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エネルギー化学

西林 仁昭 Yoshiaki Nishibayashi

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概要

西林 仁昭 (にしばやし よしあき、1968年xx月xx日-)は、日本の化学者である(写真:日本学術振興会賞)。東京大学大学院工学系研究科 准教授 (写真:西林研究室)。

経歴

1991 京都大学工学部 石油化学科 卒業
1993 京都大学大学院工学研究科 修士課程修了
1995 京都大学大学院工学研究科 博士号取得
1995 東京大学大学院 工学系研究科 化学生命工学専攻 助手
2000 京都大学大学院工学研究科物質エネルギー化学専攻 助手
2000 東京大学大学院工学系研究科 総合研究機構 助教授

受賞歴

2000 日本化学会進歩賞
2005 文部科学大臣表彰 若手科学者賞
2011 日本学術振興会賞
2011 グリーン・サステイナブルケミストリー奨励賞
2015  有機合成化学協会 企業冠賞(日産化学・有機合成新反応/手法)
2017  錯体化学会 学術賞
2017  日本化学会 BCSJ賞
2017  井上科学振興財団 井上学術賞
2018  文部科学大臣表彰 科学技術賞(研究部門)
2020  日本化学会 学術賞 [有機化学系分野] 2022  日本化学会 BCSJ賞

研究業績

穏和な窒素固定の実現を目指した錯体触媒反応の開発[1]

窒素から肥料原料となるアンモニアを製造するプロセスとして広く普及しているハーバー・ボッシュ法は、高温高圧が必要である。全人類の消費エネルギーの数パーセントがこのプロセスの実現に使用されているとの指摘もある。より穏和な条件で窒素固定行うプロセスの実現は、化学者が総力を挙げて解決すべき問題の一つと考えられている。

西林らは、犠牲還元剤存在下にモリブデン-ピンサー錯体を触媒として用いることで、常温常圧にて窒素ガスをアンモニアへと変換する反応を開発することに成功した。上記の問題への有効な解決策へとつながりうる、優れた成果の一つである。(参考:究極のエネルギーキャリアきたる?!

 

二核ルテニウム触媒を活用する各種有機合成反応の開発[2]

二核ルテニウム錯体DIRUXはプロパルギルアルコールを金属アレニリデン種の形で活性化し、各種置換反応を進行させる。近年では不斉反応にも応用されている

Yoshiaki_Nishibayashi_2

西林研究室HPより引用

 関連文献

[1] Arashiba, K.; Miyake, Y.; Nishibayashi, Y. Nat. Chem. 2011, 3, 120. doi:10.1038/nchem.906

[2] (a) Nishibayashi, Y.; Yamanashi, M.; Wakiji, I.; Hidai, M. Angew. Chem. Int. Ed. 2000, 39, 2909. [DOI] (b) Senda, Y.; Nakajima, K.; Nishibayashi, Y. Angew. Chem. Int. Ed. 2015, 54, 4060.  DOI: 10.1002/anie.201411601

 関連書籍

[amazonjs asin=”4785335025″ locale=”JP” title=”窒素固定の科学: 化学と生物学からの挑戦”]

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博士(薬学)。Chem-Station副代表。国立大学教員→国研研究員にクラスチェンジ。専門は有機合成化学、触媒化学、医薬化学、ペプチド/タンパク質化学。
関心ある学問領域は三つ。すなわち、世界を創造する化学、世界を拡張させる情報科学、世界を世界たらしめる認知科学。
素晴らしければ何でも良い。どうでも良いことは心底どうでも良い。興味・趣味は様々だが、そのほとんどがメジャー地位を獲得してなさそうなのは仕様。

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