[スポンサーリンク]

化学者のつぶやき

化学者がMidjourneyで遊んでみた

[スポンサーリンク]

最近、SNSスペースを席巻しているMidjourney

簡単なコマンドを打つだけで、それっぽい画像をAIがわずか1分で生成してくれます。あまりにクオリティが高いため、イラストレーターの仕事がなくなってしまうのでは・・・?と界隈では大騒ぎになっています。

今回はこの流行に乗っていろいろ試してみましたので、紹介してみようと思います。

要領

MidjourneyはそのインターフェースにDiscordを使用しています。SlackやTeamsとほぼ同じノリなので、少し触ればすぐ慣れるでしょう。

中にいるmidjourney botにDMを打つ形で、/imagineコマンドと画像の指定(ネット用語で”呪文”と称されます)を打てば、1分ほどで対応する画像が生成(ネット用語で”錬成”)されます。すべて英語ですが、操作はとても簡単なので困ることはないでしょう。

詳細な解説・使用法・注意点などは既に記事が山ほどありますので、関連記事をご参照下さい。狙い通りの画像を錬成するためには呪文にひと工夫必要そうなので、いろいろ試行錯誤してみる価値はあるでしょう。

トライアルプランでは10枚まで錬成可能です。サクサク錬成していたらすぐに上限に達してしまったので、ベーシックプラン($10)に課金してみました。これだと200枚/月まで生成出来ます。

化学の画像を錬成してみた

せっかくなので、なるべく現実的ではない場面を想像し、化学ネタに絡めた呪文を唱えてみました。

下記は、「歴史的アーティストが分子模型を眺めたらどう見えるのか」という想像を元に、それっぽい絵を錬成させてみたものです。化学者視点からはどうやってもこうは見えてこないので、いろいろとインスピレーションをかきたててくれる素材になるように思います。

こちらはシンプルに「フラーレン」とだけ書いて錬成させてみました。これはこれでカッコイイ!

みんな大好きネコと化学を絡めた画像を錬成すべく、トライしてみました。うーん、これでは可愛くないぞ!(苦笑)

少しでも可愛くならないかと言うことで、「ジブリ風にして!」「パワーパフガールズみたいにして!」と指定。それっぽくなりましたが、まだまだシュールです。要試行錯誤です。

しかし”kawaii”という概念をMidJourneyが最近学習したと聞いたので、試して見ました。確かに!進歩が速すぎる・・・

論文のTOC生成にも使えるのではないか??と考え、先日刊行したJACS論文のタイトルを呪文としてそのまま投げてみました。これは流石に、似ても似つかぬイメージが出てきました・・・学術用語は、AIにとっても無茶振り過ぎかも知れません(苦笑)

典型的な化学イメージも出してみようと、下記の呪文を唱えてみました。unrealengineとつけると、ハイクオリティな3D画像が出せるというハックがあるようで、それに倣った形です。ここまでくれば十分実用的では無いでしょうか!?

上手く使えば、雰囲気ある挿絵プレゼン用アイキャッチなどの用途に打って付けかも知れません。これまでそれなりのお金を払って描いて貰っていた論文の表紙なんかも、もはや何とでもなってしまいそうな恐れすらあります。

とはいえ、総じてどの画像もややシックでサイケでダークファンタジーな雰囲気(欧米人好み?)なので、好みは分かれるところかも知れません。将来的にAIのバリエーションが拡大されることを、心待ちにしておきましょう。

関連リンク

Avatar photo

cosine

投稿者の記事一覧

博士(薬学)。Chem-Station副代表。国立大学教員→国研研究員にクラスチェンジ。専門は有機合成化学、触媒化学、医薬化学、ペプチド/タンパク質化学。
関心ある学問領域は三つ。すなわち、世界を創造する化学、世界を拡張させる情報科学、世界を世界たらしめる認知科学。
素晴らしければ何でも良い。どうでも良いことは心底どうでも良い。興味・趣味は様々だが、そのほとんどがメジャー地位を獲得してなさそうなのは仕様。

関連記事

  1. 二酸化炭素をメタノールに変換する有機分子触媒
  2. MEDCHEM NEWS 32-2号 「儲からないが必要な薬の話…
  3. 【8/25 20:00- 開催!】オンラインイベント「研究者と描…
  4. 2023年から始めるマテリアルズ・インフォマティクスの進め方 〜…
  5. CO2 の排出はどのように削減できるか?【その1: CO2 の排…
  6. Dead Endを回避せよ!「全合成・極限からの一手」④
  7. 50年来の謎反応を解明せよ
  8. 小型でも妥協なし!幅広い化合物をサチレーションフリーのELSDで…

注目情報

ピックアップ記事

  1. ポリメラーゼ連鎖反応 polymerase chain reaction(PCR)
  2. 100円で買えるカーボンナノチューブ
  3. マテリアルズ・インフォマティクス活用検討・テーマ発掘の進め方 -社内促進でつまずやすいポイントや解決策を解説-
  4. ケクレン、伸長(新調)してくれん?
  5. 恋する創薬研究室
  6. アントニオ・M・エチャヴァレン Antonio M. Echavarren
  7. 2005年ノーベル化学賞『オレフィンメタセシス反応の開発』
  8. 【速報】2017年のノーベル生理学・医学賞は「概日リズムを制御する分子メカニズムの発見」に!
  9. ポンコツ博士の海外奮闘録⑦〜博士,鍵反応を仕込む〜
  10. ブーボー・ブラン還元 Bouveault-Blanc Reduction

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2022年8月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031  

注目情報

最新記事

7th Compound Challengeが開催されます!【エントリー〆切:2026年03月02日】 集え、”腕に覚えあり”の合成化学者!!

メルク株式会社より全世界の合成化学者と競い合うイベント、7th Compound Challenge…

乙卯研究所【急募】 有機合成化学分野(研究テーマは自由)の研究員募集

乙卯研究所とは乙卯研究所は、1915年の設立以来、広く薬学の研究を行うことを主要事業とし、その研…

大森 建 Ken OHMORI

大森 建(おおもり けん, 1969年 02月 12日–)は、日本の有機合成化学者。東京科学大学(I…

西川俊夫 Toshio NISHIKAWA

西川俊夫(にしかわ としお、1962年6月1日-)は、日本の有機化学者である。名古屋大学大学院生命農…

市川聡 Satoshi ICHIKAWA

市川 聡(Satoshi Ichikawa, 1971年9月28日-)は、日本の有機化学者・創薬化学…

非侵襲で使えるpH計で水溶液中のpHを測ってみた!

今回は、知っているようで知らない、なんとなく分かっているようで実は測定が難しい pH計(pHセンサー…

有馬温泉で鉄イオン水溶液について学んできた【化学者が行く温泉巡りの旅】

有馬温泉の金泉は、塩化物濃度と鉄濃度が日本の温泉の中で最も高い温泉で、黄褐色を呈する温泉です。この記…

HPLCをPATツールに変換!オンラインHPLCシステム:DirectInject-LC

これまでの自動サンプリング技術多くの製薬・化学メーカーはその生産性向上のため、有…

MEDCHEM NEWS 34-4 号「新しいモダリティとして注目を浴びる分解創薬」

日本薬学会 医薬化学部会の部会誌 MEDCHEM NEWS より、新たにオープン…

圧力に依存して還元反応が進行!~シクロファン構造を活用した新機能~

第686回のスポットライトリサーチは、北海道大学大学院理学研究院化学部門 有機化学第一研究室(鈴木孝…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP