[スポンサーリンク]

その他

理工系のAI英作文術

[スポンサーリンク]

概要

英語が苦手な人でもAI自動翻訳を使えば、短時間で英語が得意な人に匹敵する英文が書けるようになる!
AI自動翻訳を活用して正確な英作文を書くための最強ノウハウを伝授.AI自動翻訳を使いこなし,英語論文作成にかけていた時間を研究に回すことを提案する.(引用:化学同人より)

対象者

英語をなんとなく勉強したい方から仕事で英語で実務を任された方まで十分に活用できる本です。

目次

Chapter 1 理工系の英語になぜAI自動翻訳がおすすめなのか(1.1 すぐに実践できる! 遠回りなし/1.2 時間・労力を節約できる!/1.3 理工系のプロとしての英語力が身につく!/1.4 ノンネイティブの強い味方になる)

Chapter 2 AI自動翻訳の可能性(2.1 理工系分野の英語に求められること/2.2 日本人の英語にありがちなこと/2.3 AI自動翻訳のどこがすごいのか/2.4 冗長な英文も簡潔にしてしまう!?/2.5 AI自動翻訳はすでに人間を超えている/2.6 AI自動翻訳にも弱点がある)

Chapter 3 AI自動翻訳による英訳は入力する日本語で決まる!!(3.1 英文の修正は最小限に、入力する日本語を工夫しよう/3.2 短い日本語の文章をつくることが大前提/3.3 出力される英語のレベルをさらに上げるには/3.4 日本人の思考プロセスから抜けだそう!)

Chapter 4 AI自動翻訳にできないこと(4.1 AI自動翻訳に頼ってはいけないこと/4.2 専門用語の理解/4.3 用語の一貫性/4.4 名刺の扱い方/4.5 複雑な文章の組み立て/4.6 パラグラフの構成/4.7 時制の一貫性)

Chapter 5 AI自動翻訳を最大限に活用する(5.1 AI自動翻訳を活用する手順/5.2 AI自動翻訳を実際に使ってみよう/5.3 できた英文は,身近な人にチェックしてもらおう/5.4 AI自動翻訳とセキュリティについて)

Chapter 6 AI自動翻訳を使いこなして専門家を目指す(6.1 AI自動翻訳の時代に求められる英語力とは/6.2 質の高い英文資料をみきわめる/6.3 AI自動翻訳と共存した英語学習とは/6.4 専門性の高さと英語力/6.5 近い将来,英語を使う必要はなくなる?)

内容

今のAI翻訳技術は代表的なDeepLやGoogle翻訳など、驚くほどに優れた精度のものが出ています。(私も学生時代に論文を読む際や、執筆する際にとてもお世話になりました。)本作品の作者は、イギリス名門大学であるバーミンガム大学で博士号をとり、企業での海外プロジェクトや、国立大学の教授として英語論文指導を行ってきた英語の専門家です。本作品は、その作者が英語の使用に苦労した経験から、今のAI翻訳技術がいかに素晴らしいものかや、その応用方法や、AI翻訳技術を用いた英語の学習方法について述べている書籍です。

第1章は、実務のための英語力を身に着けるためにする語学能力検定の勉強がいかに効率の悪いものであるかが、筆者の経験や、実際のデータ、また、AI自動翻訳の能力から示されています。また、コラムでは、作者のイギリス留学中の論文作成での苦い経験や、本当に求められる英語力とは何かについてが記述されています。

第2章は、理工系の英作文で求められる3C (clear (明確)、correct (正確)、concise(簡単))と今のAI自動翻訳の圧倒的に人間より優れた数個の能力から、いかにAI自動翻訳が理工系の英作文を作る際に、便利な道具になるかが示されています。例えば、AI自動翻訳は、日本語から一瞬でconcise(簡単)な英文をはじき出してれます。また、日本人が気づかないカタカナ英語(エアコン→Air conditioner、 アンケート→Quetionnaire)なども訂正してくれるなどもあります。

第3章は、英語でのAI自動翻訳を活用する上での、日本語の入力のコツについて書かれています。現在高度に発展したAI自動翻訳でも、誤った翻訳をすることがあるようです。この章では、誤訳をしないための日本語入力方法が示されています。また、英語圏の国々では、ものを伝える時に日本人と異なる文化があるようでです。思いついた文をそのままAI自動翻訳にするのは、あまりよくないことだそうです。この章を読めば、英語が得意じゃない人でも、英語の誤訳を少なくし、英語の習得にかかる苦労から逃げることができます。

第4章は、第3章から発展した内容で、AI自動翻訳にできないことが書かれています。人工知能といっても、書かれた文章から筆者のステータス、文の周りの文脈を察する能力はありません。しかし、それらを補うことは、人の力によってできます。筆者は、英作文において、AIができないことを数種類に分類し、それらについて対策方法を示しています。

第5章は、3,4章で紹介した日本語入力のコツの数項目と、AI自動翻訳にできないために人間がチェックしなければいけない数項目、合計8項目を、英文を翻訳するための8工程とし、その工程を用いた実際の日本語文の英訳方法について紹介しています。また、この章では3つの日本語の文を例に、その8工程を用いて、実際に翻訳をして、その文の翻訳方法を説明しています。

第6章は、音声認識技術や、AIによって、極めて実用に近づいている現状の通訳の技術から考察するこれからのAI自動翻訳の活用方法についてが記述されています。現代の異なる人種間でのコミニュケーション方法はAI自動翻訳によって大きく変容しているようです。筆者は、この章で、その変遷する社会で活躍するために、AI自動翻訳を用いてどうやって立ち回るのが効率的なのかについての指針や、自分の専門分野で活躍するための論文などの専門的な資料の活用方法について記述しています。

DeepLを用いて英語の卒業論文を書いた経験がある筆者(私)でしたが、英文を翻訳するとすぐに精度の高い日本語を返してくれるAI自動翻訳に、この本で書いてあるように多数の穴があることは、恥ずかしながらに気づきませんでした。また、筆者(私)の現在実務である英語の文章作成において、第4章の内容を読むことで、文章のレベルを一段階上げることができたと思います。さらに、第5章で垣間見れる、英語のプロの英文を作るうえでの視点はとても興味深く、自分の語学学習のモチベーションにもなりました。ここまで明確に、実利に沿って、AI自動翻訳の活用方法を示している本は他にないのではないでしょうか。

英語 に関するケムステ過去記事

関連記事

  1. 世界のエリートが今一番入りたい大学 ミネルバ
  2. ウォーレン有機化学
  3. なぜあなたの研究は進まないのか?
  4. 世界の一流は「雑談」で何を話しているのか
  5. 【書籍】化学探偵Mr.キュリー4
  6. 学振申請書の書き方とコツ
  7. 【書籍】文系でも3時間でわかる 超有機化学入門: 研究者120年…
  8. Handbook of Reagents for Organic…

注目情報

ピックアップ記事

  1. Dead Endを回避せよ!「全合成・極限からの一手」⑨ (解答編)
  2. Al=Al二重結合化合物
  3. 化学物質研究機構、プロテオーム解析用超高感度カラム開発
  4. クロスカップリング反応関連書籍
  5. チアゾリジンチオン
  6. 吉田潤一 Jun-ichi Yoshida
  7. 第14回 有機合成「力」でケミカルバイオロジーへ斬り込む - Joe Sweeney教授
  8. ホウ素でがんをやっつける!
  9. 【本日14時締切】マテリアルズ・インフォマティクスで活用される計算化学-その手法と概要について広く解説-
  10. 道修町ミュージアムストリート

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2022年7月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

注目情報

最新記事

アクリルアミド類のanti-Michael型付加反応の開発ーPd触媒による反応中間体の安定性が鍵―

第622回のスポットライトリサーチは、東京理科大学大学院理学研究科(松田研究室)修士2年の茂呂 諒太…

エントロピーを表す記号はなぜSなのか

Tshozoです。エントロピーの後日談が8年経っても一向に進んでないのは私が熱力学に向いてないことの…

AI解析プラットフォーム Multi-Sigmaとは?

Multi-Sigmaは少ないデータからAIによる予測、要因分析、最適化まで解析可能なプラットフォー…

【11/20~22】第41回メディシナルケミストリーシンポジウム@京都

概要メディシナルケミストリーシンポジウムは、日本の創薬力の向上或いは関連研究分野…

有機電解合成のはなし ~アンモニア常温常圧合成のキー技術~

(出典:燃料アンモニアサプライチェーンの構築 | NEDO グリーンイノベーション基金)Ts…

光触媒でエステルを多電子還元する

第621回のスポットライトリサーチは、分子科学研究所 生命・錯体分子科学研究領域(魚住グループ)にて…

ケムステSlackが開設5周年を迎えました!

日本初の化学専用オープンコミュニティとして発足した「ケムステSlack」が、めで…

人事・DX推進のご担当者の方へ〜研究開発でDXを進めるには

開催日:2024/07/24 申込みはこちら■開催概要新たな技術が生まれ続けるVUCAな…

酵素を照らす新たな光!アミノ酸の酸化的クロスカップリング

酵素と可視光レドックス触媒を協働させる、アミノ酸の酸化的クロスカップリング反応が開発された。多様な非…

二元貴金属酸化物触媒によるC–H活性化: 分子状酸素を酸化剤とするアレーンとカルボン酸の酸化的カップリング

第620回のスポットライトリサーチは、横浜国立大学大学院工学研究院(本倉研究室)の長谷川 慎吾 助教…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP