[スポンサーリンク]

化学書籍レビュー

Density Functional Theory in Quantum Chemistry

[スポンサーリンク]

[amazonjs asin=”4431548246″ locale=”JP” title=”Density Functional Theory in Quantum Chemistry”]

 

内容

In this fifth edition of Jack Jie Li’s seminal “Name Reactions”, the author has added twenty-seven new name reactions to reflect the recent advances in organic chemistry. As in previous editions, each reaction is delineated by its detailed step-by-step, electron-pushing mechanism and supplemented with the original and the latest references, especially from review articles. Now with addition of many synthetic applications, this book is not only an indispensable resource for advanced undergraduate and graduate students, but is also a good reference book for all organic chemists in both industry and academia.

Unlike other books on name reactions in organic chemistry, Name Reactions, A Collection of Detailed Reaction Mechanisms and Synthetic Applications focuses on the reaction mechanisms. It covers over 320 classical as well as contemporary name reactions.

(引用:書籍紹介ページより)

対象

化学系(理論・実験系)の大学院生、博士学生

解説

2013年に量子化学分野からノーベル賞受賞者が出たことでこの分野が注目されることとなったが(関連記事:2013年ノーベル化学賞)、これを受け量子化学計算について興味をもった方も多いと思う。量子化学は新規エネルギーや新材料の開発、また創薬化学などの様々な分野へ貢献してる。例えば、インフルエンザ治療薬のタミフルは量子化学によるドラックデザインの結果開発された薬であり、実際に身近なところでも役に立っている。

さて、量子化学といえば、“DFT”という言葉を耳にしたことがあるだろう。DFTとはDensity Functional Theory(密度汎関数法)の略で、ポテンシャルを電子密度で表すことで固体の電子状態を高速化することを目的として考案され、現在の量子化学の主流となっている計算手法のことである。本書は、DFTを一から学び、計算ソフトを用いた量子化学計算を研究に導入したいと考える理論・実験系化学者のための教科書である。

学部で学ぶ様な基礎的な量子化学の理論から、量子化学の始祖とも言えるHartree–Fock方程式を始め、Kohn–Sham方程式、さらには様々な汎関数法について、丁寧に解説されている。第1章ではSchrödinger方程式の導出から、分子の振動・回転・電子状態への応用が示されているため、量子化学の予備知識を持っていない方でも比較的読みやすくなっている。第2章からはHartree–Fock方程式やKohn–Sham方程式の導出を目的とした解説。また、第7章では分子軌道エネルギーを様々な計算手法を用いた場合、どのような効果が表れるかが説明されている。著者の常田貴夫教授が自身で開発したLC法などを用いた比較が計算データと共に示されているため、実際に研究で用いる量子化学計算にも触れることができる。

最近では、様々な分野においてDFTを用いた計算が行われており、理論化学者のみでなく実験化学者の方々でも、DFTに触れる機会が多い。この機会に一度DFTについて知ってみるのも良いのではないだろうか。

 

関連書籍

[amazonjs asin=”4061532804″ locale=”JP” title=”密度汎関数法の基礎 (KS物理専門書)”][amazonjs asin=”4061543881″ locale=”JP” title=”新版 すぐできる 量子化学計算ビギナーズマニュアル (KS化学専門書)”]
Avatar photo

webmaster

投稿者の記事一覧

Chem-Station代表。早稲田大学理工学術院教授。専門は有機化学。主に有機合成化学。分子レベルでモノを自由自在につくる、最小の構造物設計の匠となるため分子設計化学を確立したいと考えている。趣味は旅行(日本は全県制覇、海外はまだ20カ国ほど)、ドライブ、そしてすべての化学情報をインターネットで発信できるポータルサイトを作ること。

関連記事

  1. 化学物質はなぜ嫌われるのか
  2. ここまで進んだ次世代医薬品―ちょっと未来の薬の科学
  3. 企業研究者たちの感動の瞬間: モノづくりに賭ける夢と情熱
  4. Reaction and Synthesis: In the O…
  5. セールスコピー大全: 見て、読んで、買ってもらえるコトバの作り方…
  6. フッ素の特性が織りなす分子変換・材料化学(CSJカレントレビュー…
  7. The Sol-Gel Handbook: Synthesis,…
  8. 基礎から学ぶ機器分析化学

注目情報

ピックアップ記事

  1. 人が集まるポスター発表を考える
  2. 有機化合物合成中に発火、理化学研が半焼--仙台 /宮城
  3. カール・ジェラッシ Carl Djerassi
  4. リケラボとコラボして特集記事を配信します
  5. ヘル・フォルハルト・ゼリンスキー反応 Hell-Volhard-Zelinsky Reaction
  6. 有機合成化学協会誌2023年2月号:セレノリン酸誘導体・糖鎖高次機能・刺激応答型発光性液体材料・生物活性含酸素環式天然物・第9族金属触媒
  7. わざと失敗する実験【プロセス化学者のつぶやき】
  8. 2,9-ジブチル-1,10-フェナントロリン:2,9-Dibutyl-1,10-phenanthroline
  9. 抗体-薬物複合体 Antibody-Drug Conjugate
  10. タミフルの新規合成法

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2015年6月
月 火 水 木 金 土 日
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

注目情報

最新記事

第64回ケムステVシンポ「データとともに進化する未来の化学」を開催します!

第64回ケムステVシンポの会告を致します。産業技術総合研究所主催の化学シンポジウムシリーズ(…

品質工学とマテリアルズ・インフォマティクス ― 両技術の概要と連携事例

開催概要材料開発やものづくりの現場では、探索すべき組成やプロセス条件が増えるほど組み合わせが爆発…

大学院留学してよかったこと, 悪かったこと【英語, 経済面, オーバードクターに関するお話】

海外の大学で、その大学に籍を置く大学 (院) 生として留学することは「学位留学」と呼ばれたりします。…

光前駆体法の活用によって、ヘプタセンで初の一重項分裂を観測!

第725回のスポットライトリサーチは、京都大学大学院 理学研究科化学専攻 有機元素化学研究室(山田研…

【スタッフ・寄稿募集】Chem-Stationで、化学を「伝える側」になりませんか?

Chem-Station(ケムステ)は2000年に開設された国内最大の化学ポータルサイトです。大学・…

第17回大津会議―とある参加者の記録―

2026年9月28日~29日に開催された第17回大津会議についての、とある参加者の記録です。この記事…

第17回大津会議 -Otsu Conference- 2026 開催報告 ~新体制で紡ぐ「有機合成の夢」~

第17回大津会議が2026年9月28日(月)〜9月29日(火)びわ湖大津プリンスホテルにて開催されま…

有機合成化学協会誌2026年10月号:医薬品プロセス開発・σ芳香族性・含窒素複素環・メロテルペノイド二量体・高歪み化合物

有機合成化学協会が発行する「有機合成化学協会誌」2026年10月号がオンラインで公開されています。…

時代は水だ! セメントのように水と混ぜるだけで成形・硬化できる「水硬性」高分子

第724回のスポットライトリサーチは、東京科学大学物質理工学院(大塚研究室)博士前期課程2年の徳満玲…

複雑さを設計して、結晶の動きをプログラムする

第723回のスポットライトリサーチは、高知工科大学大学院工学研究科(林研究室) 博士後期課程3年の樋…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP