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海外化学者インタビュー

第56回―「メタボロミクスを志向した質量分析技術の開発」Gary Siuzdak教授

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第56回の海外化学者インタビューは、ゲイリー・シツダック教授です。カリフォルニアにあるスクリプス質量分析センターに所属し、メタボロミクスのための新しい質量分析技術の開発と応用に取り組んでいます。それではインタビューをどうぞ。

Q. あなたが化学者になった理由は?

質量分析分野での私のキャリアは、それが非常に多様な技術ゆえ、実用的であることに端を発しています。質量分析への興味は、数学や革新的物理学の技術が楽しいこと、これらを組み合わせれば多くの科学分野に応用可能であることから来ています。

Q. もし化学者でなかったら、何になりたいですか?またその理由は?

5月から8月まではアラスカの沿岸測量士、その他の月はバハのムレヘで大工をやりたいです。

Q. 概して化学者はどのように世界に貢献する事ができますか?

室温・大電流・超伝導エネルギー貯蔵装置の開発によって。

Q.あなたがもし歴史上の人物と夕食を共にすることができたら誰と?またその理由は?

アブルッツィ公ルイージ・アメデオ(冒険家)は、我々の基準からすれば最も過酷であろう移動手段を用いて、世界と自身の肉体的経験を探検しました。あるいは純粋に娯楽的価値を求めるなら、サミュエル・ジョンソン(イギリスの作家)でしょう。

Q. あなたが最後に研究室で実験を行ったのはいつですか?また、その内容は?

1999年、クリスピー・クリーム・ドーナツが皮膚組成へ及ぼす影響について、訪問中の高校生と一緒に一連のメタボロミクス実験をデザインしました……変化はとても大きく、興味深いものでした。沢山観測するうち、何人かは皮膚コレステロールの劇的な増加がほとんど即座に見られました。

Q.もしあなたが砂漠の島に取り残されたら、どんな本や音楽が必要ですか?1つだけ答えてください。

「The Lesson」(本)と「Squirrel Nut Zippers」(CD)です。

原文:Reactions – Gary Siuzdak

※このインタビューは2008年3月21日に公開されました。

cosine

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博士(薬学)。Chem-Station副代表。国立大学教員→国研研究員にクラスチェンジ。専門は有機合成化学、触媒化学、医薬化学、ペプチド/タンパク質化学。
関心ある学問領域は三つ。すなわち、世界を創造する化学、世界を拡張させる情報科学、世界を世界たらしめる認知科学。
素晴らしければ何でも良い。どうでも良いことは心底どうでも良い。興味・趣味は様々だが、そのほとんどがメジャー地位を獲得してなさそうなのは仕様。

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