[スポンサーリンク]

C

キレトロピー反応 Cheletropic Reaction

[スポンサーリンク]

 

概要

ペリ環状反応の一種。同一原子上に二つの結合を生じる環形成反応、もしくはその逆反応を、特にキレトロピー反応と呼ぶ。(m+1)付加環化と分類されることもある。

代表的な反応にはπ系へのSO2付加、ノルボルナジエノンからの脱カルボニル化、カルベン種とアルケンのシクロプロパン化などがあげられる。

基本文献

 

反応機構

 

反応例

キレトロピー反応経由でジエンをアンマスクする例[1] cheletropic_2.gif

Ramberg-Backlund転位におけるエピスルホンからのSO2脱離もキレトロピー過程で進行している。

cheletropic_3.gif 分子内[4+1]付加の例[2] cheletropic_4.gif

実験手順

 

実験のコツ・テクニック

 

参考文献

[1] Nicolaou, K. C.; Barnette, W. E.; Ma, P. J. Org. Chem. 1980, 45, 1463. DOI: 10.1021/jo01296a023
[2] (a) Spino, C.; Rezaei, H.; Dupont-Gaudet, K.; Belanger, F. J. Am. Chem. Soc. 2004, 126, 9926. DOI: 10.1021/ja046344x (b) Boisvert , L.; Beaumier, F.; Spino, C. Org. Lett. 2007, 9, 5361. DOI: 10.1021/ol702172t

 

関連反応

 

関連書籍

[amazonjs asin=”4759808752″ locale=”JP” title=”ペリ環状反応―第三の有機反応機構”][amazonjs asin=”3527314393″ locale=”JP” title=”Pericyclic Reactions – A Textbook: Reactions, Applications and Theory”]

 

関連リンク

Avatar photo

cosine

投稿者の記事一覧

博士(薬学)。Chem-Station副代表。国立大学教員→国研研究員にクラスチェンジ。専門は有機合成化学、触媒化学、医薬化学、ペプチド/タンパク質化学。
関心ある学問領域は三つ。すなわち、世界を創造する化学、世界を拡張させる情報科学、世界を世界たらしめる認知科学。
素晴らしければ何でも良い。どうでも良いことは心底どうでも良い。興味・趣味は様々だが、そのほとんどがメジャー地位を獲得してなさそうなのは仕様。

関連記事

  1. ケック不斉アリル化 Keck Asymmetric Allyla…
  2. ニコラス反応 Nicholas Reaction
  3. ゾムレ・ハウザー転位 Sommelet-Hauser Rearr…
  4. 金属水素化物による還元 Reduction with Metal…
  5. バートン脱アミノ化 Barton Deamination
  6. 歪み促進逆電子要請型Diels-Alder反応 SPIEDAC …
  7. ロゼムンド・リンドセー ポルフィリン合成 Rothemund-L…
  8. ピロティ・ロビンソン ピロール合成 Piloty-Robinso…

注目情報

ピックアップ記事

  1. Z-選択的オレフィンメタセシス
  2. トルキセン : Truxene
  3. Carl Boschの人生 その6
  4. 既存の農薬で乾燥耐性のある植物を育てる
  5. 観客が分泌する化学物質を測定することで映画のレーティングが可能になるかもしれない
  6. フリードレンダー キノリン合成 Friedlander Quinoline Synthesis
  7. 中皮腫治療薬を優先審査へ
  8. Pure science
  9. 立体規則性および配列を制御した新しい高分子合成法
  10. 理化学研究所、植物の「硫黄代謝」を調節する転写因子を発見

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2014年1月
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  

注目情報

最新記事

アクリルアミド類のanti-Michael型付加反応の開発ーPd触媒による反応中間体の安定性が鍵―

第622回のスポットライトリサーチは、東京理科大学大学院理学研究科(松田研究室)修士2年の茂呂 諒太…

エントロピーを表す記号はなぜSなのか

Tshozoです。エントロピーの後日談が8年経っても一向に進んでないのは私が熱力学に向いてないことの…

AI解析プラットフォーム Multi-Sigmaとは?

Multi-Sigmaは少ないデータからAIによる予測、要因分析、最適化まで解析可能なプラットフォー…

【11/20~22】第41回メディシナルケミストリーシンポジウム@京都

概要メディシナルケミストリーシンポジウムは、日本の創薬力の向上或いは関連研究分野…

有機電解合成のはなし ~アンモニア常温常圧合成のキー技術~

(出典:燃料アンモニアサプライチェーンの構築 | NEDO グリーンイノベーション基金)Ts…

光触媒でエステルを多電子還元する

第621回のスポットライトリサーチは、分子科学研究所 生命・錯体分子科学研究領域(魚住グループ)にて…

ケムステSlackが開設5周年を迎えました!

日本初の化学専用オープンコミュニティとして発足した「ケムステSlack」が、めで…

人事・DX推進のご担当者の方へ〜研究開発でDXを進めるには

開催日:2024/07/24 申込みはこちら■開催概要新たな技術が生まれ続けるVUCAな…

酵素を照らす新たな光!アミノ酸の酸化的クロスカップリング

酵素と可視光レドックス触媒を協働させる、アミノ酸の酸化的クロスカップリング反応が開発された。多様な非…

二元貴金属酸化物触媒によるC–H活性化: 分子状酸素を酸化剤とするアレーンとカルボン酸の酸化的カップリング

第620回のスポットライトリサーチは、横浜国立大学大学院工学研究院(本倉研究室)の長谷川 慎吾 助教…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP