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シグマ アルドリッチ構造式カタログの機能がアップグレードしたらしい

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試薬を購入する際、各社のカタログで試薬自体が販売されているのか、価格がいくらなのか探しますね。カタログをペラペラめくっていたのは今は昔。PCもしくはスマートフォンで各社の試薬情報ウェブにアクセスするのが現状です。そのため、各試薬会社も自前の試薬検索エンジン環境を整備し、ユーザーが検索しやすいように工夫しています。

さてこの度、シグマアルドリッチの試薬検索サイト「構造式カタログ」の機能がアップグレードしたらしいので基本的な検索方法から紹介させていただきたいと思います。

【基礎編1】まずは欲しい化合物を化合物名から検索しよう!(製品名部分一致)

ページトップの検索ウィンドウ。こちらは「製品名の部分一致検索」に対応しています。

例えば、ピリジン環を鈴木-宮浦カップリングで導入するためのビルディングブロックを探しているとしましょう。

検索ウィンドウに、pyridin boronicと入力すると…

シグマアルドリッチで取扱いのある約70,000品目の中から、該当製品がヒットし、構造式で一覧することができます。

該当製品は、製品名または分子量で並べ替えが可能です。

<ポイント>

製品名の部分一致検索が可能

ブランクはAND検索に対応

製品名(アルファベット順)または分子量で並べ替えが可能

【基礎編2】欲しい化合物をカテゴリから探してみよう!(カテゴリ検索)

ページ左部のカテゴリ。こちらをクリックすると、カテゴリで製品を絞り込むことが可能です。例えば、イオン液体を探している場合、カテゴリのIonic Liquidsをクリックすると…

該当製品を一覧表示することが可能です。

さらに、イミダゾリウム系のイオン液体を探している場合、サブカテゴリのImidazoliumをクリックすると、絞込みが可能です。

なお、基礎編1で紹介した製品部分一致検索と併用することもできます。サブカテゴリまで指定した状態で、検索ウィンドウにchlorと打ち込めば、アニオン=Cl-のイミダゾリウム系イオン液体の一覧を表示可能です。

<ポイント>

  • カテゴリから該当製品を絞り込むことが可能
  • サブカテゴリでさらに製品を絞り込むことが可能
  • カテゴリ検索は製品部分一致検索と併用が可能

【基礎編3】新製品や開催中のキャンペーンから探してみよう!

新しい化合物を世の中に送り出し続けるシグマアルドリッチ。新製品の構造式をボタンひとつで一覧することが可能です。こちらのボタンをクリックしてみましょう!また新製品の中から、目的化合物を製品名部分一致や、カテゴリ検索を駆使して絞り込むことが可能です。例えば、新製品一覧から検索ウィンドウにfluorと入力すると…

フッ化化合物の新製品を一覧することが可能です。

同様に、キャンペーンが開催中の時は、キャンペーン対象製品を一覧表示することが可能です。新製品と同じく、製品部分一致やカテゴリでさらに絞り込むことができます。

<ポイント>

  • 「新製品を探す」ボタンから、新製品を一覧表示できる
  • 新製品一覧は、製品部分一致やカテゴリによりさらに絞り込める
  • キャンペーン対象製品も一目で分かり、絞り込める

【基礎編4】絞り込んだ製品一覧はPDF化が可能。自分だけのミニカタログが完成!

製品名部分一致、製品カテゴリ、新製品、開催中のキャンペーン。これらのフィルタを組み合わせて製品を絞り込むことができます。

構造式カタログはこれだけでは終わりません。絞り込んだ製品一覧を、PDF化することが可能です。

ページ右上、または、ページ最下部の「PDFに書き出す」ボタンを押すとPDFとしてダウンロードが可能になります。

また、PDFには各製品ページへのリンクが埋め込まれているため、価格・在庫状況も簡単に確認することができます。

PDF化は表示されている先頭の化合物から最大200件まで。例えば、5ページ目を表示していた時にPDF化すると…

5ページ目の先頭から200件がPDF化されます。

条件を駆使して目的の化合物を絞り込み、自分だけのオリジナルミニカタログを作成しましょう!

<ポイント>

  • 絞り込んだ製品一覧はPDF化が可能。
  • 各製品ページのリンクが埋め込まれています。
  • PDF化できる製品は表示されている先頭の化合物から200件まで。

【応用編】セレンディピティを求めて

昨今、デジタル化が進んだことで、長らく好評を頂いていたAldrichの冊子版カタログは、惜しまれつつも廃版となってしまいました。

デジタル化による高い検索性も魅力的ですが、分厚いカタログに載っている化合物を眺めて、一見関係の無いと思っていた分子構造から、予想すらしていなかった研究のアイデアを得る。そのセレンディピティの機会をなんとか提供できないか、そんな想いからこの構造式カタログは開発されました。

シグマアルドリッチの新製品を定期的に巡回するもよし、キャンペーンで何か安く購入できないか眺めるのもよし。メタセシス合成用のルテニウム触媒を一覧表示して先人の知恵に想いを馳せるのもよし。

構造式カタログの応用的な使い方。それは、研究に、もっと「セレンディピティ」を。

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Chem-Station代表。早稲田大学理工学術院教授。専門は有機化学。主に有機合成化学。分子レベルでモノを自由自在につくる、最小の構造物設計の匠となるため分子設計化学を確立したいと考えている。趣味は旅行(日本は全県制覇、海外はまだ20カ国ほど)、ドライブ、そしてすべての化学情報をインターネットで発信できるポータルサイトを作ること。

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