inventors
2015 UCSF 150th Anniversary Alumni Excellence Award
2017 Arthur C. Cope Award
2022 Wolf Prize

 

研究

ガン、感染症、炎症疾患などに重要な働きを担うとされる細胞表面の糖鎖に着目し、その分子レベルでの機能解明を目指したケミカルバイオロジー研究を進めている。

細胞表面の人工修飾法の開発

アジド化分子に以下のようなリン試薬を反応させ、強固なアミド結合で蛍光試薬などをリンケージさせる手法を開発(Staudinger-Bertozzi Ligation)[1]。本反応は高収率かつ高化学選択的に進行し、生体条件であっても適用可能である。Bertozziらはアジド糖を表面に発現させた細胞に対して本リゲーション反応を行い、細胞表面を人工修飾する手法を確立した。このケミカルバイオロジー的手法を基盤として、様々な生命現象へとアプローチしている。

 

staudinger_3.gif

Staudinger-Bertozzi Ligation

 また、アジド-アルキン環化付加(Huisgen環化)を用いた標識法の開発にも取り組んでいる。特にひずんだ電子不足アルキン(フッ素置換シクロオクチン)を用いる事で、銅触媒を用いずとも速やかに反応が進行することを示すことに成功[2]。生体毒性のある重金属を用いずとも良い生体直交型反応として重要である。

huisgen13_5.gif

 

 

コメント&その他

  1. まだ40代前半の研究者ですが(当時)、若くから既に世界的に有名な女性科学者の一人です。天才科学者・芸術家に与えられるMacArthur Fellowshipを史上最年少の33歳で獲得しています。
  2. 父親のWilliam Bertozzi(MIT物理学科)、姉のAndrea Bertozzi(UCLA数学科)もそれぞれ米国の大学で教鞭を執る、アカデミック一家です。

関連動画

 

関連文献

  1. Saxon, E.; Bertozzi, C.R. Science 2000, 287, 2007. DOI: 10.1126/science.287.5460.2007
  2. (a) Agard, N. J.; Prescher, J. A.; Bertozzi, C. R. J. Am. Chem. Soc. 2004, 126, 15046.DOI: 10.1021/ja044996f (b) Bertozzi, C. R. et al. Proc. Natl. Acad. Sci. USA 2007104, 16793. doi:10.1073/pnas.0707090104
  3.  Prescher, J. A.; Dube, D. H.; Bertozzi, C. R. Nature 2004430, 873 DOI: 10.1038/nature02791
  4. Laughlin, S. T.; Baskin, J. M.; Amacher, S. L.; Bertozzi, C. R. Science 2008320, 664. DOI: 10.1126/science.1155106
  5. Reviews: (a) Prescher, J. A.; Bertozzi, C. R. Nature Chem. Biol. 2005, 1, 13 (b) Dube, D. H.; Bertozzi, C. R.  Curr. Opin. Chem. Biol. 2003, 7, 616. (c) Bertozzi, C. R.; Kiessling, L. L. Science 2001, 291, 2357.

関連書籍

関連試薬

Aldrich

アジド糖: N-Azido acetyl manno s amine, Acetyl ated

分子量:430.37
CAS:  

製品コード: A7605 

値段: 1 mg 22,000 円 (2008.10.22 現在)

用途: ペルアセチルアジド糖(Staudinger-Bertozzi Ligationに関する試薬)

説明: 化学的もしくは哺乳類細胞の既存の生合成経路を利用してグリカン構造に組み込むことができるペルアセチルアジド糖。他に2種類を販売している。

文献:Saxon, E.; Bertozzi, C. R. Science 2000, 287, 2007.

その他の化学ライゲーションについての記述:Staudinger反応を利用した化学選択的で高収率かつ穏やかな化学ライゲーション法(Sigma-Aldrich有機合成関連製品), 化学ライゲーション (Aldrichカタログ, PDFファイル)

東京化成工業

有用なりん化合物: Methyl Diphenylphosphinite

 分子量:216.22

CAS: 4020-99-9

製品コード: D2557

値段: 5g 10,500円(2008.10.22 現在)

用途: ペプチド合成用試薬

説明:ラセミ化が起こりにくいため、ペプチド合成に有用。Staudinger反応とWittig型反応を組合せたアミド結合形成反応。

文献:J. Zaloom, M. Calandra, D. C. Roberts, J. Org. Chem., 50, 2601 (1985).

その他この試薬に関する記述: 有用なりん化合物 / Useful Phosphorus Compounds(TCIメール)

 

外部リンク

 

cosine

投稿者の記事一覧

博士(薬学)。Chem-Station副代表。国立大学教員→国研研究員にクラスチェンジ。専門は有機合成化学、触媒化学、医薬化学、ペプチド/タンパク質化学。
関心ある学問領域は三つ。すなわち、世界を創造する化学、世界を拡張させる情報科学、世界を世界たらしめる認知科学。
素晴らしければ何でも良い。どうでも良いことは心底どうでも良い。興味・趣味は様々だが、そのほとんどがメジャー地位を獲得してなさそうなのは仕様。

関連記事

  1. 谷野 圭持 Keiji Tanino
  2. フリッツ・フェクトレ Fritz Vögtle
  3. ジャン=ピエール・ソヴァージュ Jean-Pierre Sauv…
  4. ヴィンス・ロテロ Vincent M. Rotello
  5. アントニオ・M・エチャヴァレン Antonio M. Echav…
  6. シーユアン・リュー Shih-Yuan Liu
  7. サミュエル・ダニシェフスキー Samuel J. Danishe…
  8. 寺崎 治 Osamu Terasaki

コメント、感想はこちらへ

注目情報

ピックアップ記事

  1. ESIPTを2回起こすESDPT分子
  2. ワインレブケトン合成 Weinreb ketone synthesis
  3. いまさら聞けない、けど勉強したい 試薬の使い方  セミナー(全5回) ~DOJIN 5 は語りだす~
  4. TLCと反応の追跡
  5. 触媒のチカラで拓く位置選択的シクロプロパン合成
  6. ニッケル触媒でアミド結合を切断する
  7. 環化異性化反応 Cycloisomerization
  8. リニューアル?!
  9. フリーデル・クラフツ アシル化 Friedel-Crafts Acylation
  10. 映画007シリーズで登場する毒たち

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2007年11月
 1234
567891011
12131415161718
19202122232425
2627282930  

注目情報

注目情報

最新記事

表面酸化した銅ナノ粒子による低温焼結に成功~銀が主流のプリンテッドエレクトロニクスに、銅という選択肢を提示~

第393回のスポットライトリサーチは、北海道大学 大学院工学院 材料科学専攻 マテリアル設計講座 先…

高分子材料におけるマテリアルズ・インフォマティクスの活用とは?

 申込みはこちら■セミナー概要本動画は、20022年5月18日に開催されたセミナー「高分…

元素のふるさと図鑑

2022年も折り返しに差し掛かりました。2022年は皆さんにとってどんな年になり…

Q&A型ウェビナー カーボンニュートラル実現のためのマイクロ波プロセス 〜ケミカルリサイクル・乾燥・濃縮・焼成・剥離〜

<内容>本ウェビナーでは脱炭素化を実現するための手段として、マイクロ波プロセスをご紹介いたします…

カルボン酸、窒素をトスしてアミノ酸へ

カルボン酸誘導体の不斉アミノ化によりキラルα-アミノ酸の合成法が報告された。カルボン酸をヒドロキシル…

海洋シアノバクテリアから超強力な細胞増殖阻害物質を発見!

第 392回のスポットライトリサーチは、慶應義塾大学大学院 理工学研究科 博士後期課…

ポンコツ博士の海外奮闘録⑧〜博士,鍵反応を仕込む②〜

ポンコツシリーズ一覧国内編:1話・2話・3話国内外伝:1話・2話・留学TiPs海外編:1…

給電せずに電気化学反応を駆動 ~環境にやさしい手法として期待、極限環境での利用も~

第391回のスポットライトリサーチは、東京工業大学物質理工学院応用化学系 稲木研究室の岩井 優 (い…

GCにおける水素のキャリアガスとしての利用について

最近ヘリウムの深刻な供給不安により、GCで使うガスボンベの納期が未定となってしまい、ヘリウムが無くな…

タンパク質リン酸化による液-液相分離制御のしくみを解明 -細胞内非膜型オルガネラの構築原理の解明へ-

第 390 回のスポットライトリサーチは、東京大学大学院 理学系研究科 助教の 山崎…

Chem-Station Twitter

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP