[スポンサーリンク]

化学者のつぶやき

varietyの使い方

名詞「variety」は日本人の学者によって、論文執筆の際にたびたび誤用される語です。この名詞には3種類の用法があります。ここではそれらの用法の特徴を説明します。

I. 第1用法

意味:いろいろ、異なるいくつか、異なる種類。
役割:複数の異なるものを集合として指すこと。

  1. We used a variety of methods to derive these results.
  2. variety of interesting results follow immediately from this theorem.

ここで最も注目すべき点は、「variety」が複数のものを指すことによって複数形名詞として扱われるということです。よって2のように、「variety」が主語である場合はその動詞も複数形となります。

II. 第2用法

意味:多様性。
役割:ひとつ、または複数のものが示す様子を指すこと。

  1. The most important point to note here is the great variety of adaptive behavior exhibited within the Microhexura genus.
  2. In this particular case, variety is not necessarily desirable.

この第2用法で「variety」は複数の異なるもの自体ではなく、むしろ複数のものが全体として示す「変化」を意味します。その変化(つまり、多様性)はひとつのものなので、この用法において「variety」は単数形名詞です。また例文2が示すように、第2用法では「variety」が不可算名詞と見なされる場合が多くあります。

III. 第3用法

意味:種類。
役割:複数のタイプの中のひとつを指すこと。

  1. This variety of chaotic behavior is often seen in strongly perturbed gravitational orbits.
  2. We investigate a variety of mineral deposit usually found only in the presence of large amounts of water.

この用法では「variety」は、単数形かつ可算名詞となります。

出典元:エナゴ学術英語アカデミー

化学論文での「variety」の利用例

  1. This reaction can be conducted with a variety of dihydronaphthalene derivatives and has been applied to very efficient syntheses of a range of natural products including elisapterosin B, colombiasin A, elisabethadione, the p-benzoquinone and erogorgiaene. DOI: 10.1038/nature06485
  2. It detects interactions at very low energies and is thus non-invasive and applicable to a variety of targets, including animals and humans. DOI: 10.1038/nchem.2723
  3. The reaction accepts both electron-rich and electron-deficient silicon reagents, accommodating a variety of functional groups including ethers, aryl halides, alkyl halides, esters, and amides DOI: 10.1126/science.aah6219
  4. Practically, the requirement for bidentate coordination from substrates precludes the use of a variety of simple monodentate directing groups and native functional groups to direct C–H activation, an important goal of the field. DOI: 10.1126/science.aaf4434
  5. Since their seminal work in the late 1990s, this area of chemistry has become extremely active, leading to a wide variety of solutions with broad utility in materials science and the pharmaceutical industry. DOI; 10.1021/acs.joc.5b02818
  6. Heteroarylsilane derivatives are known to undergo a variety of powerful synthetic transformations; a number of representative examples are demonstrated here. DOI:  10.1038/nature14126

 

%e8%8b%b1%e6%96%87%e6%a0%a1%e6%ad%a3%e3%82%a8%e3%83%8a%e3%82%b4

The following two tabs change content below.
webmaster
Chem-Station代表。早稲田大学理工学術院准教授。専門は有機化学。主に有機合成化学。分子レベルでモノを自由自在につくる、最小の構造物設計の匠となるため分子設計化学を確立したいと考えている。趣味は旅行(日本は全県制覇、海外はまだ20カ国ほど)、ドライブ、そしてすべての化学情報をインターネットで発信できるポータルサイトを作ること。

関連記事

  1. シンガポールへ行ってきた:NTUとNUS化学科訪問
  2. 生化学実験:プラスチック器具のコンタミにご用心
  3. ぼくらを苦しめる「MUST (NOT)」の呪縛
  4. Keith Fagnou Organic Chemistry S…
  5. ケムステイブニングミキサー2017へ参加しよう!
  6. 2010年人気記事ランキング
  7. 企業の研究を通して感じたこと
  8. 第2回慶應有機合成化学若手シンポジウム

コメント、感想はこちらへ

注目情報

ピックアップ記事

  1. 有機反応を俯瞰する ー[1,2] 転位
  2. 【PR】Chem-Stationで記事を書いてみませんか?【スタッフ募集】
  3. フラクタルな物質、見つかる
  4. エステルを使った新しいカップリング反応
  5. ポール・アリヴィサトス Paul Alivisatos
  6. 研究室でDIY! ~明るい棚を作ろう~
  7. 疑惑の論文200本発見 米大が盗作探知プログラム開発
  8. バックワルド・ハートウィグ クロスカップリング Buchwald-Hartwig Cross Coupling
  9. 科学は夢!ロレアル-ユネスコ女性科学者日本奨励賞2015
  10. 実践・化学英語リスニング(3)生化学編: 世界トップの化学者と競うために

関連商品

注目情報

注目情報

最新記事

独自の有機不斉触媒反応を用いた (—)-himalensine Aの全合成

近年単離されたアルカロイド(—)-himalensine Aの全合成に初めて成功した。独自開発した二…

究極の脱水溶媒 Super2(スーパー スクエア):関東化学

この度、関東化学株式会社は水分1ppm以下を保証する脱水溶媒を発売開始致します。この水分保証…

徒然なるままにセンター試験を解いてみた(2018年版)

今年もセンター試験が終わりました。大雪の問題など気象的に厳しかったかも知れませんが、受験生の皆さ…

「関東化学」ってどんな会社?

1944年(昭和19年)の設立以来、研究分野で使われる多種多様の薬品を市場に供給することで社会に貢献…

光触媒ラジカル付加を鍵とするスポンギアンジテルペン型天然物の全合成

2017年、カリフォルニア大学アーヴァイン校・Larry E. Overmanらは、可視光レドックス…

池袋PARCOで「におい展」開催

「カメムシ」「腐豆腐」「シュールストレミング」――普段は嗅ぐ機会はないが、嗅いでみたい臭いを体験でき…

Chem-Station Twitter

PAGE TOP