[スポンサーリンク]

H

超原子価ヨウ素 Hypervalent Iodine

[スポンサーリンク]

 

概要

ヨウ素はハロゲン元素の中でも分極しやすく、電気陰性度が小さい。このため高い原子価状態を取る事ができる。

アピカル位の原子団が脱離するに伴い、安定なI価のヨウ素へと還元されるため、高い脱離能と酸化能を示す。

合成化学的に有用なIII価ヨウ素試薬(λ3-iodane)としては、以下のものが代表的である。

hypervalent_i_2.gif

ヨウ素原子はV価(λ5-iodane)やVII価の状態もとることができる。中でもIBXDess-Martin試薬過ヨウ素酸塩などは、穏和な酸化剤として効果的に活用されている。

基本文献

<review>

 

反応機構

ヨウ素化合物の反応性は、アピカル位の超原子価結合が脱離しやすい形状をしているほど高くなる。

 

反応例

キラル超原子価ヨウ素試薬を用いる不斉酸化[1] hypervalent_i_10.gif
近年ではヨウ素を触媒量に減ずるための研究開発が脚光を浴びている。

 

実験手順

 

実験のコツ・テクニック

 

参考文献

(1) Dohi, T.; Maruyama, A.; Takenaga, N.; Senami, K.; Minamitsuji, Y.; Fujioka, H.; Carmmerer, S. B.; Kita, Y. Angew. Chem. Int.Ed. 2008, 47, 3787. doi:10.1002/anie.200800464

 

関連反応

 

関連書籍

[amazonjs asin=”3540441077″ locale=”JP” title=”Hypervalent Iodine Chemistry: Modern Developments in Organic Synthesis (Topics in Current Chemistry)”][amazonjs asin=”0127149759″ locale=”JP” title=”Hypervalent Iodine in Organic Synthesis (Best Synthetic Methods)”]

外部リンク

Avatar photo

cosine

投稿者の記事一覧

博士(薬学)。Chem-Station副代表。国立大学教員→国研研究員にクラスチェンジ。専門は有機合成化学、触媒化学、医薬化学、ペプチド/タンパク質化学。
関心ある学問領域は三つ。すなわち、世界を創造する化学、世界を拡張させる情報科学、世界を世界たらしめる認知科学。
素晴らしければ何でも良い。どうでも良いことは心底どうでも良い。興味・趣味は様々だが、そのほとんどがメジャー地位を獲得してなさそうなのは仕様。

関連記事

  1. 秋山・寺田触媒 Akiyama-Terada Catalyst
  2. トロスト酸化 Trost Oxidation
  3. ジュリア・リスゴー オレフィン合成 Julia-Lythgoe …
  4. 2-(トリメチルシリル)エトキシカルボニル保護基 Teoc Pr…
  5. フィッシャー インドール合成 Fischer Indole Sy…
  6. パーキン反応 Perkin Reaction
  7. 芳香族メチルの酸化 Oxidation of Methyl Gr…
  8. 根岸カルボメタル化 Negishi Carbometalatio…

注目情報

ピックアップ記事

  1. 日本語で得る学術情報 -CiNiiのご紹介-
  2. 分子構造を 3D で観察しよう (2)
  3. 分子1つがレバースイッチとして働いた!
  4. [6π]光環化 [6π]Photocyclization
  5. マーシャル プロパルギル化 Marshall Propargylation
  6. NMRデータ処理にもサブスクの波? 新たなNMRデータ処理ソフトウェアが登場
  7. Biotage Selekt+ELSD【実機レビュー】
  8. 米陸軍に化学薬品検出スプレーを納入へ
  9. サントリー生命科学研究者支援プログラム SunRiSE
  10. 黒田チカ Chika Kuroda

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2011年5月
 1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
3031  

注目情報

最新記事

アザボリンはニ度異性化するっ!

1,2-アザボリンの光異性化により、ホウ素・窒素原子を含むベンズバレンの合成が達成された。本異性化は…

マティアス・クリストマン Mathias Christmann

マティアス・クリストマン(Mathias Christmann, 1972年10…

ケムステイブニングミキサー2025に参加しよう!

化学の研究者が1年に一度、一斉に集まる日本化学会春季年会。第105回となる今年は、3月26日(水…

有機合成化学協会誌2025年1月号:完全キャップ化メッセンジャーRNA・COVID-19経口治療薬・発光機能分子・感圧化学センサー・キュバンScaffold Editing

有機合成化学協会が発行する有機合成化学協会誌、2025年1月号がオンライン公開されています。…

配位子が酸化??触媒サイクルに参加!!

C(sp3)–Hヒドロキシ化に効果的に働く、ヘテロレプティックなルテニウム(II)触媒が報告された。…

精密質量計算の盲点:不正確なデータ提出を防ぐために

ご存じの通り、近年では化学の世界でもデータ駆動アプローチが重要視されています。高精度質量分析(HRM…

第71回「分子制御で楽しく固体化学を開拓する」林正太郎教授

第71回目の研究者インタビューです! 今回は第51回ケムステVシンポ「光化学最前線2025」の講演者…

第70回「ケイ素はなぜ生体組織に必要なのか?」城﨑由紀准教授

第70回目の研究者インタビューです! 今回は第52回ケムステVシンポ「生体関連セラミックス科学が切り…

第69回「見えないものを見えるようにする」野々山貴行准教授

第69回目の研究者インタビューです! 今回は第52回ケムステVシンポ「生体関連セラミックス科学が切り…

第68回「表面・界面の科学からバイオセラミックスの未来に輝きを」多賀谷 基博 准教授

第68回目の研究者インタビューです! 今回は第52回ケムステVシンポ「生体関連セラミックス科学が切り…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP