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フローケミストリーーChemical Times特集より

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関東化学が発行する化学情報誌「ケミカルタイムズ」。年4回発行のこの無料雑誌の紹介をしています。

この紹介をはじめたのが2016年1号からなので、ついに7年目突入です。それにも関わらず、今号の巻頭言を読んで初めて知ったことがありました。

「The Chemical Times」(通称:ケミタイ)の読者様におかれましては、つつがなく良い新年を迎えられたことお喜び申し上げます。

(巻頭言より引用)

え、「ケミタイ」?そんな通称だったの?ずっと知りませんでした…これからは認知度アップのために使っていきたいと思います。

さて2022年最初のケミタイの特集は「フローケミストリー」。「フラスコでは実現できない化学を!」と掲げられた目標に対して、着実に研究が進み、実用化もかなりされています。

今回はこのフローケミストリーに関する4つの記事があり毎回すべて無料で閲覧可能です。

それでは1つずつ簡単に紹介しましょう。(記事はそれぞれのタイトルをクリックしていただければ全文無料で閲覧可能です。PDFファイル

フローマイクロケミストリーに基づく反応集積化

京都大学の永木愛一郎准教授らによる寄稿です。同講座を主宰していた故吉田潤一先生が第一人者であったフローマイクロリアクター研究をより発展させています。

フローリアクターはフラスコでの通常(バッチ型)とは異なる反応器、すなわち流路で反応させるものです。その流路径がマイクロメートルサイズのものをフローマイクロリアクターといいいます。

“細い”といったいどんな利点があるのか?

ということですが、最も大きな利点は、熱交換効率が高いため、温度制御が簡単といった理由により、負担亭な中間体を経由する反応も細かい温度制御なしに行えることです。

フローマイクロリアクターの特長と合成反応への利用(出店:Chemical Times)

 

今回の記事では、それらの利点をいかした、数種類の実例を紹介しています。非常に読みやすくまとめられているのでぜひお読み下さい。

フロー連続プロセスのための分離精製技術

京都大学の外輪健一郎教授による寄稿。面識はないですが、学術変革A「デジタル有機合成」で同じ計画班なので、お会いできることを楽しみにしてます(コロナ禍リアルでお会いできる機会がない)。

さて、記事の内容は、化学工学的な観点からのフローケミストリーでしょうか。医薬品分野の連続生産研究のため、フロー精密合成コンソーシアム(FlowSTコンソーシアム)という企業交流がはじまっているようです。

 

 

記事のなかでは、連続晶析技術、小型連続蒸留などの例をあげて、連続生産のための技術開発について述べています。それぞれの課題や、問題点の解決法までのべているので、化学工学が専門でなくても興味深く読める内容になっています。

ポリスチレン架橋ホスフィンに基づく不均一系遷移金属触媒の開発とフロー反応システムへの応用

3つめは北海道大学の澤村正也教授らによる寄稿。澤村教授らは、均一系触媒の専門家ですが、以前よりポリマー担持した均一系触媒の配位子をつかって、その反応場の違いによりユニークな反応性や化学選択性の発現を実現しています。

本稿では、いくつかのホスフィンをポリスチレンに担持させた配位子を用いて、新規遷移金属触媒反応の開発や、用いた触媒のフローケミストリーへの応用を試みています。フローケミストリーで問題となるのが触媒固定。単位面積あたりの触媒担持量や耐久性でまだまだ均一系触媒には劣るものの、バッチ法を超える反応効率やバッチ法では実現できない反応性を得ているようです。

フロー型パラジウム触媒鈴木ー宮浦カップリング(出典:Chemical TImes)

有機合成化学の専門の方ならば、かなり容易に読むことができると思いますので、ご一読を。

フローケミストリーと機械学習の融合

最後は静岡大学の間瀬暢之教授による寄稿。有機不斉触媒を使った反応開発からマイクロファインバブルを用いた有機合成など、触媒と反応場に重きをおいたユニークな研究をしている研究者です。今回の記事では、フローケミストリーと機械学習について述べています。フローケミストリーはかなりシステマティックであり、機械学習の基礎データを集めるために非常に適しているところがあります。本稿では、実例をあげて、有機合成工程の強化を、フローケミストリーと機械学習の両輪で実現しています。

グリーンものづくりにおけるインフォマティクス

 

基本的な操作はバッチからフローへ、合成法は人からAIに変わってくる未来もそう遠くないかもしれません。

フローケミストリーに関するケムステ記事

過去のケミカルタイムズ解説記事

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Chem-Station代表。早稲田大学理工学術院教授。専門は有機化学。主に有機合成化学。分子レベルでモノを自由自在につくる、最小の構造物設計の匠となるため分子設計化学を確立したいと考えている。趣味は旅行(日本は全県制覇、海外はまだ20カ国ほど)、ドライブ、そしてすべての化学情報をインターネットで発信できるポータルサイトを作ること。

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