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徹底比較 トラックボールVSトラックパッド

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マウスはパソコン作業において必須のアイテムですが、ポインタを操作する機器は他にもありトラックボールやトラックパッドを愛用している方も少なからずいらっしゃいます。そこでマウスとこれらの機器で、操作性がどのように異なるのかChemdrawとPowerPointを使用して比較しました。

マウス腱鞘炎のリスク

長時間のパソコン作業によって手首の痛みを感じる場合はマウス作業が負担になっている可能性が高く、症状がひどい場合には、注射や手術が必要になってしまう場合もあるそうです。パソコン作業をしないことが負担を軽減する一番の方法ですが、それでは仕事にならないため、手首への負担を軽減しながらパソコン作業を行う必要があります。マウスの使用で負荷がかかる原因の一つはマウスを動かすために手首を多用することであり、後述するトラックボールやトラックパッドでは異なる方法でポインタを動かしているため、手首への負担が少ないと言われています。

ひろゆきによるマウス操作の負荷とトラックボールの利点についての解説

トラックボール

今回の比較対象の一つであるトラックボールは、ボールを動かしてポインタを操作します。トラックボール自体を動かす必要がないので、手首への負担が大きく軽減されます。トラックボールマウスにもいろいろな種類がありますが、筆者はロジクールのMX ERGOという機種を使用しています。

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マウスとしては高額な部類に入りますが、機能が多彩で具体的に下で挙げたような特徴があります。

  • SEMのように移動速度を変更できるボタンが搭載されている。
  • USBレシーバーとBluetooth接続の両方に対応していて、切り替えボタンを押すだけで操作するPCを変えることができる。
  • 台座の貼り付け方によって水平だけでなく傾けて使用することもできる。
  • USBでの充電式なので乾電池の交換が必要ない

上部の様子、左右クリック、スクロールホイールのクリック、左右に倒す、左クリック横の上下とボタンが配置されている。スクロールホイール下のボタンは、BluetoothとUSB無線の切り替えに使う。

側面の様子、トラックボール横のボタンで移動速度の大/小を切り替える。

底部の様子、磁石でプレートを貼り付けていて、貼り付け位置によって、トラックボールを傾けて使うか水平で使うか選択できる。

購入して間もない頃は使いにくかったですが、現在は特に不自由なく操作できています。ただ妻に見られて恥ずかしいものを閲覧する時は、操作ミスが許されないので普通のマウスを使用するのはナイショです。

トラックパッド

もう一つの比較対象としてトラックパッドを挙げます。トラックパッドは指で操作するため、手首への負担が減るとの声があります。ほとんどのノートパソコンにはトラックパッドが搭載されていますが、好んで使うことはなくマウスが無い時や使えない時に止む無く使うイメージがあります。そんなマウスより使いにくいトラックパッドは外付けデバイスとして発売されており、AppleのMagic Trackpadは外付けトラックパッドの代表的な商品です。

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特徴はその大きさであり、ノートパソコンの中でも比較的大きなMacbookのトラックパッドよりもさらに大きいサイズとなっています。もちろん無線接続が可能で、またUSBでの充電式となっており、高価なマウスと同等の利便性を有しています。こちらのMagic TrackpadはWindowsで使用することは可能ですが、Mac特有のMulti-Touch ジェスチャを使用することはできません。

全体の様子、表面には何もなくすべての面がトラックパッドとなっている。

MacBook Air 13インチのトラックパッドとの比較

奥側の様子、オン/オフスイッチと充電用Lightningコネクタがある。

最近購入しましたが、ノートパソコンで使用していたこともあり、比較的すぐに慣れて使用しています。Mac歴は短いので急な操作に不安があり妻に見られて恥ずかしいものは、見ないようにしているのもナイショです。

 

比較ルール

手首への負担を軽減できても、操作に時間がかかるのでは意味がありません。そこでマウスと比べて作業時間に差があるのか、三つの機器で操作の時間を比較しました。具体的には同じスライド/分子を作り上げる時間を比べ、どのような差ができるのか実験を行いました。マウス以外の機器は同じで、デバイスの経験と繰り返しの慣れのバランスを取り、普通のマウス(1回目)→トラックボール→トラックパッド→マウス(2回目)の順番で実験を行いました。 

比較対象のマウスは筆者が長年愛用しているもので、形に特徴があり薬指と親指が自然な位置に来るようにデザインされています。

比較用マウス

ChemDraw編

ChemDrawでの作業性を確認するためにこちらの記事の反応式を題材に、同じ反応式を作成する時間を測定しました。マウス操作の比較のため、キーボードショートカットは使用せずに作成しました。

比較の題材とした反応式

かかった時間の比較

結果、マウス操作の1回目と2回目を平均すると、3機種でかかった時間はほぼ同じでした。構造式を作る際には微妙なクリック場所の違いで違う操作になってしまうため、マウス操作でも何度かクリックのミスをしてしまいました。トラックボールの場合、ドラッグ操作がラフになることを心配していましたが、矢印の長さなどは一回でちょうど良い長さを取ることができました。一方、ボールの感触には難しさがあり、よく滑って行き過ぎる感じが常にあり親指で強く抑えていたと思います。トラックパッドは、ポインタがピタッと止まって操作しやすいように感じました。

位置の微調整などは行いませんでしたが、トラックボールやトラックパッドでもマウスと比べて特段の不便があるわけではなく、同じように作業できることが分かりました。

PowerPoint編

次にスライドを作成における作業時間を比較しました。題材は保護メガネの比較記事で作成したチャート図で、四角内の文字以外の同じ図を作成する時間を測定しました。

比較の題材としたチャート図

かかった時間

結果、マウスの平均ととトラックボールがほぼ同じ時間で、トラックパッドは一分ほど遅い結果となりました。この比較ではポインタ操作によるコピペを多用しましたが、トラックパッドでは右クリック(人差し指と中指の日本で押し込む操作)がうまくできなかったのが時間がかかった原因です。とは言ってもマウスでも右クリックミスを多発しており、またトラックボールでも右クリックは押しにくいように感じました。

今回は、あえてマウス操作を多用しましたが、コピペだけでもキーボードショートカットに頼れば、スライド作成においてもどの方法でも同じ作業時間だと思います。

筆者の主観に基づいた3機種の評価

最後に疲労感を比較します。マウスの場合、薬指と小指に近い手の甲が痛くなりました。トラックボールではそのような痛みは無かったものの多用した親指が少し痛くなりました。トラックパッドの場合、途中から人差し指がつらくなって中指、人差し指とタッチする指を変えていきました。このようにトラックボールやトラックパッドを使ってもマウスとは別のつらさを感じてしまいました。これはタイムアタック中の結果であり、なるべく早く終わるように操作をしていたため通常よりも余計に手に負担がかかったかもしれません。トラックボールについては長期間使用していますが、手の痛みは少なくなったと思います。パソコン作業の内容、人によって個人差はあり、トラックボールやトラックパットで必ず痛みを軽減できるかは分かりませんが、興味のある方は店頭で使い心地を調べてみるところから始めてみてはいかがでしょうか。

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ただの会社員です。某企業で化学製品の商品開発に携わっています。社内でのデータサイエンスの普及とDX促進が個人的な野望です。

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