Tshozoです。昔住んでいた社宅近くの空き地の斜面に結構な数の野草があって、中でもヨモギは春に摘み取り洗って蒸して細かく刻んですりつぶしたものを餅に混ぜ込んで食うていたのですが、ある年食べたものの中に若干甘く不快な渋みとハッカのひねくれたような匂いのするものがありました。姉も全員梅干しを食ったような顔をしていたのを覚えていて、母に聞いたところ”ニガヨモギ”かその亜種が混ざってしまったのだろう、と教えてもらいました。結局全部食いましたけど… 最近そのことをなぜかよく思い出すため、好奇心の一環として書いてみることにしました。既に多数の薬学・生薬系のサイトでかなり詳しく取り上げられているトピックにはなりますが、その分子構造を中心に採り上げているところは多くは無かったため、最新の傾向も含めていっぺん書いてみるとします。
筆者が食った苦い草とは
筆者には美味いもの、不味いもの、奇妙なものを食った前後の記憶が鮮明になるという特殊能力があり、ン十年前の後楽園球場での西武-日ハム戦帰りに入った中華料理屋のカニ爪のフライと天津飯、家で食べたツクシの佃煮やマナガツオの煮つけ、ナマコの黒酢漬けの香りや味、学生時代門前中町の魚屋で出てきたくさやの味と香りなどを鮮明に覚えているついでに、1時間単位でその前後の鮮明映像を脳内再生できます。残念ながらあんまり役に立ちません。で、上記ヨモギ餅の時にも映像が頭に残っているので当時どんな草を採っていたかを見直してみることにしました。
その結果本ヨモギ以外のものの候補が2個ありました。どっちも外来種で当時既に日本に入り込んでいるもので、葉の色や形から判断しました。1個目が日本名ニガヨモギ。そしてもう1個が日本名クソニンジン。どっちもあんまりいい名前じゃないのですが後者は特にひどい。結論を先走って言うと全然クソではないです。命名した人間に恨みがあったとしか思えず、食べたらクソ不味かったからとかそういう低レベルな次元の理由によるものだと強く推定します。筆者が食ったのがどっちだったか(たぶんニガヨモギのほうが多かったはず)、とこの2個が同じ場所に生えていたか、はさすがに曖昧ですのでその点はご容赦を。
本ヨモギとニガヨモギとクソニンジンとの写真 全て日本・英語wikipediaより引用
筆者が覚えているものの大半はニガヨモギだったが群生しているものの中に
確かに人参様の葉を持つクソニンジンがあったのを記憶している(そして採ったのは筆者)
見分けよりも摘んだ時の茎の匂いで簡単に判別できる
ただこうした名前に反し、前者ニガヨモギは学術名Artemisia absinthiumといいギリシャ神話の女神アルテミスの名前にちなんだ華々しい名をもち、それこそ紀元前から薬草・ハーブとして用いられていて旧約聖書をはじめ様々な文学作品に出現していますし、後者クソニンジンも同じく学術名Artemisia annuaを持ち、また中国では黄花蒿と呼ばれ天然高性能駆虫薬アルテミシニンを発見した中国人科学者の屠呦呦先生がマラリアの駆虫薬としての研究対象に選んだという、科学史上・薬学史上重要な位置にある植物なのですよ誰ですかクソニンジンとか言って喜んでる輩は。なおアルテミシニンに関わるお話は大村先生、屠先生がノーベル賞をとられた際のこの記事が概要をつかむのにはよろしいでしょう。
この2種類の植物がなんでこうも面白い材料をその植物体内で合成しているのかはまったくわからないのですが、現代ではArtemisiaの名前を冠した植物の研究は非常に進んでおり、特にクソニンジンの生体内でどういう経路でアルテミシニンが合成されているのかすらもわかりつつある驚異的な進歩を遂げています。今回は筆者の趣味で後者のクソニンジンにポイントを絞って歴史と概要、またbiosynthesis routeを中心に調べ、それにまつわるお薬を取り上げる流れで以下やってまいります。
クソニンジンに関する一般情報
「植物は生物である以上意識的・無意識に関わらず目的をもって化学物質を合成している」と考えるのは不自然でしょうか。つまり人間が汗をかくのと一緒で、植物も生物であるため外部の環境変化をはじめとした危機への対策の一環として体内にためたり分泌したりしているのだろう…と。これはもちろん妄想ですが、たとえば渋柿に含まれるタンニンなどももとは種が熟すまでの虫よけや鳥よけの物質として発生したものだ、ということを考えると不自然とは言えんように思います。タンニンは摂取しすぎるとヒトですら体調を崩し得ることは以前こちらの忍者関係の記事に描いた通りですが、それぐらい生理作用の高い物質を体内で自助努力(仮)で作れる植物は本当すごい。山を崩し海を漁って他力本願的に発展のようなものをしているニンゲンサマとはえらい違いです。
翻ってクソニンジン、こちらは中国高地に源流をもつ植物です。現時点で世界最古のクソニンジン使用例は現在の新疆ウイグル自治区付近にあった紀元前の古代文明(苏贝希文化)の遺跡の墓内でみつかり(文献2)、ご遺体周辺や胃の中からも断片が多数見つかった(下表)ため当時から少なくとも何らかのまじない用(?)に重用されていたことがうかがえます。胃の中にあったからと言って薬用に使っていたとは言い切れませんが、この植物が人間に意義があるということは既に明らかだったのでしょう。
(文献2)より筆者が編集して引用 ご遺体の横に束にして置いてあった
ほぼ同時代に作られた5個の墓所から共通して見つかっている(表内 Tomb No.の列)ことからも
広く使用されていたのがうかがえる
ではこんな有用なものがごく一部地域にかたまっているかというとそうではなく、現在はむしろ世界中に広まっている。筆者がよく使う(文献3)によると現在では下図のようになります。中国で伝統的にクソニンジンが主に使われていたのもこの植生の違いが大きいでしょう。またなんでこんなに広がっているか、ですがおそらくヒトがその有用性が欲しくて近場にばらまいたのと、加えて”強い”成分を多く含む(後述)ため害虫などの外敵に対し防御力が高かった結果、広範に生き残ったのだと推定されます。
(文献3)で検索 欧州・南米がニガヨモギ、アジア・北米がクソニンジンが強いイメージ
なお日本にはクソニンジンしかないように見えるが実際にはニガヨモギも存在する(〇が重複しています)
後述するが最近アフリカでクソニンジンの栽培がかなり盛んになっている
で、そのクソニンジン内の薬用成分(文献4)。アルテミシニンはもちろん、クソニンジンと呼ばれるほどの匂いの大元である多数のテルペン類、特に昭和の時代に箪笥の防虫(忌避)剤として使われていた樟脳 Camphor、またフラボノイドのアルテミチン(分子構造がカテキンに類似)を含むなど、原虫を避け虫を避け菌を避け…が出来る植物であることが改めてみてとれます。以前紹介したマンチニールは作る化合物のベクトルが”近寄る生物みな倒す”に向いていましたが、クソニンジンは”虫ども近寄るな”に特化していて、長い歴史の中で何が脅威であったかを示しているようにも思われます。虫は食害もそうですけどウイルスや菌、カビ、寄生虫も媒介しますからね…
(文献4)より筆者が編集して引用
もちろん代表的なもののみで、横断的なものは(文献4)表1に全てまとまっている
で、そもそもこのアルテミシニンの世界初の発見者でノーベル化学賞受賞者である屠呦呦博士がどういう経緯でアルテミシニンを見つけたのかは興味深く、屠博士ご本人が書かれた(文献5)と、中国伝統医薬のプロである陈凯先教授による解説(文献6)にそのあたりの詳しい経緯が掲載されていました。一番いいのは屠博士のノーベル化学賞受賞時の講演録なのですがそれでは芸が無いのでこの2つの文献を要約すると。。。
1. もともとマラリアに関係の薄い領土を持つ中国が抗マラリア薬開発に着手したのはベトナム戦争での自軍被害抑制が目的
2. 600人の研究者と53箇所の研究機関との連携の中で開発実施
3. ジョウザンから採ったfebrifugineをはじめとするターゲット化合物が選ばれたが、どれも副作用等で難航
4. そんな中屠呦呦博士が葛仙薬師による”肘後備急方”という3世紀(!!!)の古い薬学書を調べたところ「青嵩」(クソニンジンのこと・一部文献では近似種カワラニンジンを言うケースあり)を水に浸した液を飲ませる事がマラリア等の熱病に薬効があるとする記述を発見
5. 屠呦呦博士はそのきっかけを見つけただけでなく、研究開発の進め方でも重要な役割を示した
A: 抽出物のマラリア処方に対しシステマティックな手法を導入
B: (アルテミシニンの)適切な抽出方法を発見
C: アルテミシニンの生体活性を向上させて実際に効くようにする共同研究を主導
(特にBが重要で、200種類以上の方法で水を使い抽出したが抽出物に薬効がない状態が続いたため、屠博士が肘後備急方の記載に戻って見直したところ、常温で水に浸漬して抽出していることに気づき、有機溶媒(ジエチルエーテル)での常温抽出に切り替えたところ、ようやくマウスでの実験で薬効が発揮されたことが以降の突破口となった)
6. Cの解決には当時上海有機化学研究所の周维善博士、李英博士が構造解析/誘導体開発に貢献。過酸化構造(-O-O-)を持つことを見出し、溶解度を変えたアルテミシニン誘導体(アルテメテル、アルテスタネート)開発にも成功し再発率も低減することに成功した
・・・というのが大枠でした。天然物からの医薬品開発の教科書のような素晴らしい経緯ですね。というか3世紀の薬学書が現代に残ってるって本当に凄いことで、紙の発明、文字(漢字)の統一、保管・伝承方法のどれ一つ欠けても成し得なかった奇跡であり、中国歴代王朝の底力はまさにこうしたところにあるのだと実感しました。
(文献5)より引用 黄色で囲ったところ付近に「クソニンジン一掴みを(2升の)水に浸け…」という記載がある
で。(文献6)の方の陈凯先教授による後半のコメントは非常に示唆的で、大意「屠呦呦博士は中国の薬学書に発想を受けて現代化学・薬学に貢献したが、そのことがそのまま中国伝統薬学の有効性を示すものではないことは認識すべきである。しかし、現代の技術でその有効性を見つめなおし遺伝学的な観点、及び季節的・地域的な薬効性の変化といった『何故効いたり効かなかったりするのか』を解明していけばきっと人類への貢献につながることだろう」という見解はうなずけるものがあります。
こうした東洋医学的観点は西洋科学となかなか相容れないのはよく理解出来ますが、何より患者をよく診て(触診、脈診、見診含む)いる点は意義があると思います。もちろん一体何を診て対応しているんだろう、という謎に包まれるところに違和感を覚えてしまう人もいるのでしょうけど、屠博士、陈凯先教授によるご認識、つまり西洋科学に対し中国医薬の位置づけに理解を払いつつも、その融合によって新しい道が拓ける、という観点は今後の科学の発展に重要になっていくと思う次第です。
クソニンジンの生合成経緯と商売や類製品の最新事情について
この項でやや雑多にアルテミシニンの商売まわりのことを記載していきます。まずクソニンジン中でアルテミシニンがどのように合成されるのか、という点。これはWileyのこの本(“Medicinal Chemistry of Bioactive Natural Products”, 2005)に記載・提案された合成経路をもとに議論が進んでおり、現在「こうではないか」ルートは(文献7)(文献8)に詳細があるように様々な代謝経路、酵素を通し出来上がっていくことが概ね説明出来ているという状態になっています(下図)。
(文献7,8)より図を引用して筆者が作成 各部の”DXS”などは
生体内で専門にその反応を担う生酵素のことで、その分子構造や
X線による構造分析が最近やっとわかってきたものがほとんど(関連リンク)
しかしいくら見てもなんでこんな苦労してクソニンジンがこのアルテミシニンを作っているのやら。特に天然物で分子構造に過酸化結合(-O-O-)を含むものは、これ以外には中国で発見されたYingzhaosu A, 及びYingzhaosu Cという天然物くらい。途中の各種生体酵素を経由する反応もそうですが全体を通して人間が再現できるのか怪しくなるレベルです。ということで薬師としては全合成は諦め、広い畑に漢方よろしくクソニンジンを大量に植えることから始めるわけです。
・・・ただ、アルテミシニンは主にクソニンジンの葉に含まれるとはいえ最大で約0.7wt%と微量で(文献4)、100kg収穫してもせいぜい700gしか採れない。あと天候とか土壌の質とか更に減る。これではいくら薬効があっても必要な時に多く供給が出来ない。さてどうするか…ということで10年前以上にNatureにも発表されたのが、途中まで合成される中間体 アルテミシニン酸(上図の赤枠点線部)を遺伝子組換技術による生合成で大量に作り、最終的に化学合成でアルテミシニンまで作るというとんでもない方法(文献9)(文献10/この資料は素晴らしい)。これに成功したのはアメリカAmyris社で、もともとビルゲイツ財団によるファンドを使って開発に成功、Sanofi経由で世界中に製剤を供給可能にした点で先端発酵化学(fermentation technology・以前書いたバイオ薬品をつくるハイブリドーマ技術とは違い、合成の難しい低分子製剤を発酵で合成する手法のひとつ)の旗手とも考えられていました。ただ、Sanofiに投げた途中で化学合成のルートが不経済であったため結局アルテミシニン酸の後の合成ルートはクソニンジン内の合成ルート同様に光化学反応を使うことになってしまったようです(下図)。
Sanofiから当時発表された資料から引用(文献11)
最後のStep3,4とか人間の発想なのかと思いたくなる
なお資料中にクソニンジンという文字はどこにも存在しないが
何故か筆者がこのファイルを昔から持っていて何らかの因縁を感じる
しかし現実もさるもの、競合他社が主にアフリカで人海戦術を用いクソニンジンを大量に育てアルテミシニンを抽出し誘導体を作るという力技を選択、大量供給+コスト低減策をけしかけました。この結果Amyris社は財政難となり、Sanofiも2015年にせっかく作った発酵プラントを社外に売り飛ばし、Amyris社はついに2023年に破綻してしまいます(リンク/現在は経営再建中)。経済は技術だけでは決まらず資本力と仁義なき攻勢で大勢が決まる、ということを思い知らされますが、もう少しこう節操みたいなものは無いもんでしょうかねぇ。このあたりの経緯についてはNatureでも採り上げられていて(文献12)、研究や開発を行う前には対象とする商売の問題が本当に技術的なところにあるのかを十分認識しておく必要がある、ということを見直す意味でも必読の内容となっています。
ということでクソニンジン~アルテミシニンに関わる歴史からその重要性や現在の状況を整理してみましたが、一つの植物をとっても一つの材料をとっても本当に奥深く興味が尽きません。昨今の様々な情勢に伴いこうした弱い人達が苦しみやすい疾患や病気に対する開発がますます行われにくくなる傾向があるのですが、こういう時こそ忍辱の精神で精進していかなきゃいかんのだと思います。外部環境の変化で簡単に身上を捨てるくらいのもんだったんか、という。過去それに立ち向かって踏み止まってきた人たちは何人も居ると思うのですが、その人たちが繋いだタスキや糸はどっかには繋がるようにしていくのは個々人でしか出来ん営みではないのか、と最近頓に思います。
おわりに
以前チチバビンという化学者のことについて記事を書いたのは筆者です。この時と同じ動機に従い今回色々調べてみておそらく一生分のクソニンジンという言葉をタイプしたのですが、今回も動機の純不純を不問にするとすれば非常に勉強になりました。冒頭で述べたとおり、小さい頃に苦くて甘い餅を食った経験が大きな駆動力になったと言えます。
なお書いているうちに思い出したのがシャーガス病の発見者カルロス・シャーガス博士のこと。シャーガス病の原因も血液中に侵入した原虫なのですが、その原虫を叩くための代表的な3つある薬のうちの2つに共通するポイントは窒素酸化物を経由した有機ラジカル体でした。今回のアルテミシニンも分子内に酸素ラジカル様の構造を持っているため、これを鑑みるに過酸化物というのはマラリア原虫やシャーガス病の原因であるトリパノソーマにも共通する、虫類をやっつけるための戦略の一つなのかなぁと思うようになった次第です。というのも今のところシャーガス病に最も効いているSanofi製のフェキシニダゾールもニトロ基を分子内に持っていて、これが原虫体内にあるNTRを経由しラジカルを発生させたたく、というのが主な作用機序のひとつであると推定されるのは前回も述べたとおりなので、、、ただ原虫によってはNTR(ニトロ基還元酵素)をもたないものもいるはずで、同じ薬で違う原虫がたたけるわけではないというのが難しいところで。
シャーガス博士の記事からの図を再掲
ニフルチモックスとフェキシニダゾールに共通するメカニズムと考えられる
なお調べたところ、アルテミシニンの場合もやはりラジカル体経由でタンパク質をたたくのがメインの作用機序なのですが、フェノキシニダゾールと違い細胞内に入り込んだ後に酵素をうまく使ってラジカル化し細胞内で暴れるというおそるべき形で効果を発揮します(文献13)。いずれにせよ物理的な作用に近いラジカルというツールの方がこうした寄生虫類、特に原虫類に効くというのは非常に興味深いところです。催涙ガスとかよりも棍棒でぶん殴る方が効くというイメージですかね。
ただそうした強い作用を持つアルテミシニンにもかなり早々に抵抗性原虫が発生していたらしく、この抵抗性の原虫は一説には破壊されても修復するのと、ラジカル自体をトラップするスカベンジャーのような組成を体内に生み出すことでアルテミシニンの攻勢に対応しているという…薬効とメカニズム自体驚きなのに、それに対応する構成を生み出す(またはもともと持っていた機能を応用する)底力というのは一体どこから生まれてくるのやら(注:この抵抗性については少し議論があるようで、抵抗性原虫が発生したと報告されたのが1993年、なのに30年近くたった後でもそれに疑問を呈する論文が上がるなどしていてまだ一貫した説にはなっていないようです)。ここらへんいろいろ議論の余地があり、関連開発が盛り上がることを望みたい…
…のですが昨今、特に国内における製薬業界の周辺環境が極めて悪くなっていて、特にせっかく製薬各社がせっかく多額の開発費をはたいて作った薬の値段をどんどん下げるというとんでもない施策が実行されているという、恐ろしい状況に至っています。輸出で外貨が稼げなくなっている状態になった時点で詰みなのかもしれませんが、経済的に疲弊している斜陽国家においては何かが犠牲にされないといかんことも出てくるのか、というのはしょうもない諦観なのですがそうなると外に打って出ていく以外無いのであって…。
ただ製薬についても各地域の競争は激しく、価格競争に巻き込まれるような形では資本力で勝てない本邦は太刀打ちが出来ないような気がします。以前書いた、あれだけ先行していたオプジーボの競争状況とその結果を考えると、ですけど。もう少しいい独自の商売モデル、たとえば東洋科学と組み合わせたような日本独自のサービスと組み合わせた商売があればいい気もするのですが、今後は「何故日本でそれをやるのか」という根本的な問いに即答が出来る哲学が必要なんじゃねぇかなとうっすら思っている次第です。
ということであんまりまとまってませんが、今回はこんなところで。
参考文献
1. “Relative expression of genes of terpene metabolism in different tissues of Artemisia annuaL”, Olofsson et al. BMC Plant Biology 2011, 11:45, リンク
2. “The discoveryof Artemisia annua L. intheShengjindiancemetery, Xinjiang, Chinaanditsimplicationsforearlyusesoftraditional
Chinese herbalmedicine qinghao”, Journal of Ethnopharmacology146(2013)278–286, リンク
3. “Discover Life”, リンク
4. “Artemisia annua – Importance in Traditional Medicine and Current State of Knowledge on the Chemistry, Biological Activity and Possible Applications” Planta Med 2021; 87: 584–599, Thieme., リンク
5. “The discovery of artemisinin (qinghaosu) and gifts from Chinese medicine”, Nature Medicine volume 17, number 10, october 2011, リンク
6. “From Artemisinin to Antimalarial Drugs: A Role Model of Scientific Collaboration”, Vol.29 No.4 2015, Bulletin of the Chinese Academy of Sciences, リンク
7. “Multivariate data analysis and metabolic profiling of artemisinin andrelated compounds in high yielding varieties of Artemisia annuafield-grown in Madagasca”, Journal of Pharmaceutical and Biomedical Analysis 117 (2016) 522–531, リンク
8. “Light-Induced Artemisinin Biosynthesis Is Regulated by the bZIP Transcription Factor AaHY5 in Artemisia annua”, Plant and Cell Physiology 60(8), リンク
9. “High-level semi-synthetic production of the potent antimalarial artemisinin”, Nature 496, 528–532 (2013), リンク
10. “研究開発の俯瞰と潮流 〜 今後の活路を展望する バイオ生産・合成生物学研究の俯瞰と潮流”, JST研究開発戦略センター 2019年8月29日 JST事業性セミナー, 資料リンク
11. “Semi-Synthetic ARTEMISININ Project”, The 2010 WHO/MMV Artemisinin Conference 11-13 October 2010, Antananarivo, Madagascar, Sanofi Aventis
12. “Synthetic biology’s first malaria drug meets market resistance”, Nature 530, 389–390 (2016), リンク
13. “K13, the Cytostome, and Artemisinin Resistance”, Trends in Parasitology, Volume 36, Issue 6, 533 – 544, リンク