[スポンサーリンク]

ケムステニュース

ドイツのマックス・プランク研究所をご存じですか

[スポンサーリンク]

「基礎科学の大半は、今すぐには利益をもたらしてくれません。大学も急増する投資費用を負担しにくいです。マックス・プランク財団が国家と地方自治体の財源を、先端研究所と研究施設に繋ぐ役割をしてくれたお陰で、ドイツの科学力量が世界トップを走ることができたのです」

ベルトルト・ナイチェルト国際交流部長の説明だ。1948年設立されたマックス・プランク財団の前身は1911年に創立され、30年あまりでアルバート・アインシュタインをはじめ、15名のノーベル賞受賞者を出した「カイザーヴィルヘルム財団」。カイザーヴィルヘルム研究所時代まで合わせれば、同研究所が出したノーベル賞受賞者は31名だ。アジアの医学、化学、物理学分野の受賞者が18名だから、「31名」という数字はただ驚くばかりだ。(引用:東亜日報)

 

マックス・プランク研究所(Max-Planck-Institute)はドイツ最大の科学研究機関で多くのノーベル賞授賞者を始め、優秀な研究者を輩出している研究所です。

前身はカイザー・ヴェルヘルム研究所で、そこの所長を務め1918年にノーベル物理学賞を受賞したマックス・プランク(Max Karl Ernst Ludwig Planck)が設立しました。

 

現在でも多数の分野において優秀な研究者がいますが(今年のノーベル物理化学賞の1人もマックス・プランク研究所在籍)、ここは化学のブログなので化学者を紹介したいと思います。

マックス・プランク研究所に在籍していたノーベル化学賞授賞者は1967年に 「短時間エネルギーパルスによる高速化学反応の研究」により授賞したマンフレート・アイゲン、1988年に 「光合成反応中心の三次元構造の決定」 授賞したロバート・フーハーハルトムート・ミヒェル、ヨハン・ ダイゼンホーファー がいます。最近では1995年にパウル・クルッツェン「オゾン層が窒素酸化物やフロンガスによって破壊されることの発見」 というよく知られた研究で授賞しています。

 

前身はカイザー・ヴェルヘルム研究所を考えると、1938年 「性ホルモンに関する研究業績」 により授賞した(その時は辞退している)アドルフ・ブーテナント1968年「新しい触媒を用いた重合法開発と基礎的研究」により授賞したカール・ ツィーグラーなどがいました。

 

現在の化学者は残念ながらあまりよくわかりませんが、有機化学の分野では巨大π共役化合物の合成を行っているKlaus Müllen、鉄触媒やアルキンメタセシスでしられるAlois Fürstner有機分子触媒で有名な若手のBenjamin Listがいます。

 

関連書籍

[amazonjs asin=”4588006916″ locale=”JP” title=”マックス・プランクの生涯―ドイツ物理学のディレンマ (叢書・ウニベルシタス)”]

 

外部リンク

Avatar photo

webmaster

投稿者の記事一覧

Chem-Station代表。早稲田大学理工学術院教授。専門は有機化学。主に有機合成化学。分子レベルでモノを自由自在につくる、最小の構造物設計の匠となるため分子設計化学を確立したいと考えている。趣味は旅行(日本は全県制覇、海外はまだ20カ国ほど)、ドライブ、そしてすべての化学情報をインターネットで発信できるポータルサイトを作ること。

関連記事

  1. 特許の関係を「地図」に ベンチャー企業が作成
  2. 信越化学、塩化ビニル樹脂を値上げ
  3. 和光純薬を富士フイルムが買収へ
  4. 99.7%の精度で偽造ウイスキーを見抜ける「人工舌」が開発される…
  5. メスゴキブリのフェロモン合成、駆除に活用・日米チーム
  6. 実用的なリチウム空気電池の サイクル寿命を決定する主要因を特定
  7. 富山化学 「YP-18 」の開発を開始
  8. ファンケルの身近な健康に関する研究開発

注目情報

ピックアップ記事

  1. 実践・化学英語リスニング(3)生化学編: 世界トップの化学者と競うために
  2. 続・企業の研究を通して感じたこと
  3. 4,7-ジブロモ-2,1,3-ベンゾチアジアゾール:4,7-Dibromo-2,1,3-benzothiadiazole
  4. 室内照明で部屋をきれいに 汚れ防ぐ物質「光触媒」を高度化
  5. Jエナジーと三菱化が鹿島製油所内に石化製品生産設備を700億円で新設
  6. 血液検査による新しいがん診断方法の開発!
  7. 北大触媒化研、水素製造コスト2―3割安く
  8. 理系ライターは研究紹介記事をどうやって書いているか
  9. Pure science
  10. ボロン酸を用いた2-イソシアノビフェニルの酸化的環化反応によるフェナントリジン類の合成

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2005年10月
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31  

注目情報

最新記事

7th Compound Challengeが開催されます!【エントリー〆切:2026年03月02日】 集え、”腕に覚えあり”の合成化学者!!

メルク株式会社より全世界の合成化学者と競い合うイベント、7th Compound Challenge…

乙卯研究所【急募】 有機合成化学分野(研究テーマは自由)の研究員募集

乙卯研究所とは乙卯研究所は、1915年の設立以来、広く薬学の研究を行うことを主要事業とし、その研…

大森 建 Ken OHMORI

大森 建(おおもり けん, 1969年 02月 12日–)は、日本の有機合成化学者。東京科学大学(I…

西川俊夫 Toshio NISHIKAWA

西川俊夫(にしかわ としお、1962年6月1日-)は、日本の有機化学者である。名古屋大学大学院生命農…

市川聡 Satoshi ICHIKAWA

市川 聡(Satoshi Ichikawa, 1971年9月28日-)は、日本の有機化学者・創薬化学…

非侵襲で使えるpH計で水溶液中のpHを測ってみた!

今回は、知っているようで知らない、なんとなく分かっているようで実は測定が難しい pH計(pHセンサー…

有馬温泉で鉄イオン水溶液について学んできた【化学者が行く温泉巡りの旅】

有馬温泉の金泉は、塩化物濃度と鉄濃度が日本の温泉の中で最も高い温泉で、黄褐色を呈する温泉です。この記…

HPLCをPATツールに変換!オンラインHPLCシステム:DirectInject-LC

これまでの自動サンプリング技術多くの製薬・化学メーカーはその生産性向上のため、有…

MEDCHEM NEWS 34-4 号「新しいモダリティとして注目を浴びる分解創薬」

日本薬学会 医薬化学部会の部会誌 MEDCHEM NEWS より、新たにオープン…

圧力に依存して還元反応が進行!~シクロファン構造を活用した新機能~

第686回のスポットライトリサーチは、北海道大学大学院理学研究院化学部門 有機化学第一研究室(鈴木孝…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP