[スポンサーリンク]

身のまわりの分子

ITO 酸化インジウム・スズ

[スポンサーリンク]

無機化合物である酸化インジウムスズ。電子材料の中ではとても有名。

応用例

酸化インジウムスズ (Tin-doped Indium OxideまたはIndium Tin Oxide、ITO)は、酸化インジウム(In2O3) に酸化スズ(SnO2)が少量含まれている複合酸化物で、現在の電子機器には欠かせない存在です。具体的には、透明電極としてTVやスマホ、タブレットの画面部分、さらには有機ELや太陽電池にも組み込まれています。透明電極は、その名の通り透明な電極で、なぜITOが広く使われているかというと、薄膜にしたときに高い透明性と電気伝導性があるからです。

 

製法

スズとインジウムの粉末を酸性溶液に溶かしアルカリで中和しながら酸化物の固体を得ます。その後、精製されITO粉末が得られます。ITO薄膜化はスパッタリングによって行われることが多く、ITO粉末をスパッタリングターゲットと呼ばれる固体にした後、スパッタリング装置で他の部品の上に積層化され、スマホなどに組み込まれます。

プレゼンテーション2

ITO粉末の調製方法(左)とITOターゲットの製造工程(右)

ITOの今後

ITOを構成するインジウムはレアメタルなので市場の影響を受けます。また、ITO薄膜は曲げに弱いため、フレキシブル端末には使いにくいという欠点がありITOに代わる透明電極の開発は最近よく行われている研究の一つです。

 

関連書籍

[amazonjs asin=”4274215229″ locale=”JP” title=”透明導電膜の技術(改訂3版)”][amazonjs asin=”4274203441″ locale=”JP” title=”透明導電膜の技術”]

 

関連リンク

Avatar photo

Zeolinite

投稿者の記事一覧

ただの会社員です。某企業で化学製品の商品開発に携わっています。社内でのデータサイエンスの普及とDX促進が個人的な野望です。

関連記事

  1. グリチルリチン酸 (glycyrrhizic acid)
  2. トリメチルアルミニウム trimethylalminum
  3. コランニュレン corannulene
  4. メラトニン melatonin
  5. 亜鉛クロロフィル zinc chlorophyll
  6. フラノクマリン -グレープフルーツジュースと薬の飲み合わせ-
  7. 緑色蛍光タンパク Green Fluorescent Prote…
  8. アルゴン (argon; Ar)

注目情報

ピックアップ記事

  1. 仙台の高校生だって負けてません!
  2. 有機合成化学協会誌2021年3月号:水素抽出型化学変換・環骨格一挙構築・新規アルコキシメチル基・π拡張非交互炭化水素・フローマイクロリアクター
  3. CASがSciFinder-nの新しい予測逆合成機能を発表
  4. ボリルメタン~メタンの触媒的ホウ素化反応
  5. キラルシリカを“微小らせん石英セル”として利用した円偏光発光制御技術の開発
  6. ヘリウム Helium -空気より軽い! 超伝導磁石の冷却材
  7. 第21回次世代を担う有機化学シンポジウム
  8. 2つの結合回転を熱と光によって操る、ベンズアミド構造の新たな性質を発見
  9. 化学者のためのエレクトロニクス入門⑥ ~エレクトロニクス産業の今後編~
  10. エルマンイミン Ellman’s Imine

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2014年12月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031  

注目情報

最新記事

HPLCをPATツールに変換!オンラインHPLCシステム:DirectInject-LC

これまでの自動サンプリング技術多くの製薬・化学メーカーはその生産性向上のため、有…

MEDCHEM NEWS 34-4 号「新しいモダリティとして注目を浴びる分解創薬」

日本薬学会 医薬化学部会の部会誌 MEDCHEM NEWS より、新たにオープン…

圧力に依存して還元反応が進行!~シクロファン構造を活用した新機能~

第686回のスポットライトリサーチは、北海道大学大学院理学研究院化学部門 有機化学第一研究室(鈴木孝…

第58回Vシンポ「天然物フィロソフィ2」を開催します!

第58回ケムステVシンポジウムの開催告知をさせて頂きます!今回のVシンポは、コロナ蔓延の年202…

第76回「目指すは生涯現役!ロマンを追い求めて」櫛田 創 助教

第76回目の研究者インタビューは、第56回ケムステVシンポ「デバイスとともに進化する未来の化学」の講…

第75回「デジタル技術は化学研究を革新できるのか?」熊田佳菜子 主任研究員

第75回目の研究者インタビューは、第56回ケムステVシンポ「デバイスとともに進化する未来の化学」の講…

第74回「理想的な医薬品原薬の製造法を目指して」細谷 昌弘 サブグループ長

第74回目の研究者インタビューは、第56回ケムステVシンポ「デバイスとともに進化する未来の化学」の講…

第57回ケムステVシンポ「祝ノーベル化学賞!金属有機構造体–MOF」を開催します!

第57回ケムステVシンポは、北川 進 先生らの2025年ノーベル化学賞受賞を記念して…

櫛田 創 Soh Kushida

櫛田 創(くしだそう)は日本の化学者である。筑波大学 数理物質系 物質工学域・助教。専門は物理化学、…

細谷 昌弘 Masahiro HOSOYA

細谷 昌弘(ほそや まさひろ, 19xx年xx月xx日-)は、日本の創薬科学者である。塩野義製薬株式…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP