[スポンサーリンク]

ケムステニュース

市販の新解熱鎮痛薬「ロキソニン」って?

[スポンサーリンク]

 

1986年以降、医療用医薬品として医師が処方している解熱鎮痛剤「ロキソニン錠」が、「ロキソニンS」として第一三共ヘルスケアから近く発売される。町の薬局やドラッグストアで買える解熱鎮痛剤といえば、「バファリン」や「イブ」などの牙城だが、そこに打って出る。 「ロキソニンS」は他のブランドと違って、他の薬との飲み合わせや、使ってはいけない症状のときなど服用時の相談が必要なため、薬剤師のいる薬局などでしか買えない解熱鎮痛剤としては唯一の「第1類医薬品」にあたるが、これまで病院を受診しなければ手に入らなかった薬が、市販薬として薬局などで買えるようになるわけで、自分の症状にあった薬の選択肢が増えるともいえる(引用:J-CASTニュース)。

風邪を引いてお医者さんにかかったのならば一度はもらったことがある薬ロキソニン。引用記事のとおり、これまでOTC医薬品(市販薬)として1月21日から発売されます。解熱鎮痛薬、ざっくりいうと”風邪薬”ですが、これまで、トップ5社が市場の80%を占めている状態であったそうです。その寡占市場にどれだけこのロキソニンが斬り込むか見ものですが、折角化学のブログなんで、主成分が何が違うのかちょっとだけまとめて紹介したいと思います。

さて、トップ5社、すなわちライオンの「バファリン」、エスエス製薬の「イブ」、シオノギ製薬の「セデス」、アラクスの「ノーシン」、大正製薬の「ナロン」の主要成分紹介!…とその前に化学系、薬学系の読者様はいわゆる大手製薬会社の名前がはいっておらず(一部有り)、意外な社名にびっくりしたことでしょう。大衆医薬というのはそういうものです。解熱鎮痛薬も全部で360億円市場。いわゆるお医者様の薬、生死に関わるお薬に比べれば微々たるものです。

 
 
analgesic.png

さて、1つ1つ見てみますと、まず、「半分がやさしさでできている」はずのバファリン。残り半分(ウソです。)はアセチルサリチル酸という物質です。続いて、イブ。名前の通りイブプロフェンという化合物が主要成分です。それに似たロキソプロフェンという化合物がナトリウム塩になったものが今回のロキソニンです。

残りはノーシン、セデス、ナロン。この3つは基本的には(種類によって若干異なる)同じエテンザザミド+アセトアミノフェン配合となっています。そうみると、成分上は大きなものとしては1.バファリン、2.イブ、3.ノーシン、セデス、ナロン の3種類に分かれるわけですね。そこに切り込んだお医者さん御用達のロキソニン。さてどうなることやら。

 

関連書籍

webmaster

投稿者の記事一覧

Chem-Station代表。早稲田大学理工学術院教授。専門は有機化学。主に有機合成化学。分子レベルでモノを自由自在につくる、最小の構造物設計の匠となるため分子設計化学を確立したいと考えている。趣味は旅行(日本は全県制覇、海外はまだ20カ国ほど)、ドライブ、そしてすべての化学情報をインターネットで発信できるポータルサイトを作ること。

関連記事

  1. 5年で57億円かかるエルゼビアの論文閲覧システムの契約交渉で大学…
  2. 吉岡里帆さんが出演する企業ブランド広告の特設サイト「DIC岡里帆…
  3. 富士通、化合物分子設計統合支援ソフト「キャッシュ」新バージョンを…
  4. 化学産業のサプライチェーンをサポートする新しい動き
  5. 富士フイルムが医薬事業に本格参入
  6. メルク、途上国でエイズ抑制剤を20%値下げ
  7. 京大北川教授と名古屋大学松田教授のグループが”Air Liqui…
  8. 化学コミュニケーション賞2022が発表

コメント、感想はこちらへ

注目情報

ピックアップ記事

  1. トーマス・レクタ Thomas Lectka
  2. 日本電子の米国法人、有機物を非破壊検出できるイオン源を開発
  3. とにかく見やすい!論文チェックアプリの新定番『Researcher』
  4. 分子1つがレバースイッチとして働いた!
  5. 世界のエリートが今一番入りたい大学 ミネルバ
  6. 資金洗浄のススメ~化学的な意味で~
  7. 地方の光る化学商社~長瀬産業殿~
  8. パラジウムが要らない鈴木カップリング反応!?
  9. 化学反応のクックパッド!? MethodsNow
  10. 合成化学者のための固体DNP-NMR

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2011年1月
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31  

注目情報

注目情報

最新記事

【書評】現場で役に立つ!臨床医薬品化学

「現場で役に立つ!臨床医薬品化学」は、2021年3月に化学同人より発行された、医…

環状ペプチドの効率的な化学-酵素ハイブリッド合成法の開発

第494回のスポットライトリサーチは、北海道大学大学院生命科学院 天然物化学研究室(脇本研究室) 博…

薬学会一般シンポジウム『異分野融合で切り込む!膜タンパク質の世界』

3月に入って2022年度も終わりが近づき、いよいよ学会年会シーズンになってきました。コロナ禍も終わり…

【ナード研究所】新卒採用情報(2024年卒)

NARDでの業務は、「研究すること」。入社から、30代・40代・50代…と、…

株式会社ナード研究所ってどんな会社?

株式会社ナード研究所(NARD)は、化学物質の受託合成、受託製造、受託研究を通じ…

マテリアルズ・インフォマティクスを実践するためのベイズ最適化入門 -デモンストレーションで解説-

開催日:2023/04/05 申し込みはこちら■開催概要近年、少子高齢化、働き手の不足の…

ペプチド修飾グラフェン電界効果トランジスタを用いた匂い分子の高感度センシング

第493回のスポットライトリサーチは、東京工業大学 物質理工学院 材料系 早水研究室の本間 千柊(ほ…

日本薬学会  第143年会 付設展示会ケムステキャンペーン Part 2

第一弾に引き続き第二弾。薬学会付設展示会における協賛企業とのケムステコラボキャンペーンです。…

有機合成化学協会誌2023年3月号:Cynaropicri・DPAGT1阻害薬・トリフルオロメチル基・イソキサゾール・触媒的イソシアノ化反応

有機合成化学協会が発行する有機合成化学協会誌、2023年3月号がオンライン公開されました。早…

日本薬学会  第143年会 付設展示会ケムステキャンペーン Part 1

さて、日本化学会春季年会の付設展示会ケムステキャンペーンを3回にわたり紹介しましたが、ほぼ同時期に行…

Chem-Station Twitter

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP