[スポンサーリンク]

危険物取扱者

危険物データベース:第3類(自然発火性物質および禁水性物質)

[スポンサーリンク]

【目次】

  • 共通する特徴
  • 物質別:アルカリ金属・アルカリ土類金属
  • 物質別:アルカリ金属・アルカリ土類金属(K, Na除く)
  • 物質別:有機金属化合物
  • 物質別:金属水素化物・りん化物
  • 物質別:炭化物

共通する特徴

■特性
  • 吸湿性のものが多い
  • 無機質の固体である
  • 水と作用して発熱(黄リンを除く)し、あるいは可燃性ガスを発生して発火する。
  • カリウム、ナトリウム以外は、それ自身不燃性だが、単体のものは難燃性である。
■貯蔵・取扱の注意
  • 燃焼の際、可燃性ガスを発生するものは、火気に注意する。
  • カリウム、ナトリウムは危険性が大きいので、小分け貯蔵が適当である。
  • 換気をよくし、冷所に貯蔵する。
  • 容器の破損、腐食を防止し、容器は密閉する
  • 水との接触は絶対に避ける。(保護液、不活性ガスを用いて貯蔵するものもあり、これらの保護液、不活性ガスの漏出を防止する。)
■消火方法
  • 乾燥砂を用いた窒息消火がよく、金属については金属火災用粉末消化剤(塩化ナトリウム)を用いる。

アルカリ金属・アルカリ土類金属

指定数量:10kg(黄リンは20kg)

カリウム K
ナトリウム Na
  • 水と激しく作用して、水素と熱を発生する。
  • 融点以上(97.9℃)に熱すると、黄色い炎を出して燃える。
アルキルアルミニウム
アルキルリチウム
黄リン
  • 白色又は淡黄色ロウ状の液体。
  • ニラに似た不快臭を有する
  • 発火点に達すると自然発火し、五酸化りん(無水りん酸)となる
  • 水には溶けないが二硫化炭素に溶ける。
  • 自然発火しやすいので空気に触れないように水中に貯蔵する。
  • 自然発火性のみを有する
  • 融点44.1℃

アルカリ金属・アルカリ土類金属(K, Na除く)

第1種自然発火性物質及び禁水性物質
指定数量:10kg

リチウム Li
  • 室温で水で反応して水素を発生する。固体金属中比熱は最大である。
  • 禁水性のみを有する
カルシウム Ca
  • 水と接触すると、常温では徐々に、高温では激しく反応し水素を発生する。
  • 空気中で強熱すれば燃焼して酸化カルシウムを生ずる。
バリウム Ba

有機金属化合物(アルキルアルミニウム・リチウムを除く)

第1種自然発火性物質及び禁水性物質
指定数量:10kg

ジエチル亜鉛 Et2Zn

金属水素化物・りん化物

第2種自然発火性物質及び禁水性物質

指定数量:50kg

水素化リチウム LiH
水素化ナトリウム NaH
  • 湿った空気で分解し、又水と激しく反応する。
  • 約800℃で分解し、ナトリウムと水素を発生、酸素とは230℃以上でないと反応しない。
水素化カルシウム CaH2
りん化カルシウム Ca3P2
  • 塊状の固体又は粉末で、水及び弱酸と作用して激しく分解し、りん化水素を発生する。化学式はCa3P2 +6H2O → 3Ca(OH)2 + 2PH3 である。

炭化物

第2種自然発火性物質及び禁水性物質
指定数量:50kg

炭化カルシウム CaC2
  • 水と反応してアセチレンガスを発生する。化学式は CaC2 + 2H2O → Ca(OH)2 + C2H2 である。
炭化アルミニウム AlC3
  • 1400℃で分解してメタンを発生する。
  • 空気中では安定
  • 水とは常温でも反応してメタンを発生する。化学式はAlC3 + 12H2O → 3CH4 + 4Al(OH)3 である。

その他

第3種自然発火性物質及び禁水性物質
指定数量:300kg

トリクロロシラン HSiCl3

cosine

投稿者の記事一覧

博士(薬学)。Chem-Station副代表。国立大学教員→国研研究員にクラスチェンジ。専門は有機合成化学、触媒化学、医薬化学、ペプチド/タンパク質化学。
関心ある学問領域は三つ。すなわち、世界を創造する化学、世界を拡張させる情報科学、世界を世界たらしめる認知科学。
素晴らしければ何でも良い。どうでも良いことは心底どうでも良い。興味・趣味は様々だが、そのほとんどがメジャー地位を獲得してなさそうなのは仕様。

関連記事

  1. 危険物データベース:第1類(酸化性固体)
  2. 甲種危険物取扱者・合格体験記~cosine編
  3. 甲種危険物取扱者・合格体験記~Webmaster編
  4. 甲種危険物取扱者・合格体験記~読者の皆さん編
  5. 危険物に関する法令:危険物の標識・掲示板
  6. 試験概要:乙種危険物取扱者
  7. 合格体験記:知的財産管理技能検定~berg編~
  8. 危険物データベース:第4類(引火性液体)

コメント、感想はこちらへ

注目情報

ピックアップ記事

  1. 文具に凝るといふことを化学者もしてみむとてするなり⑧:ネオジム磁石の巻
  2. ヒドロシリル化反応 Hydrosilylation
  3. 第13回 次世代につながる新たな「知」を創造するー相田卓三教授
  4. スキンケア・化粧品に含まれる有害物質を巡る騒動
  5. 大日本インキ、中国・上海に全額出資の物流会社
  6. セントラル硝子、工程ノウハウも発明報奨制度対象に
  7. イライアス・コーリー E. J. Corey
  8. 韓国へ輸出される半導体材料とその優遇除外措置について
  9. シリル系保護基 Silyl Protective Group
  10. ケムステV年末ライブ & V忘年会2021を開催します!

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2005年6月
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
27282930  

注目情報

最新記事

ベテラン研究者 vs マテリアルズ・インフォマティクス!?~ 研究者としてMIとの正しい向き合い方

開催日 2024/04/24 : 申込みはこちら■開催概要近年、少子高齢化、働き手の不足…

第11回 慶應有機化学若手シンポジウム

シンポジウム概要主催:慶應有機化学若手シンポジウム実行委員会共催:慶應義塾大…

薬学部ってどんなところ?

自己紹介Chemstationの新入りスタッフのねこたまと申します。現在は学部の4年生(薬学部)…

光と水で還元的環化反応をリノベーション

第609回のスポットライトリサーチは、北海道大学 大学院薬学研究院(精密合成化学研究室)の中村顕斗 …

ブーゲ-ランベルト-ベールの法則(Bouguer-Lambert-Beer’s law)

概要分子が溶けた溶液に光を通したとき,そこから出てくる光の強さは,入る前の強さと比べて小さくなる…

活性酸素種はどれでしょう? 〜三重項酸素と一重項酸素、そのほか〜

第109回薬剤師国家試験 (2024年実施) にて、以下のような問題が出題されま…

産総研がすごい!〜修士卒研究職の新育成制度を開始〜

2023年より全研究領域で修士卒研究職の採用を開始した産業技術総合研究所(以下 産総研)ですが、20…

有機合成化学協会誌2024年4月号:ミロガバリン・クロロププケアナニン・メロテルペノイド・サリチル酸誘導体・光励起ホウ素アート錯体

有機合成化学協会が発行する有機合成化学協会誌、2024年4月号がオンライン公開されています。…

日本薬学会第144年会 (横浜) に参加してきました

3月28日から31日にかけて開催された,日本薬学会第144年会 (横浜) に参加してきました.筆者自…

キシリトールのはなし

Tshozoです。 35年くらい前、ある食品メーカが「虫歯になりにくい糖分」を使ったお菓子を…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP