[スポンサーリンク]

ケムステニュース

がん治療にカレー成分-東北大サイエンスカフェ

 

東北大のサイエンスカフェが9月27日、「カレーの成分クルクミンが先導する創薬研究」をテーマに、仙台市青葉区のせんだいメディアテークであった。東北大大学院薬学研究科の岩渕好治教授が、カレーの香辛料に含まれるクルクミンによる新薬開発の可能性について話した(引用:河北新報 10月9日)。

少し前の記事ですが、知り合いの教授で気になったので、一筆。カレーの香辛料ターメリックに含まれる分子クルクミン。「癌に効く」可能性を求めて、この誘導体を作成してクルクミンの20倍ほどのがん細胞を抑える分子をつくることに成功しました。

さらに、その受容タンパク質および作用機序(どのように効果があるのか)を決めるため、分子プローブ(GO-86)を合成。これを使って、がん細胞の増殖にかかわるFUBPと特異的に結合することが明らかとなったということです。

GO-86.png

GOY-86とFUBPとの結合イメージ図。論文から引用

とっても分かりやすい研究でサイエンスカフェにぴったりな話題だと思います。

それにしても、ビオチン?アビジン法を使う際にビオチン部位をつけるためにクリックケミストリーを使うというのは定法になってますね。筆者も1度やったことがありますが、苦労していたプローブをめちゃくちゃ温和な条件下つなげることができるんですよね。さらに余談ですが、調べてみるとクルクミン健康食品もかなりたくさん売られているようで。体に害はないと思いますが、食品として効くかどうかは気のもちよう?

 

関連文献

(1) “KSRP/FUBP2 Is a Binding Protein of GO-Y086, a Cytotoxic Curcumin Analogue”

Yamakoshi, H.; Kanoh, N.; Kudo, C.; Sato, A.; Ueda, K.; Muroi, M.; Kon, S.; Satake, M.; Ohori, H.; Ishioka, C. ACS Med. Chem. Lett. 2010, 1, 273-276. DOI:?10.1021/ml1000454

Bis(arylmethylidene)acetone derivatives are an important class of curcumin analogues that exhibit various biological and pharmacological activities. We herein report that GO-Y086, a biotinylated bis(arylmethylidene)acetone, inhibits cancer cell growth. We also show that GO-Y086 specifically interacts with the nuclear protein KSRP/FUBP2 by covalent modification. GO-Y086 markedly suppresses the expression of the c-Myc protein, which plays an important role in cellular proliferation and whose expression is regulated by KSRP/FUBP2.

(2) “Structure–activity relationship of C5-curcuminoids and synthesis of their molecular probes thereof”

Yamakoshi, H.; Ohori, H.; Kudo, C.; Sato, A.; Kanoh, N.; Ishioka, C.; Shibata, H.; Iwabuchi, Y. Bioorg. Med. Chem. 2010, 18, 1083-1092. DOI:10.1016/j.bmc.2009.12.045

1-s2.0-S0968089609011377-fx1

A series of novel analogues of 1,5-bis(4-hydroxy-3-methoxyphenyl)-penta-(1E,4E)-1,4-dien-3-one (C5-curcumin), which is a natural analogue of curcumin isolated from the rhizomes of Curcuma domestica Val. (Zingiberacea), were synthesized and evaluated for their cytotoxicities against human colon cancer cell line HCT-116 to conclude the SAR of C5-curcuminoids for further development of their use in cancer chemotherapy: (1) Bis(arylmethylidene)acetone serves as a promising skeleton for eliciting cytotoxicity. (2) The 3-oxo-1,4-pentadiene structure is essential for eliciting cytotoxicity. (3) As for the extent of the aromatic substituents, hexasubstituted compounds exhibit strong activities, in which 3,4,5-hexasubstitution results in the highest potency. (5) The symmetry between two aryl rings is not an essential requirement for bis(arylmethylidene)acetones to elicit cytotoxicity. (6) para-Positions allows the installation of additional functional groups for use as molecular probes. By taking advantage of the SAR diagram, we have elaborated several advanced derivatives having GI50 of single-digit micromolar potencies that will function as molecular probes to target and/or report key biomolecules interacting with curcumin and C5-curcumin.

 

関連リンク

東北大学岩淵研究室

 

関連商品

The following two tabs change content below.
webmaster
Chem-Station代表。早稲田大学理工学術院教授。専門は有機化学。主に有機合成化学。分子レベルでモノを自由自在につくる、最小の構造物設計の匠となるため分子設計化学を確立したいと考えている。趣味は旅行(日本は全県制覇、海外はまだ20カ国ほど)、ドライブ、そしてすべての化学情報をインターネットで発信できるポータルサイトを作ること。

関連記事

  1. 大塚製薬4200億円で米バイオベンチャーを買収
  2. ナノテクノロジー関連の特許が多すぎる問題
  3. 旭化成の今期、営業利益15%増の1250億円に
  4. 白い有機ナノチューブの大量合成に成功
  5. DNAに電流通るーミクロの電子デバイスに道
  6. 2007年10大化学ニュース
  7. 光で分子の結合状態を変えることに成功
  8. 2017年の有機ELディスプレイ世界市場は11年比6.6倍の2兆…

コメント、感想はこちらへ

注目情報

ピックアップ記事

  1. バイオマス燃料・化学品の合成と触媒の技術動向【終了】
  2. 窒素固定をめぐって-1
  3. The Art of Problem Solving in Organic Chemistry
  4. 岩澤 伸治 Nobuharu Iwasawa
  5. 2012年ノーベル化学賞は誰の手に?
  6. JEOL RESONANCE「UltraCOOL プローブ」: 極低温で感度MAX! ②
  7. 研究者向けプロフィールサービス徹底比較!
  8. 花王、ワキガ臭の発生メカニズムを解明など研究成果を発表
  9. ウェルチ化学賞・受賞者一覧
  10. 来年は世界化学年:2011年は”化学の年”!

関連商品

注目情報

注目情報

最新記事

工程フローからみた「どんな会社が?」~タイヤ編 その1

Tshozoです。今回の主役はゴムで出来ている車両用タイヤ。通勤時に道路で毎日目にするわりに…

感染制御ー薬剤耐性(AMR)ーChemical Times特集より

関東化学が発行する化学情報誌「ケミカルタイムズ」。年4回発行のこの無料雑誌の紹介をしています。…

有機合成化学協会誌2019年1月号:大環状芳香族分子・多環性芳香族ポリケチド天然物・りん光性デンドリマー・キャビタンド・金属カルベノイド・水素化ジイソブチルアルミニウム

有機合成化学協会が発行する有機合成化学協会誌、2019年1月号がオンライン公開されました。今…

リチウムイオンバッテリーの容量を最大70%まで向上させる技術が開発されている

スマートフォンや電気自動車の普及によって、エネルギー密度が高く充電効率も良いリチウムイオンバッテリー…

学部4年間の教育を振り返る

皆様、いかがお過ごしでしょうか。学部4年生の筆者は院試験も終わり、卒論作成が本格的に始まるまでの束の…

ダイセルが開発した新しいカラム: DCpak PTZ

ダイセルといえば「キラルカラムの雄」として知られており、光学活性化合物を分離するキラルカラム「CHI…

Chem-Station Twitter

PAGE TOP