[スポンサーリンク]

odos 有機反応データベース

シュタウディンガー反応 Staudinger Reaction

[スポンサーリンク]

 

概要

アジド化合物は三価のリン化合物と反応して、イミノホスホラン(アザ-リンイリド)化学種を与える。この加水分解によって一級アミンを得る方法をStaudinger反応という。イミノホスホランは様々な化学反応の中間体として用いることができる。カルボニルとも反応し、イミンを与える(aza-Wittig反応)。

オレフィンを持つ化合物など、Pd触媒による水素添加還元が使えない時に有効である。

基本文献

 

反応機構

参考:J. Org. Chem. 200469 , 4299. J. Am. Chem. Soc. 2005, 127, 2686.
staudinger_2.gif

反応例

Staudinger-Bertozziリゲーション[1]Bertozziらはアジド化分子に以下のようなリン試薬を反応させ、蛍光試薬などを強固なアミド結合でリンケージさせることに成功している。本化学修飾法は高収率かつ高化学選択的に進行し、様々なケミカルバイオロジー的用途へと応用されうる。
staudinger_3.gif
Traceless Staudinger Ligation[2]:Cys残基が必要というNative Chemical Ligation特有の制約がない。
staudinger_4.gif

実験手順

 

実験のコツ・テクニック

 

参考文献

[1] Saxon, E.; Bertozzi, C.R. Science 2000287, 2007. doi: 10.1126/science.287.5460.2007
[2] (a) Saxon, E.; Armstrong, C.R.; Bertozzi, C.R. Org. Lett. 2000, 2, 2141. DOI: 10.1021/ol006054v
(b) Nilsson, B.L.; Kiessling, L.L.; Raines, R.T. Org. Lett. 2000, 2, 1939. DOI: 10.1021/ol0060174

 

関連反応

 

関連書籍

 

外部リンク

関連記事

  1. 9-フルオレニルメチルオキシカルボニル保護基 Fmoc Prot…
  2. フィッシャーカルベン錯体 Fischer Carbene Com…
  3. デーリング・ラフラム アレン合成 Doering-LaFlamm…
  4. 四酸化オスミウム Osmium Tetroxide (OsO4)…
  5. ビシュラー・ナピエラルスキー イソキノリン合成 Bischler…
  6. 隣接基関与 Neighboring Group Particip…
  7. リッター反応 Ritter Reaction
  8. 硤合不斉自己触媒反応 Soai Asymmetric Autoc…

コメント、感想はこちらへ

注目情報

ピックアップ記事

  1. 多成分連結反応 Multicomponent Reaction (MCR)
  2. 不斉Corey-Chaykovskyエポキシド合成を鍵としたキニーネ・キニジンの選択的合成
  3. 第13回 化学を楽しみ、創薬に挑み続ける ―Derek Lowe博士
  4. ファイトスルフォカイン (phytosulfokine)
  5. 電流励起による“選択的”三重項励起状態の生成!
  6. アセトアルデヒドが香料に 食品添加物として指定了承
  7. 環状ビナフチルオリゴマーの大きさが円偏光の向きを変える
  8. 有機合成化学協会誌2020年5月号:特集号 ニューモダリティ;有機合成化学の新しい可能性
  9. 第57回―「アニオン認識の超分子化学」Phil Gale教授
  10. 脱離反応 Elimination Reaction

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2009年6月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

注目情報

最新記事

マリンス有機化学(上)-学び手の視点から-

概要親しみやすい会話形式を用いた現代的な教育スタイルで有機化学の重要概念を学べる標準教科書.…

【大正製薬】キャリア採用情報(正社員)

<求める人物像>・自ら考えて行動できる・高い専門性を身につけている・…

国内初のナノボディ®製剤オゾラリズマブ

ナノゾラ®皮下注30mgシリンジ(一般名:オゾラリズマブ(遺伝子組換え))は、A…

大正製薬ってどんな会社?

大正製薬は病気の予防から治療まで、皆さまの健康に寄り添う事業を展開しています。こ…

一致団結ケトンでアレン合成!1,3-エンインのヒドロアルキル化

ケトンと1,3-エンインのヒドロアルキル化反応が開発された。独自の配位子とパラジウム/ホウ素/アミン…

ベテラン研究者 vs マテリアルズ・インフォマティクス!?~ 研究者としてMIとの正しい向き合い方

開催日 2024/04/24 : 申込みはこちら■開催概要近年、少子高齢化、働き手の不足…

第11回 慶應有機化学若手シンポジウム

シンポジウム概要主催:慶應有機化学若手シンポジウム実行委員会共催:慶應義塾大…

薬学部ってどんなところ?

自己紹介Chemstationの新入りスタッフのねこたまと申します。現在は学部の4年生(薬学部)…

光と水で還元的環化反応をリノベーション

第609回のスポットライトリサーチは、北海道大学 大学院薬学研究院(精密合成化学研究室)の中村顕斗 …

ブーゲ-ランベルト-ベールの法則(Bouguer-Lambert-Beer’s law)

概要分子が溶けた溶液に光を通したとき,そこから出てくる光の強さは,入る前の強さと比べて小さくなる…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP