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高分子鎖デザインがもたらすポリマーサイエンスの再創造 進化する高分子材料 表面・界面制御アドバンスト コース

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日時

2020年 4月16日(木)、17日(金)
全日程2日間  ※1日単位の選択受講も承ります

定員

20名(先着順にて承ります。)

受講料

全日程 一日受講
A・一般 43,000円 23,000円
B・KISTEC パートナーシップ企業
C・神奈川県内中小企業
34,400円
D・「C」以外の神奈川県内企業
E・神奈川県内在住の個人の方
38,700円

※神奈川県内中小企業とは・・・ 本社または事務所が神奈川県内にあり、資本金が3億円以下または企業全体の従業員数が300名以下の企業

対象者

  • 企業、研究機関にご所属で、新しい高分子材料の研究開発に携わる方。
  • 高分子材料を用いて高機能表面の創製を目指す方。
  • マイクロ・ナノスケールの計測デバイス等の開発・加工に携わる方。
  • 複合加工などにより、高分子材料の新しい産業領域への展開を目指す企業の方。
  • 新素材の開発、設計業務に携わる方。
    ・・・メーカー・ユーザー いずれの方も承ります。

会場

かながわサイエンスパーク内 講義室  (川崎市高津区坂戸3-2-1)
◆ JR南武線「武蔵溝ノ口」駅・東急田園都市線「溝の口」駅 下車
シャトルバス 5 分
>> Mapはこちら

◆  JR 新横浜駅より東急バス(有料)直行「溝の口駅」行き30 分
「高津中学校入口」下車徒歩3 分
>> アクセスはこちら

カリキュラム編成者からのメッセージ

九州大学大学院 工学研究院 教授 田中 敬二 氏

高分子は金属、セラミクスと並ぶ三大材料の一つとして、私たちの生活を支えています。高分子はモノマーを重合することで得られる“ひも状の”巨大な分子で、金属やセラミクスには見られない、興味深いさまざまな物性を示します。なかでも、比強度が強く、軽量、かつ、成型加工性に優れていることは工業的に大きな魅力となっています。
バルクと呼ばれる“巨視的な量”の高分子は、その物性や機能の理解が十分に進んでいます。一方で、昨今、さまざまな場面で材料を小さく、薄くすることが望まれています。このような材料では、従来の理解を超えた物性や機能が発現し、新たな課題が顕在化してきました。この大きな原因が、表面や界面の効果だと考えられています。
本コースでは、まず、高分子がどのような材料かを考え、表面や界面のエネルギー状態について学びます。その後、高分子材料における表面や界面の使い方へと進みます。高分子や高分子材料の理解を深めたい方はもちろん、表面や界面を生かした材料に従事する技術者・研究者の方にご参加頂くことを想定してプログラムを作成しました。皆さまのご参加をお待ちしております。

 

カリキュラム日程および講義内容

4月16日(木)
時間 講義内容
9:30-11:30 高分子とは
九州大学大学院 工学研究院 応用化学部門 教授 博士(工学) 田中 敬二 氏
 高分子は低分子が繋がってできた巨大な分子であり、一本の「鎖」とみなすことができます。この分子の鎖は、さまざまな空間スケールの構造を形成し、それにともなって多様な物性を発現します。また、分子の鎖が絡み合うことで、低分子では観測されない特徴的な運動性を示します。ここでは、高分子の定義から、一本の鎖の形態、集団としての構造・物性の考え方について概観し、身の回りの高分子材料について議論します。
12:30-14:30 表面・界面の熱力学
九州大学 先導物質化学研究所 分子集積化学部門 教授 博士(工学) 高原 淳  氏
 表面・界面はバルクとは異なった特性を示します。その特性は表面張力・界面張力などの物性値で議論されます。
本講義では表面・界面張力の定義、表面・界面張力の測定法、高分子固体の表面自由エネルギー、静的濡れ性と動的濡れ性、高分子の固体表面の濡れ性の制御法、バイオミメティックスと濡れ性などについて解説します。
14:40-16:10 表面・界面の実験手法
九州大学大学院  工学研究院 応用化学部門 准教授 博士(工学) 川口 大輔  氏
 表面・界面における高分子鎖の凝集状態およびダイナミクスの解析には、優れた空間分解能を有する高感度な測定法が必要です。表面の解析には、走査プローブ顕微鏡、X線光電子分光法および二次イオン質量分析法などが用いられます。また、埋もれた界面の解析には、中性子反射率法や、蛍光分光法および和周波発生分光法などの界面選択的分光法が有効です。
本講義ではこれらの測定原理と解析例について紹介します。
16:20-17:50

 

分子動力学シミュレーションの概要と表面・界面への応用
九州大学大学院  工学研究院 応用化学部門 特任教授 博士(工学) 山本 智  氏
 近年、実験手法の著しい進歩により表面・界面における分子描像が明らかになってきました。しかしながら、実験のみで特定の官能基の配向やその周囲の溶媒の状態などを一義的に理解することは容易ではありません。
計算機シミュレーションは、一定の仮定の下、適切なモデルを設定できれば有用な知見を得ることが期待できます。ここでは、分子動力学法を取り上げ、基本原理と計算方法について解説した後、表面・界面の問題に適用した事例を紹介します。

16日(第1日)の講義終了後、講師・受講者の交流会を開催します(参加費無料)。

 

4月17日(金)
時間 講義内容
10:00-11:30 ポリマーブレンド系の界面と接着現象
東京工業大学 物質理工学院材料系 教授、博士(工学) 扇澤 敏明  氏
 異種高分子対は通常非相溶であることから、その界面の厚みは薄く、接着強度は低くなります。しかしながら、積層材料やポリマーブレンド等を含む複合系材料において、材料の高性能化・高機能化のためには、その界面は大変重要であり、その構造や形成過程等の知識を有した上で、制御していく必要があります。ここでは、界面の熱力学や界面構造の測定法といった基礎から、非平衡状態を利用した接着強度向上や反応系
による界面等について解説します。
12:30-14:00 界面・ネットワーク制御によるナノセルロース分散複合材料の高性能化
京都大学 化学研究所 助教、博士(工学) 榊原 圭太 氏
 化石資源消費やCO 排出などの環境負荷を低減すべく、従来補強フィラーをナノセルロースに代替する試みに注目が集まっています。しかしながら、ナノセルロース表面は親水的であり、疎水的な樹脂とは均一に混ざりません。演者らは、高分子分散剤の有効性に着目し、ナノセルロースの分散向上を実現しました。
本講義では、ナノセルロースの界面およびネットワーク制御による複合材料の高性能化について、演者らの研究を例に解説します。
14:10-15:40 高分子薄膜の表面エンジニアリング
名古屋大学大学院 工学研究科 有機・高分子化学専攻 准教授、博士(工学) 永野 修作
 高分子表面の制御は、濡れ、コーティング、接着からエレクトロニクス、医療材料の多岐にわたる分野にて重要です。本講義では、高分子薄膜の表面エンジニアリングとして、化学処理による高分子薄膜の表面機能化や表面濃縮構造による薄膜表面の濡れ性の制御など、一般的な表面の制御手法を紹介します。
さらに、ブロック共重合体の表面濃縮構造を利用した液晶分子の配向制御手法や高分子ブラシ構造構築など、最近の話題も提供する予定です。
15:50-17:20 バイオ界面の創製とバイオデバイス応用
東京大学大学院 工学系研究科 バイオエンジニアリング専攻 教授、博士(工学)高井 まどか
 生体と接して利用されるバイオデバイスは、材料に生体適合性が求められます。
本講義では、材料と生体物質が接するバイオ界面に生体適合性を付与する材料設計概念を生体物質としてタンパク質、細胞を取り上げて解説します。
またバイオ界面を制御したバイオデバイスとして、人工肺やバイオセンサなど我々の最近の研究も紹介します。

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主催

地方独立行政法人 神奈川県立産業技術総合研究所(KISTEC)

後援・協賛

(公社)高分子学会 (公社)日本分析化学会 (一社)日本接着学会 (一社)繊維学会 (公社)応用物理学会,
(公社)精密工学会 (公社)電気化学会 (一社)電気学会 (一社)情報処理学会 (一社)電子情報通信学会,
(一社)バイオインダストリー協会 日本バイオマテリアル学会 (一社)日本繊維機械学会 川崎商工会議所 (株)ケイエスピー

お問い合わせ

人材育成部 教育研修課 教育研修グループ
TEL : 044-819-2033 FAX : 044-819-2097
E-mail:ed@newkast.or.jp
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Chem-Station代表。早稲田大学理工学術院教授。専門は有機化学。主に有機合成化学。分子レベルでモノを自由自在につくる、最小の構造物設計の匠となるため分子設計化学を確立したいと考えている。趣味は旅行(日本は全県制覇、海外はまだ20カ国ほど)、ドライブ、そしてすべての化学情報をインターネットで発信できるポータルサイトを作ること。

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