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文具に凝るといふことを化学者もしてみむとてするなり⑲:Loupedeck Live Sの巻

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パソコンは、マウスやキーボードを操作して使うものですが、今回は第三の入力ツールとしてPC作業を効率化できるカスタムコントローラを紹介します。

背景

ワードやパワーポイント、エクセルをはじめとしたパソコンのソフトウェアには、ショートカットキーが設定されており、マウスに触れることなくキーボード操作でいろいろな機能を呼び出すことができます。有名なショートカットはCtrl + Cでコピー、Ctrl + Vなどで、これ以外にもそれぞれで100以上のショートカットがあるそうです。しかしこれまでに幾度となく覚えて作業を効率化しようと思ってきましたが、少し経つと忘れて結局マウス操作に戻ってしまいます。また、自分でショートカットを設定することもでき、例えばキーボードのどこかを押すとケムステが開くなども可能ですが、その時は覚えていても結局忘れてしまい長く使ったことがありません。

そんな覚える必要があったキーボードショートカットやマクロ操作を直感で使用できるツールがカスタムコントローラです。動画配信やAdobe Premiere Pro, Photoshopにおける素早い操作で多く活用されているようですが、汎用性は高くデスクワークの様々な場面で活用できると思い購入しました。

購入機種の特徴

カスタムコントローラはいろいろなモデルが販売されていますが、自分が購入したLoupedeck Live Sは、比較的サイズが小さく安価なモデルです。

[amazonjs asin=”B0BMLQYZNF” locale=”JP” title=”Loupedeck Live S – 日々のPC作業や配信、コンテンツ制作を効率化するカスタムコントローラ。LEDタッチスクリーンボタンと物理ダイヤル、RGB物理ボタンを搭載【日本語対応及び日本語サポート】”]

コントローラの主要素は縦3×横5つの合計15個のタッチボタンで、表示させる画像と共にいろいろなショートカットを設定できます。

本体の表面

左端には二つのダイヤルがあり、回して調節するアクションに割り当てられます。さらに左下に一つ、右に三つの丸いボタンがあります。こちらは光らせることができ、色を変更することも可能です。PCとの接続はUSBであり、PCの電源が入ると自動で起動します。

本体裏にスタンドを取り付けた様子

活用場面その1:ホーム画面でのインターネットショートカットの配置

キーの割り当ては、専用のソフトウェアを用いて簡単に設定を行うことができます。

キーの設定を行うソフト

最もシンプルな使い方はインターネットのショートカットを配置することで、特定のソフトウェアが選択されていない時(後で詳述)では良く訪れるサイトのリンクをいくつか配置しています。

中央:特定のソフトウェアが選択されていない時の配列。ケムステの記事編集に使うサイトのリンクを並べている。実際にはアイコンの下の表示名はLoupedeck本体には表示されない 右:ショートカットの設定画面

ホームページのアイコン(ファビコン)をキャプチャして表示させているので、割り当てを記憶する必要は無く、見た目で訪れたいサイトを選択できます。

アイコンの設定画面、任意の画像や文字を設定できる。

もちろん、ソフトウェアのショートカットを設定することも可能です。15個以上のキーの設定も可能で、スマホの画面のようにページを新しいページを作ってキーの設定が可能です。そしてページを移る操作もスマホと同じで、スワイプ操作で次のページのキーが表示されます。

上のダイヤルは音量調節に使用し、下のダイヤルは、Loupedeck のバックライト調整に使用しています。ダイヤルを回すとアクションの内容がすぐ右のキーに表示されるので、操作の間違いも起きにくい仕組みになっています。

ダイヤルで音量を調整している時の様子。右のスクリーンに音量が表示される。

活用場面その2:Google Chrome

このカスタムコントローラの素晴らしい点は、ソフトウェアごとにキーを設定できることです。予め設定したソフトウェアが開かれるとキーの設定が自動で変わりアプリ専用のキーとなります。

自分はインターネットのブラウザとしてGoogle Chromeを使用していて、Google Chrome専用のLoupedeck のキー設定は、ホーム画面よりも若干変更しています。

Chromeの設定画面

まず、ダイヤルスイッチは、スクロールと表示倍率変更に割り当てました。またGmailでメールを作成するので、定型文を呼び出せるようにしています。ただし、日本語の定型文は半角入力の状態でキーをタッチしないと正しく入力されません。また、文章を設定しても改行が取り除かれてしまうので、一文以上の定型文を設定することは難しいようです。

活用場面その3:ワード

次にMicrosoft Wordでの活用例を紹介します。フォントのスタイルなどを変更する場合、上部のリボンをクリックして操作しますが、この操作もLoupedeck のキーに割り当てることができます。

ショートカットの設定。ショートカットに該当する機能のキーを入力するだけで設定できる。ただし、Loupedeck からの入力は、英語配列のキーボードが入力したと見なされるのでWordに表示されるショートカットとは別のキーボード入力が必要な時がある(例えば上付きのショートカット)。

例えば下付き、上付き文字は化学では多用される機能であり、文章中の文字の変換にはマウスでの操作が伴います。そこでLoupedeck のキーに設定しておけば文章をタイプする際にマウスを触らず、Loupedeckへのタッチ操作だけで完結するとこができます。

活用場面その4:パワーポイント

パワーポイントでもワード同様にショートカットの割り当てが可能です。

画像を作らなくても、アイコンパックからアイコンを設定することも可能。さらにアイコンパックはインターネットから追加することもできる。

Ctrlを使ったショートカットの設定がない場合でも、Altに続けてアルファベットを入力するタイプのショートカットを割り当てることで、多くの機能をLoupedeckのタッチ操作だけで呼び出すことができます。この場合には、一回のタッチ操作で複数の操作を順番に行ってくれるマクロアクション機能で設定します。

マクロアクションによる図形の呼び出し。ワンタッチで1から3のアクションを実行してくれる。

マクロの別の活用例としてレーザープリンターの呼び出しがあり、Webの会議などで最初は忘れて、少し経ってからパワポの機能としてのレーザーポインターを呼び出すことがあります。そこで、スライドモードに変更+レーザーポインターの呼び出しをマクロで設定しておけば、ワンタッチでレーザーポインターになった状態から全画面のスライドショーを始めることができます。

スライドショーに続いてレーザーポインターを呼び出す設定

マルチトグルという機能もあり、これはボタンを押す回数によって機能が変化します。例えば、コピーの次にペーストを設定することで、同じ場所をタップしてもコピーとペーストを交互に行うことができます。

マルチトグルによるコピーとペーストの繰り返し。1回押すとコピーで2回押すとペーストになる。3回目はコピーに戻る。

活用場面その4:ChemDraw

有機化学者の皆さんお待たせしました。最後にChemDrawで使えるかどうかを確認したところ、問題なく動作しました。ホットキーのシートがキーの設定には大変有用で、頻繁に使う官能基をショートカットとして設定することができます。

参考にしたホットキーチャート

また、他のCtrlやAltを使うも同様に設定し機能を呼び出すことができました。Chrome同様、調整ダイヤルは拡大縮小に割り当てると、素早く画面の表示サイズを変更できます。残念ながら分子を組み上げることは、マウスの位置をコントロールする必要がありLoupedeckのキーだけではできませんでした。

az↓↓↓n1yをマクロアクション設定し、キーを押して組み上げられた分子。azまでは上手くいくが、そこから先が機能しなかった模様。

膨大なショートカットを覚えることなく、Loupedeckに表示された官能基をタッチするだけでその構造を描くことができるので作業効率の向上に役立つかと思います。

ChemDrawでキーをいくつか配列させた様子

一般的なソフトウェアは一通り試しましたが、どのソフトでもショートカットの設定を中心に使えることが分かりました。タッチすると軽快な音がLoupedeckから鳴るので何度でもタッチしたくなります。また調整ダイヤルも適度な感触があり、気持ちよく操作できます。上記以外にもWindows向けのショートカットが準備されているので、ファイルやフォルダの操作にも役に立ちます。またエクセルでは、関数の呼び出しに有用かもしれません。さらにアイディア次第でいろいろな操作に応用が可能ですので、ショートカットなどを全力で活用したい方は購入してみてはいかがでしょうか。

関連書籍

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ただの会社員です。某企業で化学製品の商品開発に携わっています。社内でのデータサイエンスの普及とDX促進が個人的な野望です。

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