[スポンサーリンク]

archives

臭いの少ない1,3-プロパンジチオール等価体

[スポンサーリンク]

D4208.gif


3-(1,3-ジチアン-2-イリデン)-2,4-ペンタンジオン(1)は,臭いの少ない1,3-プロパンジチオール等価体であり,アルデヒド,脂肪族ケトンを相当する1,3-ジチアン誘導体に変換します。この反応では有機溶媒を必要とせず,濃塩酸水中1とカルボニル化合物を60℃に加温するだけで反応は進行します。脂肪族アルデヒドを用いた反応は良好で,高い反応速度を示しますが,電子吸引性基をもつ芳香族アルデヒドの場合は収率が低下し,芳香族ケトンとの反応は非常に長い時間を要します。そのため,アルデヒドとケトンが混在する条件では,アルデヒドのみを選択的に1,3-ジチアン化することができます。反応後の処理でも臭いを十分に抑えることが可能なため,非常に扱いやすい1,3-プロパンジチオール等価体といえます。

Y. Ouyang, D. Dong, C. Zheng, H. Yu, Q, Liu, Z. Fu, Synthesis 2006, 3801.

TCI

TCI

投稿者の記事一覧

有機試薬メーカーです。

関連記事

  1. 富士フイルム和光純薬がケムステVプレミアレクチャーに協賛しました…
  2. 【8/31まで!!】マテリアルズ・インフォマティクスの基礎から実…
  3. 【9月開催】第十一回 マツモトファインケミカル技術セミナー   …
  4. Utilization of Spectral Data for…
  5. ≪Excel演習で学ぶ≫化学プロセスにおける研究開発時のコスト試…
  6. 1,3-ビス[(2,2-ジメチル-1,3-ジオキサン-5-イル)…
  7. 低分子ゲル化剤・増粘剤の活用と材料設計、応用技術
  8. ベンゼンスルホヒドロキサム酸を用いるアルデヒドとケトンの温和な条…

注目情報

ピックアップ記事

  1. Pfizer JAK阻害薬tofacitinib承認勧告
  2. 電話番号のように文献を探すーRefPapers
  3. 2004年ノーベル化学賞『ユビキチン―プロテアソーム系の発見』
  4. 米ファイザー、今期業績予想を上方修正・1株利益1.68ドルに
  5. 芳香族メタ光環化付加 Aromatic meta-photocycloaddition
  6. 実験手袋をいろいろ試してみたーつかいすてから高級手袋までー
  7. Letters to a Young Chemist
  8. 超原子価ヨウ素 Hypervalent Iodine
  9. 第54回国際化学オリンピックが開催、アジア勢が金メダルを独占
  10. Amazonを上手く使って書籍代を節約する方法

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2013年7月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031  

注目情報

最新記事

アクリルアミド類のanti-Michael型付加反応の開発ーPd触媒による反応中間体の安定性が鍵―

第622回のスポットライトリサーチは、東京理科大学大学院理学研究科(松田研究室)修士2年の茂呂 諒太…

エントロピーを表す記号はなぜSなのか

Tshozoです。エントロピーの後日談が8年経っても一向に進んでないのは私が熱力学に向いてないことの…

AI解析プラットフォーム Multi-Sigmaとは?

Multi-Sigmaは少ないデータからAIによる予測、要因分析、最適化まで解析可能なプラットフォー…

【11/20~22】第41回メディシナルケミストリーシンポジウム@京都

概要メディシナルケミストリーシンポジウムは、日本の創薬力の向上或いは関連研究分野…

有機電解合成のはなし ~アンモニア常温常圧合成のキー技術~

(出典:燃料アンモニアサプライチェーンの構築 | NEDO グリーンイノベーション基金)Ts…

光触媒でエステルを多電子還元する

第621回のスポットライトリサーチは、分子科学研究所 生命・錯体分子科学研究領域(魚住グループ)にて…

ケムステSlackが開設5周年を迎えました!

日本初の化学専用オープンコミュニティとして発足した「ケムステSlack」が、めで…

人事・DX推進のご担当者の方へ〜研究開発でDXを進めるには

開催日:2024/07/24 申込みはこちら■開催概要新たな技術が生まれ続けるVUCAな…

酵素を照らす新たな光!アミノ酸の酸化的クロスカップリング

酵素と可視光レドックス触媒を協働させる、アミノ酸の酸化的クロスカップリング反応が開発された。多様な非…

二元貴金属酸化物触媒によるC–H活性化: 分子状酸素を酸化剤とするアレーンとカルボン酸の酸化的カップリング

第620回のスポットライトリサーチは、横浜国立大学大学院工学研究院(本倉研究室)の長谷川 慎吾 助教…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP