[スポンサーリンク]

D

ダニシェフスキー・北原ジエン Danishefsky-Kitahara Diene

[スポンサーリンク]

 

概要

シロキシジエンは俗にDanishefsky(-北原)ジエンとよばれる。二つの電子供与性置換基を持つためにHOMOエネルギーレベルが高く、電子不足ジエノフィルに対する、Diels-Alder反応およびヘテロDiels-Alder反応に高い活性を示す。

基本文献

  • Danishefsky, S. J.; Kitahara, T. J. Am. Chem. Soc. 197496, 7807. doi:10.1021/ja00832a031
  • Danishefsky, S. J.; Hirama, M.; Gombatz, K.; Harayama, T.; Berman, E.; Schuda, P. J. Am. Chem. Soc. 1978, 100, 6536. DOI: 10.1021/ja00488a063
  • Danishefsky, S. J. Acc. Chem. Res. 1981,14, 400. DOI: 10.1021/ar00072a006
  • Danishefsky, S. J.; Kitahara, T.; Shuda, P. F. Org. Synth. 1983, 61, 147. [website]

 

反応機構

 

反応例

 

実験手順

Danishefskyジエンの調製法[1] danishefsky_diene_2.gif

メカニカルスターラーを備えた三径フラスコに、トリエチルアミン (575g, 5.7mol)、無水塩化亜鉛(10.0g, 0.07
mol)を加え、窒素雰囲気下、室温にて1時間攪拌する。その溶液に4-methoxy-3-buten-2-one (250g, 2.50
mol)のベンゼン溶液(750 mL)を一度に加える。5分攪拌したところに、クロロトリメチルシラン(542g, 5.0 mol)を素早く加える。反応液は最初ピンク色になり、しばらくして赤色、最終的には茶色になる。氷浴で冷やしながら、反応液の温度を45℃以下に保つ。30分後、溶液をマントルヒーターで43℃に加熱し、この温度のまま12時間攪拌する。反応に従い、溶液の粘度は高くなる。室温にまで放冷後、ジエチルエーテル(5L)へと注ぎ入れる。固形物をセライト濾過し、それをさらにジエチルエーテル(4L)で洗浄する。溶液をまとめてエーテルを減圧留去し、甘い香りのする茶色油状物質を与える。それを1Lのフラスコに移し、ビグリューカラムを備えて減圧蒸留で精製する。初留は70~78℃(22mmHg)で流出してくる。78~81℃の分画(245g)には原料が5-10%混入してくるが、ほとんどの目的には使用可能である。さらに減圧蒸留することでより純度の高いtrans-1-methoxy-3-trimethylsiloxy-1,3-butadieneが得られる(200g,
収率46%)。

 

実験のコツ・テクニック

※調製に用いる塩化亜鉛(II)は予め加熱して水分を除去し、無水の状態にしたものを用いる。

 

参考文献

[1] Danishefsky, S. J.; Kitahara, T.; Shuda, P. F. Org. Synth.  1983, 61, 147. [website]

 

関連反応

 

関連書籍

 

外部リンク

Avatar photo

cosine

投稿者の記事一覧

博士(薬学)。Chem-Station副代表。国立大学教員→国研研究員にクラスチェンジ。専門は有機合成化学、触媒化学、医薬化学、ペプチド/タンパク質化学。
関心ある学問領域は三つ。すなわち、世界を創造する化学、世界を拡張させる情報科学、世界を世界たらしめる認知科学。
素晴らしければ何でも良い。どうでも良いことは心底どうでも良い。興味・趣味は様々だが、そのほとんどがメジャー地位を獲得してなさそうなのは仕様。

関連記事

  1. ベンジルオキシカルボニル保護基 Cbz(Z) Protectin…
  2. ウォルフ転位 Wolff Rearrangement
  3. マッテソン増炭反応 Matteson Homologation
  4. ラロック インドール合成 Larock Indole Synth…
  5. ムレキシド反応 Murexide reaction
  6. メーヤワイン・ポンドルフ・ヴァーレイ還元 Meerwein-Po…
  7. スルホニル保護基 Sulfonyl Protective Gro…
  8. 芳香族化合物のニトロ化 Nitration of Aromati…

注目情報

ピックアップ記事

  1. ボリル化剤を無駄なく使えるsp3C–H結合ボリル化
  2. 福山還元反応 Fukuyama Reduction
  3. 有機反応を俯瞰する ーリンの化学 その 1 (Wittig 型シン脱離)ー
  4. 結晶構造データは論文か?CSD Communicationsの公開
  5. ポンコツ博士の海外奮闘録⑤ 〜博士,アメ飯を食す。バーガー編〜
  6. 高脂血症治療薬の開発に着手 三和化学研究所
  7. カルボニル化を伴うクロスカップリング Carbonylative Cross Coupling
  8. CO2が原料!?不活性アルケンのアリールカルボキシ化反応の開発
  9. 芳香族メタ光環化付加 Aromatic meta-photocycloaddition
  10. 第131回―「Nature出版社のテクニカルエディターとして」Laura Croft博士

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2011年5月
 1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
3031  

注目情報

最新記事

第43回メディシナルケミストリーシンポジウム@京都

テーマ「創薬化学の新たな潮流 多彩なアプローチで未来を創る」 日時2026年11月11日…

圧力は「設定値」だけで決まらない【プロセス化学者のつぶやき】

前回まで1. 設定温度と系内の実温度のお話2. 温度値をどう判断するか3. 反応操作をし…

査読に AI を使われた体験談

生成 AI の普及は加速しており、調べもの、英文校閲など研究者の皆さんも活用していることと思います。…

フィーゼルマン チオフェン合成/Fiesselmann Thiophene Synthesis

概要フィーゼルマン チオフェン合成(Fiesselmann Thiophene Synthesi…

“とび跳ねる水滴”に潜む物理 〜接触時間とエネルギー源で読む撥水・防氷のテク〜

熱したフライパンに落ちた水滴が、玉になってコロコロと走り回り、冷えた面では、結露水が合体した瞬間に跳…

AI時代に研究者がすでに持っている力・これから伸ばしたい力

論文要約や文献検索など、研究現場でもAI活用が日常化する一方、「自分の仕事の先行き」に漠然とした不安…

miHub®を活用した探索的データ解析の実践

開催概要研究開発においてデータ活用が進む中、機械学習モデルの構築や予測解析に…

“ある特効薬”のはなし ~本田宗一郎氏の回想から

Tshozoです。最近実家に戻っては色々と廃棄するなどの店じまいを少しずつ進めているのですが、中…

高分子鎖を束ねた新しい共重合体「束状共重合体」が誕生

第715回のスポットライトリサーチは、東京大学大学院 工学系研究科(植村研究室)に所属されていた亀谷…

2026年「有機溶媒危機」へのアンサー。北大発・メカノクロスが挑む、溶媒に依存しない新たな合成法 = “メカノケミカル有機合成”の社会実装

株式会社メカノクロスは、メカノケミカル有機合成技術の社会実装に挑む北海道大学発の…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP