[スポンサーリンク]

海外化学者インタビュー

第62回―「再生医療・ドラッグデリバリーを発展させる高分子化学」Molly Shoichet教授

[スポンサーリンク]

第62回の海外化学者インタビューは、モリー・ショイチェット教授です。トロント大学の化学工学・応用化学科に在籍し、外傷後の中枢神経系の再生と癌の標的デリバリーを促進する組織工学戦略に取り組んでいます。それではインタビューをどうぞ。

Q. あなたが化学者になった理由は?

高校で化学を楽しみ、その後もMITで化学を楽しんでいましたが、高度な有機化学の研究室でポリマーを作るのに夢中になりました。その後、マサチューセッツ大学アマースト校でポリマー化学とエンジニアリングの博士号を取得しました。

Q. もし化学者でなかったら、何になりたいですか?またその理由は?

MITを卒業後、大学院と医学部の両方に合格しました。もし化学者でなかったら、医者になっていたでしょう(どんなタイプなのかはよく分からないですが)。

Q. 概して化学者はどのように世界に貢献する事ができますか?

私たちは知識を発展させることができます。こうした知識の進歩を利用して、政策に影響を与え、将来に向けてより良い製品を作ることができます。私が特に興味を持っているのは、組織再生や薬剤/治療薬のデリバリーに使用するポリマーを設計できる組織工学/再生医療です。

Q.あなたがもし歴史上の人物と夕食を共にすることができたら誰と?またその理由は?

ラルフ・ワルド・エマーソンエイブラハム・リンカーンです。偉大な思想家であり、偉大な指導者でもあり、私たちの家族から崇められています(私の息子の名前は彼らにちなんでいます)。これは興味深い経験になるでしょう。

Q. あなたが最後に研究室で実験を行ったのはいつですか?また、その内容は?

長期休暇中に、Freda Miller博士とDavid Kaplan博士の研究室で一次ニューロンの入手方法を学びました。2003年のことです。この最初の「サバティカル」は博士号プロジェクトの基礎となり、Laura Yu氏が(4年後に)それを完成させました。最近(2008年4月)では、息子の小学一年生クラス向けに、卵の殻を酢に溶かすデモを行いました。

Q.もしあなたが砂漠の島に取り残されたら、どんな本や音楽が必要ですか?1つだけ答えてください。

「無人島からの脱出方法」の本と、太陽発電できるiPodを持っていきます。

 

原文:Reactions – Molly Shoichet

※このインタビューは2008年5月2日に公開されました。

関連動画

Avatar photo

cosine

投稿者の記事一覧

博士(薬学)。Chem-Station副代表。国立大学教員→国研研究員にクラスチェンジ。専門は有機合成化学、触媒化学、医薬化学、ペプチド/タンパク質化学。
関心ある学問領域は三つ。すなわち、世界を創造する化学、世界を拡張させる情報科学、世界を世界たらしめる認知科学。
素晴らしければ何でも良い。どうでも良いことは心底どうでも良い。興味・趣味は様々だが、そのほとんどがメジャー地位を獲得してなさそうなのは仕様。

関連記事

  1. 第104回―「生体分子を用いる有機エレクトロニクス」David …
  2. 第六回 多孔質材料とナノサイエンス Mike Zaworotko…
  3. 第37回「トリプレットでないと達成できない機能を目指して」楊井 …
  4. 第131回―「Nature出版社のテクニカルエディターとして」L…
  5. 第33回 新たな手法をもとに複雑化合物の合成に切り込む―Stev…
  6. 第八回 ユニークな触媒で鏡像体をつくり分けるー林民生教授
  7. 第53回―「革命的な有機触媒を開発する」Ben List教授
  8. 第102回―「有機薄膜エレクトロニクスと太陽電池の研究」Lynn…

注目情報

ピックアップ記事

  1. 日本国際賞受賞者 デビッド・アリス博士とのグループミーティング
  2. エマルジョンラジカル重合によるトポロジカル共重合体の実用的合成
  3. アンモニアの安全性あれこれ
  4. ResearchGateに対するACSとElsevierによる訴訟で和解が成立
  5. デーリング・ラフラム アレン合成 Doering-LaFlamme Allene Synthesis
  6. クネーフェナーゲル ピリジン合成 Knoevenagel Pyridine Synthesis
  7. 杏林製薬、ノバルティス社と免疫抑制剤「KRP-203」に関するライセンス契約を締結
  8. 調光機能付きコンタクトレンズが登場!光に合わせてレンズの色が変化し、目に入る光の量を自動で調節
  9. 投票!2018年ノーベル化学賞は誰の手に!?
  10. Gilbert Stork最後の?論文

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2020年2月
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
242526272829  

注目情報

最新記事

HPLCをPATツールに変換!オンラインHPLCシステム:DirectInject-LC

これまでの自動サンプリング技術多くの製薬・化学メーカーはその生産性向上のため、有…

MEDCHEM NEWS 34-4 号「新しいモダリティとして注目を浴びる分解創薬」

日本薬学会 医薬化学部会の部会誌 MEDCHEM NEWS より、新たにオープン…

圧力に依存して還元反応が進行!~シクロファン構造を活用した新機能~

第686回のスポットライトリサーチは、北海道大学大学院理学研究院化学部門 有機化学第一研究室(鈴木孝…

第58回Vシンポ「天然物フィロソフィ2」を開催します!

第58回ケムステVシンポジウムの開催告知をさせて頂きます!今回のVシンポは、コロナ蔓延の年202…

第76回「目指すは生涯現役!ロマンを追い求めて」櫛田 創 助教

第76回目の研究者インタビューは、第56回ケムステVシンポ「デバイスとともに進化する未来の化学」の講…

第75回「デジタル技術は化学研究を革新できるのか?」熊田佳菜子 主任研究員

第75回目の研究者インタビューは、第56回ケムステVシンポ「デバイスとともに進化する未来の化学」の講…

第74回「理想的な医薬品原薬の製造法を目指して」細谷 昌弘 サブグループ長

第74回目の研究者インタビューは、第56回ケムステVシンポ「デバイスとともに進化する未来の化学」の講…

第57回ケムステVシンポ「祝ノーベル化学賞!金属有機構造体–MOF」を開催します!

第57回ケムステVシンポは、北川 進 先生らの2025年ノーベル化学賞受賞を記念して…

櫛田 創 Soh Kushida

櫛田 創(くしだそう)は日本の化学者である。筑波大学 数理物質系 物質工学域・助教。専門は物理化学、…

細谷 昌弘 Masahiro HOSOYA

細谷 昌弘(ほそや まさひろ, 19xx年xx月xx日-)は、日本の創薬科学者である。塩野義製薬株式…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP