[スポンサーリンク]

化学書籍レビュー

有機化学の理論―学生の質問に答えるノート

 

内容

有機化学を学び始めた学生が誤解しやすいことや、もっと突っ込んで考えてほしいことを問題点として取り上げ、「講義用ノート」に理論的解説を加えたもの。教科書と専門書のギャップを埋める、2007年刊行の最新第4版!

対象

有機化学を学ぶ、大学学部生以上。

 

評価・解説

本書は、「講義で受けた学生からの質問に対し、著者なりの解説を与える」という形式でまとめあげた書物であり、これこそが有機化学という学問だ!とも再認識させてくれる息の長い名著です。

「オービタルにつけられた符号の意味は?」「共鳴するとなぜ分子は安定するのか?」など、「あれ?」と一度は思うが、そのまま放置されがちな運命を辿る、素朴ながら本質的な疑問・質問の数々。そういった、有機化学を学ぶ誰もが持つ疑問に、文献を引用しつつ誤魔化すことなく答えようと努めています。著者の真摯な姿勢には見習うべきものがありますし、教科書の副読本として読むだけで理解が深まります。

初版(1979)から多数回の改訂が加えられ、最新の知見も交えた第4版改訂(2010)が最新版として刊行されています。専門的有機化学という世界で長きにわたって親しまれてきたという事実からも、本書の価値の高さは容易に想像できると思えます。

 

関連書籍

The following two tabs change content below.
cosine

cosine

博士(薬学)。Chem-Station副代表。現在国立大学教員として勤務中。専門は有機合成化学、主に触媒開発研究。 関心ある学問領域は三つ。すなわち、世界を創造する化学、世界を拡張させる情報科学、世界を世界たらしめる認知科学。 素晴らしければ何でも良い。どうでも良いことは心底どうでも良い。興味・趣味は様々だが、そのほとんどがメジャー地位を獲得してなさそうなのは仕様。

関連記事

  1. ノンコーディングRNA 〜 RNA分子の全体像を俯瞰する〜
  2. 有機合成のナビゲーター
  3. アルカロイドの科学 生物活性を生みだす物質の探索から創薬の実際ま…
  4. NMR in Organometallic Chemistry
  5. Purification of Laboratory Chemi…
  6. 菌・カビを知る・防ぐ60の知恵―プロ直伝 防菌・防カビの新常識
  7. 最新 創薬化学 ~探索研究から開発まで~
  8. 炭素文明論「元素の王者」が歴史を動かす

コメント、感想はこちらへ

注目情報

ピックアップ記事

  1. 超原子結晶!TCNE!インターカレーション!!!
  2. 信越化学、塩化ビニル樹脂を値上げ
  3. 反応探索にDNAナノテクノロジーが挑む
  4. 米で処方せん不要の「やせ薬」発売、売り切れ続出
  5. 大日本住友製薬が発足 業界5位、将来に再編含み
  6. サイエンスイングリッシュキャンプin東京工科大学
  7. クライゼン転位 Claisen Rearrangement
  8. 副反応を起こしやすいアミノ酸を迅速かつクリーンに連結する
  9. プラスチックに数層の分子配向膜を形成する手法の開発
  10. TEMPOよりも高活性なアルコール酸化触媒

関連商品

注目情報

注目情報

最新記事

有機ホウ素化合物を用いたSNi型立体特異的β-ラムノシル化反応の開発

第166回目のスポットライトリサーチは、慶應義塾大学理工学部博士課程・西 信哉(にし のぶや)さんに…

アルキルアミンをボロン酸エステルに変換する

不活性C(sp3)–N結合をボリル化する初めての反応が開発された。入手容易なアルキルアミンから様々な…

生物の仕組みに倣う:背景と光に応じて色が変わる顔料の開発

第165回目のスポットライトリサーチは、名古屋大学大学院工学研究科 ・坂井美紀(さかい みき)さんに…

イミデートラジカルを用いた多置換アミノアルコール合成

イミデートラジカルを用い、一挙に多置換アミノアルコールを合成する方法が開発された。穏和な条件かつ位置…

ジェフリー·ロング Jeffrey R. Long

ジェフリー·ロング(Jeffrey R. Long, 1969年xx月xx日-)は、アメリカの無機材…

【なんと簡単な!】 カーボンナノリングを用いた多孔性ナノシートのボトムアップ合成

第 164 回目のスポットライトリサーチは東京大学大学院新領域創成科学研究科 物質系専攻の森泰造 (…

PAGE TOP