[スポンサーリンク]

一般的な話題

2009年イグノーベル賞決定!

[スポンサーリンク]

ノーベル賞に先だって毎年発表される「ノーベル賞のジョーク版」、イグ・ノーベル賞(Ig nobel prize)がこのたび発表となりました。

本賞の授与対象となるのは、“first make people LAUGH, and then make them THINK”――すなわち、まず笑わせ、そして考えさせてくれる研究です。いちおうまともな賞とのことですが、「こんな研究どこから見つけてきたんだ?」というものばかりで、選考委員の探索能力自体そもそもハンパ無いように思えます。いずれにせよ人並み程度の感覚じゃぁ、こんな賞なんてとても選べないし、勿論選ばれもしないんですよね・・・。
ともあれ詳細については、以前の記事(「2007年度イグノーベル賞決定」「2008年イグノーベル賞決定」)なども参照していただければ幸いです。

さて、化学ブログたる「つぶやき」では、イグノーベル化学賞に絞って紹介したいと思います。今年はどんな研究に授与されたのでしょうか??


2009年イグノーベル化学賞は、以下の人達に授与されました。

Javier Morales、Miguel Apatiga、Victor M Castano (メキシコ国立自治大学)受賞理由:『テキーラからダイヤモンドを作り上げたことに対して』

テキーラ・・・そう、中南米でポピュラーたるお酒のテキーラです・・・

つまりこれ。↓

tequila_blanco.jpg

・・・・・・
(゚д゚) <な、なんだってーーーっ!!!

nandatte.gif
典型的なMMRネタはさておき、 関連文献 があったので軽く読んで見たのですが、パルス液体射出化学気相成長法(Pulsed Liquid Injection Chemical Vapor Deposition)という手法を使って、テキーラを化学反応させ、ダイヤモンド薄膜を製造した研究なのだそうです。なんか言葉だけ聞くとフツーに凄そうです。要するに気相で化学反応させてシリコン表面に生成物を堆積させる、ってものだそうな。

ダイヤモンドとなる炭素源は果たして何なのか・・・当然ながらエタノール・糖分以外のものは考えにくい・・・とすれば、日本酒だろうが焼酎だろうがワインだろうが、なんでもイケそうな気もしますが。 はっ、もしやこれぞ現代の錬金術なのか??

受賞者のPublication Listも見つかりましたが、どうやら彼らはCVD法を用いた薄膜形成過程に取り組んでいるようです。本来なら原料として有機化合物(アセトンなど)を使うはずだったところに、何かの拍子(というかおそらくノリで)テキーラを使ってみた、ってことなんでしょうね。

まぁ、そんな研究もきっとアリでしょう。ワインやビールを溶媒にして反応仕込んだりする有機合成化学者も世の中には居るワケですしね! (・・・これこそ次のイグノーベル賞かも?)

 

関連文献

  • “Growth of Diamond Films from Tequila,”Javier Morales, Miguel Apatiga and Victor M. Castano, 2008, arXiv:0806.1485.

 

関連書籍

 

外部リンク

cosine

cosine

投稿者の記事一覧

博士(薬学)。Chem-Station副代表。現在国立大学教員として勤務中。専門は有機合成化学、主に触媒開発研究。
関心ある学問領域は三つ。すなわち、世界を創造する化学、世界を拡張させる情報科学、世界を世界たらしめる認知科学。
素晴らしければ何でも良い。どうでも良いことは心底どうでも良い。興味・趣味は様々だが、そのほとんどがメジャー地位を獲得してなさそうなのは仕様。

関連記事

  1. 多検体パラレルエバポレーションを使ってみた:ビュッヒ Multi…
  2. アフリカの化学ってどうよ?
  3. “click”の先に
  4. 小さなケイ素酸化物を得る方法
  5. 東日本大震災から1年
  6. 博士課程学生の経済事情
  7. 階段状分子の作り方
  8. 超分子ポリマーを精密につくる

コメント、感想はこちらへ

注目情報

ピックアップ記事

  1. 「薬学の父」長井博士、半生を映画化へ
  2. 私が思う化学史上最大の成果-1
  3. ペタシス試薬 Petasis Reagent
  4. フィッツナー・モファット酸化 Pfitzner-Moffatt Oxidation
  5. アノマー効果を説明できますか?
  6. プロドラッグって
  7. ラウリマライドの全合成
  8. 一流ジャーナルから学ぶ科学英語論文の書き方
  9. サブフタロシアニン SubPhthalocyanine
  10. ウィルゲロット反応 Willgerodt Reaction

関連商品

注目情報

注目情報

最新記事

フィブロイン Fibroin

フィブロイン(Fibroin)は、繭糸(シルク)の主成分であり、繊維状タンパク質の一種である。…

「もはや有機ではない有機材料化学:フルオロカーボンに可溶な材料の創製」– MIT・Swager研より

ケムステ海外研究記の第36回はマサチューセッツ工科大学(MIT)化学科のPhD課程に在籍されている吉…

八木 政行 Masayuki Yagi

八木 政行(やぎ まさゆき、Yagi Masayuki、1968年 -)は、日本の化学者である (写…

有機化学を俯瞰する –古代ギリシャ哲学から分子説の誕生まで–【前編】

本連載では、生命体を特別視する "生気説" が覆されたことにより、有機合成化学の幕が開いたことについ…

第92回―「金属錯体を結合形成触媒へ応用する」Rory Waterman教授

第92回の海外化学者インタビューは、ロリー・ウォーターマン教授です。バーモント大学化学科に在籍し、有…

第五回ケムステVシンポジウム「最先端ケムバイオ」を開催します!

コロナウイルスの自粛も全国で解かれ、日本国内はだいぶ復帰に近づいてました(希望的観測)。しかし今年度…

Chem-Station Twitter

PAGE TOP