[スポンサーリンク]

世界の化学者データベース

ブライアン・ストルツ Brian M. Stoltz

[スポンサーリンク]

ブライアン・M・ストルツ(Brian Mark. Stoltz、19xx年xx月xx日-)は、アメリカの有機化学者である。米カリフォルニア工科大学教授(写真:Caltech)。

経歴

1993 インディアナ大学 卒業
1997 イェール大学 博士号取得 (John Wood教授)
1998-2000 ハーバード大学 博士研究員 (E. J. Corey教授)
2000 カリフォルニア工科大学助教授
2006 カリフォルニア工科大学教授

受賞歴

2003-2005 Alfred P. Sloan Research Fellow
2005 Arthur C. Cope Scholar Award
2009 Corey Award
2010 Tetrahedron Young Investigator Award in Organic Chemistry
2010 Schulich Visiting Professor Lectureship, Technion-The Israel Institute of Technology, Haifa, Israel
2010 Israel Chemical Society, Honorary Lifetime Member
2011 Ta-shue Chou Lectureship Award, The Ta-shue Chou Foundation in conjunction with the Institute of Chemistry, Academia Sinica, Taipei, Taiwan
2011 Herbert C. Brown Lecturer in Organic Chemistry, Purdue University, West Lafayette, Indiana
2011 Lester S. Andrews Lecturer, Mississippi State University, Starkville, Mississippi
2011 Caltech Academics and Research Committee (ARC) Professor of the Month
2011 R. C. Fuson Visiting Professorship, University of Illinois at Urbana-Champaign, Urbana, IL
2011 Nankai University Lectureship, Nankai University, Tianjin
2015 Mukaiyama Award by the Society of Synthetic Organic Chemistry
2018 ACS Award for Creative Work in Synthetic Organic Chemistry

 

研究概要

複雑骨格をもつ生理活性化合物の全合成研究

特にベンザイン化学、パラジウムを用いた触媒的不斉合成を鍵反応とし、様々な複雑化合物へとアプローチしている。

立体化学消失反応(stereoablative reaction)[1]の提唱

ラセミ体の反応基質に存在する立体点を壊し、一方の不斉点に収束させる合成法を彼らは立体化学消失反応(stereoablative reaction)と読んでいる。

stereoablative_rxn.gif
ねじれのあるアミドの合成[2]
通常の非環式アミドは窒素上の電子対及びカルボニルC=Oの共役が強く、平面構造をとる。しかし2-キヌクリドンはその縮環構造ゆえにそのようなことが起こりえず、結果としてアミドはねじれた構造をとる。このねじれ構造ゆえに不安定で数十年にわたり合成不可能な化合物といわれてきたが、Stoltzらは無水条件・強酸存在下に反応を行うことでこの化合物を塩として単離・構造決定することに成功した。

2_quinuqulidone.jpg

 

立体消失反応(Stereoablative Reaction)

脱炭酸型不斉αーアルキル化反応。この反応は、立体混合物から単一の立体を持つ化合物へと収束する反応です。動的速度論的光学分割の一種。Pd-PHOX触媒条件を用い、構築困難な二つの四級炭素を完全な立体制御にて一段階で構築しています。この反応をもとに(-)-Cyanthiwigin Fの全合成を達成しています。[3]

cyanthiwiginF_2

 

触媒的ヘテロ芳香環C–H結合直接シリル化

Grubbsらのグループらのグループらと共同で直接シリル化反応報告した。触媒的かつヘテロ芳香環のC–H結合を[SI]–Hを用いて直接的にシリル化する。触媒としてはアルカリ金属塩基であるカリウムtert-ブトキシド(KOt-Bu)を使う。

c0d73d3247110db98f006fece05248342

 

名言集

 

コメント&その他

  1. Web上での情報発信に大変熱心なグループのひとつでもある。特にホームページ上では、雑誌会の資料や有機合成のテクニック集など、研究者にとって有益な情報集が多数公開されており、一研究室がWebで情報発信をするにあたって、お手本とすべき構成となっている。最近ではTwitterも導入されている。

 

関連動画

Element 19: A Breakthrough Discovery in Sustainable Chemistry from Resnick Sustainability Institute on Vimeo.

関連文献

  1.  Stoltz, B. M. et al. Org. Biomol. Chem. 2007, 5, 3571, DOI: 10.1039/b711159m
  2.  (a) Tani, K.; Stoltz, B. M. Nature 2006, 441, 7094. doi:10.1038/441699a (b)  Ly, T.; Krout, M.; Pham, D. K.; Tani, K.; Stoltz, B. M.; Julian, R. R.  J. Am. Chem. Soc.  2007, 129, 1864. DOI: 10.1021/ja067703m
  3. Enquist, J. A., Jr; Stoltz, B. M. Nature 2008, 453, 1228. DOI: 10.1038/nature07046
  4.  Streuff, J.; White, D. E.; Virgil, S. C.; Stoltz, B. M. Nature Chem. 2010, 2, 192. DOI: 10.1038/nchem.518
  5. Behenna, D. C.; Liu, Y.; Yurino, T.; Kim, J.; White, D. E.; Virgil, S. C.; Stoltz, B. M. Nature Chem. 2012, 4, 130. DOI: 10.1038/nchem.1222
  6. Toutov, A. A.; Liu, W.-B.; Betz, K. N.; Fedorov, A.; Stoltz, B. M.; Grubbs, R. H. Nature 2015, 518, 80. DOI: 10.1038/nature14126

 

関連書籍

 

外部リンク

The following two tabs change content below.
cosine

cosine

博士(薬学)。Chem-Station副代表。現在国立大学教員として勤務中。専門は有機合成化学、主に触媒開発研究。 関心ある学問領域は三つ。すなわち、世界を創造する化学、世界を拡張させる情報科学、世界を世界たらしめる認知科学。 素晴らしければ何でも良い。どうでも良いことは心底どうでも良い。興味・趣味は様々だが、そのほとんどがメジャー地位を獲得してなさそうなのは仕様。

関連記事

  1. 小坂田 耕太郎 Kohtaro Osakada
  2. イヴァン・フック Ivan Huc
  3. ジョン・フェン John B. Fenn
  4. ケー・シー・ニコラウ K. C. Nicolaou
  5. 沈 建仁 Jian-Ren Shen
  6. ケムステ版・ノーベル化学賞候補者リスト【2017年版】
  7. デイヴィット・ベイカー David Baker
  8. ロナルド・ブレズロウ賞・受賞者一覧

コメント、感想はこちらへ

注目情報

ピックアップ記事

  1. ヨードラクトン化反応 Iodolactonization
  2. メチレン炭素での触媒的不斉C(sp3)-H活性化反応
  3. ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)ニッケル(II)ジクロリド : Bis(tricyclohexylphosphine)nickel(II) Dichloride
  4. 抗菌目薬あす発売 富山化学工業 国内初の小児適用
  5. 米国もアトピー薬で警告 発がんで藤沢製品などに
  6. 自動車排ガス浄化触媒って何?
  7. 夏:今年もスズメバチ防護服の製造ピーク
  8. あなたの天秤、正確ですか?
  9. マーデルング インドール合成 Madelung Indole Synthesis
  10. Merck 新しい不眠症治療薬承認申請へ

関連商品

注目情報

注目情報

最新記事

リチウム金属電池の寿命を短くしている原因を研究者が突き止める

リチウムリオンバッテリー(リチウムイオン二次電池)はPCやスマートフォンなどの電子機器に利用されてい…

研究室でDIY!~エバポ用真空制御装置をつくろう~ ③

さて、前回に引き続いて、「エバポ用真空制御装置の自作」に挑戦しています。前回までの記事では、…

AIによる創薬に新たな可能性 その研究と最新技術に迫る ~米・Insitro社 / 英・ケンブリッジ大学の研究から~

AIの機械学習による創薬が化学業界で注目を集めています。2019年3月に米国サンフランシスコで開催さ…

特長のある豊富な設備:ライトケミカル工業

1. 高粘度撹拌、高温・高圧・高真空に対応可能な反応釜高粘度でも撹拌できる大容量攪拌機と効率用除…

ライトケミカル工業2021年採用情報

当社の技術グループは、20代~30代の若手社員が重要な主要案件を担当しています。広範囲で高レベルな化…

中高生・高専生でも研究が学べる!サイエンスメンタープログラム

研究室に入って本格的な研究を始めるのは、大学4年生からが一般的。でも最近は、中高生が研究に取り組める…

Chem-Station Twitter

PAGE TOP