[スポンサーリンク]

身のまわりの分子

シラン Silane

[スポンサーリンク]

最も単純なシリコン化合物の一つで特異な臭気を有する無色の気体である。ジシランなどと区別するためにモノシランとも呼ぶ。シリコン基板などを作る際に必要な材料で半導体や太陽電池の製造に欠かせない分子である。

基本物性

沸 点 が -111.5℃の無色の気体。注目すべき性質は非常に高い事故発火性で、濃度が1%以上になると空気中で発火する可能性を持っている。さらには、条件によっては爆発する可能性がある。

 

シラン関連の事故

上記のような性質によりたくさんの漏洩火災事故が昭和の終わりから平成にかけて半導体製造工場で起きている。中でも大阪大学での爆発事故では、学生が二人死亡する悲劇が起きた。この事故を受けて高圧ガス取扱法が改正され、シランは特定高圧ガスに分類され数量に関わらず届け出が必要となった。

 

使用用途

シランガスはシリコンをCVDで製膜するのに重要なガスであり、半導体や太陽電池の製造に欠かせません。ただし、安全性に細心の注意を払わなければならず、代替材料も研究されていますが、シランを全く使わなくなる日は当分来そうにありません。

有機合成ではオレフィン、ケトン、イミンといった不飽和結合に対し、遷移金属触媒あるいはルイス酸存在下、ヒドロシランが付加反応を起こす(ヒドロシリル化反応)。有機合成用のモノシランの実験室での使用としてヒドロシラン類の調製法が最近報告されている関連記事:不安定化合物ヒドロシランをうまくつくる方法

 

関連リンク

  • シラン: wikipedia
  • シランのMSDS:取扱注意について詳細が記載されてある
  • Youtube:シランガスを燃焼する実験(非常に安全性を考慮して実験しています。余っているガスがあるからといって実験してはいけません。)

 

関連書籍

[amazonjs asin=”4904905105″ locale=”JP” title=”工業ガス製造法のすべて「ガスジェネレーション」”][amazonjs asin=”904817791X” locale=”JP” title=”Hydrosilylation (Advances in Silicon Science)”]
Avatar photo

Zeolinite

投稿者の記事一覧

ただの会社員です。某企業で化学製品の商品開発に携わっています。社内でのデータサイエンスの普及とDX促進が個人的な野望です。

関連記事

  1. ミノキシジル /Minoxidil
  2. リコペン / Lycopene
  3. トリクロロアニソール (2,4,6-trichloroaniso…
  4. 塩化ラジウム223
  5. マツタケオール mushroom alcohol
  6. 水分子のふしぎ — 四面体性が生む水の特異性 —
  7. アザジラクチン あざじらくちん azadirachtin
  8. カルボプラチン /carboplatin

注目情報

ピックアップ記事

  1. カルボニル基の保護 Protection of Carbonyl Group
  2. 印民間で初の17億ドル突破、リライアンスの前3月期純益
  3. BASF150年の歩みー特製ヒストリーブックプレゼント!
  4. 化合物と結合したタンパク質の熱安定性変化をプロテオームワイドに解析
  5. MacでChem3Dー新たなる希望ー
  6. 英語で授業/発表するときのいろは【アメリカで Ph.D. をとる: TA 奮闘記 その 1】
  7. 酸素を過酸化水素へ!可視光で駆動する有機高分子光カソード
  8. 官能基化オレフィンのクロスカップリング
  9. 可視光を吸収する配位子を作って、配位先のパラジウムを活性化する
  10. はじめての研究生活マニュアル

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2015年11月
 1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
30  

注目情報

最新記事

条件の「前後」も実験条件である【プロセス化学者のつぶやき】

前回まで1. 設定温度と系内の実温度のお話2. 温度値をどう判断するか3. 反応操作をし…

そのpH、“本当にその場所”の値ですか?ニードル式pHセンサーを使ってみた!

突然ですが、「培養の再現性がなんか悪い」「同じ条件のはずなのに結果がズレる」といった経験はあ…

「骨格編集」×「ナノカーボン合成」〜ナノカーボン合成の新戦略を実証〜

第719回のスポットライトリサーチは、名古屋大学大学院工学研究科(忍久保研究室)博士後期課程2年の平…

【書評】立体化学 はじめの一歩

立体化学は,分子の三次元構造を理解するための重要な分野であり,有機化学や…

水のシミュレーション入門 — 水分子を計算機の中でどう”描く”か —

身近なのに、計算機にとって手強い"水"。本記事では、点電荷モデルから機械学習まで、その"描き方"の進…

◆◇◆◇ 第36回フォーラム・イン・ドージン開催のご案内 ◆◇◆◇

同仁化学研究所が熊本から世界へ情報発信するフォーラム・イン・ドージンの開催ご案内です。今年は『な…

『力』による円偏光発光のon/off制御を単一分子レベルで実現

第718回のスポットライトリサーチは、東京科学大学 物質理工学院(相良研究室)博士後期課程2年の野中…

数日かかっていた反応機構解析を、わずか数分に!

機械学習ポテンシャルが変える計算化学の現在近年、DFT計算による反応機構解析は広く行われるよ…

海外ポスドクのオファーをもらう【アメリカで Ph.D. を取る: 進路編】

ポスドクとして海外に留学する場合、希望する研究室の教授に直接連絡を取り、面接などを通して適性を判断さ…

MDで観るトライボロジー 〜原子が擦れるその場をシミュレーション〜

軽くて強いのに摩耗に弱いチタン合金は、航空機や人工関節に広く使われています。原子が擦れ合うその場を分…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP