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危険物取扱者

甲種危険物取扱者・合格体験記~cosine編

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ケムステ副代表のcosineです。平成14年3月18日に甲種危険物取扱者を受験してきました。どんな感じで勉強等が進行したのか、体験記を書いてみたいと思います。

始まりは突然に

去る1月末、大学の試験勉強で頭をフル回転させていたとき、ふと思い立った。「危険物取扱者を受けよう!」と。まったくきっかけもなく、まさにインスピレーションで決定。試験期間中は誰しも正常な思考ができにくくなるものだ・・・

さておき、危険物はとってみたかった資格の一つだし、試験日もちょうど休暇中で申し込み期限までも余裕があった、などの理由から受験は決定した。

乙4はパッと見簡単で、すぐ終わりそうでつまらなく思えたので、いきなり甲種を受けることにした。

早速申し込み

大学の友人であるSを(半ば無理矢理)誘い、消防署へ甲類の申込書をもらいに行った。その後写真と成績証明書を添付し出願用紙を郵送。つつがなく終了。つきあいと称し、友人Sも半強制的に受けさせることにした。願書は3月のあたまには届いた。

参考書はいずこ

出願したらとっとと参考書を買いに行った。ケムステで紹介されていた問題オンリーのやつにしよう、と決めて探したが、なぜかどこにも売って無い。池袋ジュンク堂にも神田三省堂にも無い。生協にも無いし近場の本屋にも当然のごとく無い。仕方ないのでパッと見で決める。パッと見は自分の中では非常に重要だ。結局、詳しそうでありつつ重要ポイントがまとまっており、問題数も割と多めの気がした 『これだけ!甲種危険物試験合格大作戦!!―完全合格対策』(弘文社)を買う。

スケジュールは大丈夫か

試験前日までの平日がバイトで完全に埋まっているにもかかわらず、400ページぐらい何とかなるでしょー、とあくまで楽観的な自分。結局試験一週間前ぐらいから勉強を始めることに決め、それまでまったく手をつけないことにした。こうして比較的余裕がある(?)スケジュールは組まれた。そして一週間前はやってきた。

ようやく勉強開始

ここからは半分日記です。

3/10(日)

勉強開始。日曜のバイトが休みになったので、がんばって進めておこうと思った。が、結局はじめたのは午後6時ぐらいから。これじゃあバイトがあっても一緒だ。とりあえず法令から手をつける。400ページのうち120ページが法令であることを知り、その量に萎える。やって初めて分かったが、予想以上に細かい。こんなに数値いっぱい覚えられるのか??とか思いつつノートにまとめる。順調に見えたが、その後友人とチャットに突入しあえなく終了。予定とは崩れるためにあるものだ、と自分を慰める。こういうのは毎度のことで、成長がない。

3/11(月)

バイトから帰宅後勉強開始。事業所の基準設定の細かさにうんざりする。覚える気がしない…。逃避。

3/12(火)

バイトおよびサークルの飲み会で勉強できず。

3/13(水)

自転車が違法駐輪ということで撤去され取りに行く。3000円は手痛い出費。そのせいで(?)勉強はほとんどはかどらず。

3/14(木)

あまりに細かいところをついた問題があるので、どこもかしこも出そうな気がしてくる。本格的な暗記は試験前日にして、「重要」とかかれた部分周辺をまとめる。しかし参考書には90%以上に「重要」がついている。それだけ覚えることが多いんだろ・・・なんのこっちゃわからん。がんばって勉強し、ようやく法令が一通り終わる。ケムステの危険物コンテンツも相当量参考にさせてもらった。多謝。

3/15(金)

基礎物理化学の分野は、グレアムの法則など知らないことがちらほらあったがとりあえず後回しにし、発火の基礎・消火方法概論の学習を終える。結構余裕かもと思い始める。あとのヤマは危険物の性質各論だが明日あさってと休みなので、明日やろうと思い床に就く。

3/16(土)

まる一日をパソコンでの趣味作業に費やしてしまった!!!勉強なぞ全くしなかった。ということで一気に余裕が無くなる。全くもってなんとも言えない状況に追い込まれる。

3/17(日)

さすがにやばいので昼12時からファミレスで勉強。7時間後には各論が一通り終了。問題量が少ないように感じたのでファミレスを出て本屋へ行き、『甲種危険物取扱者試験問題』(有紀書房)を購入。お手頃価格。当日の試験前にやることにした。家に帰って時計を見る。なーんだ、徹夜すればまだ12時間もあるじゃないかぁ。この発想自体が既に終わっている考えのような気がするが、それはさておき、休憩後に家で物理化学の勉強を始める。知っていることはひたすら飛ばす。ざっと見て終了。

試験当日・実況中継

3/18(月)

当日なのでちょっと詳しく書いてみよう。

0:00:前日からの勉強の続き。とりあえず一通りノートにまとめて理解し終わったので、巻末の模擬問題を解いてみた。さてさて結果は如何に…

法令 物理・化学 性質
11/15(73%) 9/10(90%) 15/20(75%) 35/45(78%)

意外とできていた。しかしながら法令はかなりあやふやだった。当て勘が半分ぐらい。これでは心許ないのでちゃんと暗記を開始しようと心に誓う。

1:30:ある程度できたので安心し、徹夜はやめてちゃんと寝ることにした。

7:30:起きて支度し、家を出る。受験票だけは忘れないように、チェックチェック。

9:00:代々木上原に到着。眠い。試験は午後からなので、マックにこもって勉強。法令暗記を重点的にやり、その後新しく買った問題集を解いてみる。

法令 物理・化学 性質
15/15(100%) 7/10(70%) 16/20(80%) 38/45(84%)

法令は何となくでも結構当たるものだと言うことを知る。

11:15:午前試験であった友人Sが試験を終え冷やかしに来た。問題は結構難しめだとか。その後彼が合格していることを聞き、自分だけ落ちる訳にはいかなくなる。

12:10:試験会場で性質各論を暗記する。合格の可能性アップのためには手は抜けない。周りを見ると自分と同じ参考書を使っている人がかなりいた。

13:30:試験開始。法令→物理化学→性質の順(問題用紙そのままの順)に手をつける。時間は有り余っているのでゆっくり目に解く。出題された分野を覚えている限りで羅列しておく(記憶があやふやなので間違っているかもしれません)。

<法令>

指定数量、施設の区分、10日前に届出の必要なとき、定期検査、免状、保安員、予防規定、屋外タンクで保存可能な危険物、固定給油設備、警報設備、運搬の基準、措置命令etc。結構マニアックな分野もちらほら。

<物理・化学>

化学反応量論、炎色反応、静電気、イオンetc。簡単だったので印象が薄い。

<性質・消火>

自然発火、保護液中に保存する物質、類別消火方法、混合で爆発する組合わせ、ほか各性質(硝酸ナトリウム、黄リン、赤リン、硫酸ヒドラジン、過酸化水素、硝酸etc…覚えきれない)。参考書に書いてなかった記述があって少々困ったが、ほとんどは高校の知識で何とかなりそうだったような。

14:10:マークミスがないかを確認して退出。ベストを尽くしたのでまあ大丈夫だろう、と思い発表まで時間をつぶす。

16:30:合格者発表の時間。試験を受けた教室の電光掲示板に合格者のランプがつく、という形式で発表されるらしい。なかなか凝っている。いよいよ発表。結果は…見事合格!! 合格率は41.5%だった。

17:00:免状交付申請作業。届くのは約10日後の3/29らしい。郵送料も含めて\3090支払う。

合格に向けて

個人的見解がほとんどですが、試験に役立つかもしれない情報を少々。

暗記は大変だ

基本的に暗記中心の勉強にならざるを得ないので、覚えることを少なくする工夫をしてみましょう。

高校化学の基礎が理解できている人は覚えることを相当少なくできるはずです。特に危険物各論と基礎物理化学の分野はそれが顕著だと思います。

  例)「硝酸は第6類(酸化性液体)に属する」→高校の知識でOK。
例)「亜鉛はアルカリに溶ける」→同上。

また、読めば分かる常識的な問いもあるので、そういうのは覚え直さず、どんどん飛ばしましょう。覚えることが少ないに超したことはありません。試験で出たらうっかり見落としたり引っかかったりしないように注意すべきでしょう。

  例)「禁水性物質は注水消火厳禁である」→至極当然。知らなくても分かりそうなもの。
例)「カリウムはイオン化エネルギーが大なので、電子を放出して陰イオンになりやすい」
→実際にこういう問いが本試験で出ました。答えは×。陽イオンとお間違え無く。

危険物各論では、各類共通の性質をまず理解し、例外的な物を覚える方法をとるのが効果的だと思います。 覚えるときもただ覚えるのではなく、なぜそうなっているのか、理屈を考えながら覚えた方が頭に入ります。それに応用も利くはずです。

  例)「第6類は密封保存が原則だが、過酸化水素水だけは密封して保存してはいけない」
例)「ニトロベンゼンは第5類のニトロ化合物にふくまれない」etc

法令は、細かい数値・事項まで覚える必要があります。これがもっとも暗記が大変でしょう。出題されやすい箇所(指定数量など)・傾向があるようなので、参考書などを良く読んでポイントを押さえて勉強することが重要だと思います。正確な知識を習得していけば難しい問題でも2~3択に絞れるはずです。

試験のウラワザ

「すべての」とか「全くない」というニュアンスの含まれる選択肢は要注意です。誤った内容を述べている可能性の高い選択肢です。

また、ある程度詳しい参考書にすら載ってない、マニアックな内容の選択肢がたまにありますが、これはほとんど答えとなることはないと思って良いです。基本的な事柄とある程度細かい内容を正確に覚えて組み合わせれば、必ず答えが出るように作られているみたいです。あくまで私的意見ですが。

典型的な例が、危険物が水、二硫化炭素、有機溶媒etcに溶けるか否かを問う選択肢です。これらはマニアックな選択肢とともに出されることが多く、またそれ自体混乱しやすい内容のため格好の問われどころといえます。また、上で述べたような例外的な内容もかなり問われるようです。

さいごに

甲種危険物取扱者は割と難しいです。参考書よりかなり難しめの問題が出たので、確実に合っているかどうか分かり かねることが多々ありました。特に法令。勉強はしっかりしておく必要があると感じました。参考までに、私の勉強時間は実質約30時間弱(友人Sもそれくらいらしい)でしたが、一週間でやっつける方式はお勧めできません。

参考書はある程度内容がまとまっているものなら何でもいいと思います。自分にあった参考書を使って自分なりの勉強法でやるのが、結局はベストだと思います。

何はともあれ受かってうれしいです。身近な薬品について非常に勉強になり、受けて良かったと思いました。

長々と駄文ににおつきあい下さりどうもありがとうございました。これから危険物取扱者を受ける方は是非がんばって下さい!

※以前HTML版で公開していたものを移行したものです。

cosine

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博士(薬学)。Chem-Station副代表。国立大学教員→国研研究員にクラスチェンジ。専門は有機合成化学、触媒化学、医薬化学、ペプチド/タンパク質化学。
関心ある学問領域は三つ。すなわち、世界を創造する化学、世界を拡張させる情報科学、世界を世界たらしめる認知科学。
素晴らしければ何でも良い。どうでも良いことは心底どうでも良い。興味・趣味は様々だが、そのほとんどがメジャー地位を獲得してなさそうなのは仕様。

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