[スポンサーリンク]

N

NHPI触媒によるC-H酸化 C-H Oxidation with NHPI Catalyst

[スポンサーリンク]

 

有機触媒N-ヒドロキシフタルイミド(NHPI)は、酸化剤存在下に活性なN-オキシルラジカル中間体(PINO)を生成する。これは水素引き抜きに対して非常に高い活性を持つ。

C(sp3)-H結合を比較的穏和に酸化できる触媒系として価値が高く、さらなる発展が待ち望まれている。とりわけ位置選択性の付与が課題となっている。

基本文献

  • Ishii, Y.; Nakayama, K.; Takeno, M.; Sakaguchi, S.; Iwahama, T.; Nishiyama, Y. J. Org. Chem. 1995, 60, 3934. DOI: 10.1021/jo00118a002

<review>

  • Ishii, Y.; Sakaguchi, S.; Iwahama, T. Adv. Synth. Catal. 2001, 343, 393. [abstract]
  • 石井康敬、有機合成化学協会誌 2001, 59, 2. [PDF]
  • Recupero, F.; Punta, C. Chem. Rev. 2007, 107, 3800. DOI: 10.1021/cr040170k
  • Melone, L.; Punta, C. Beil. J. Org. Chem. 2013, 9, 1296. doi: 10.3762/bjoc.9.146

 

反応機構

NHPI_2.gif

反応例

近年ではsp3 C-H結合を標的としたフッ素化[1]、アミノ化[2]などへも展開されている。 NHPI_3.gif NHPI_4.gif

実験手順

 

実験のコツ・テクニック

 

参考文献

[1] Amaoka, Y.; Nagatomo, M.; Inoue, M. Org. Lett. 2013, 15, 2160. DOI: 10.1021/ol4006757
[2] Amaoka, Y.; Kamijo, S.; Hoshikawa, T.; Inoue, M. J. Org. Chem. 2012, 77, 9959. DOI: 10.1021/jo301840e

 

関連反応

 

関連書籍

 

関連リンク

cosine

投稿者の記事一覧

博士(薬学)。Chem-Station副代表。国立大学教員→国研研究員にクラスチェンジ。専門は有機合成化学、触媒化学、医薬化学、ペプチド/タンパク質化学。
関心ある学問領域は三つ。すなわち、世界を創造する化学、世界を拡張させる情報科学、世界を世界たらしめる認知科学。
素晴らしければ何でも良い。どうでも良いことは心底どうでも良い。興味・趣味は様々だが、そのほとんどがメジャー地位を獲得してなさそうなのは仕様。

関連記事

  1. ジムロート転位 (ANRORC 型) Dimroth Rear…
  2. 硫酸エステルの合成 Synthesis of Organosul…
  3. ヒドロメタル化 Hydrometalation
  4. パール・クノール チオフェン合成 Paal-Knorr Thio…
  5. ストライカー試薬 Stryker’s Reagent…
  6. シャープレス不斉アミノヒドロキシル化 Sharpless Asy…
  7. クレメンゼン還元 Clemmensen Reduction
  8. 芳香族メタ光環化付加 Aromatic meta-photoc…

コメント、感想はこちらへ

注目情報

ピックアップ記事

  1. マリンス有機化学(上)-学び手の視点から-
  2. 新元素、2度目の合成成功―理研が命名権獲得
  3. とあるカレイラの天然物〜Pallambins〜
  4. いまさら聞けない、けど勉強したい 試薬の使い方  セミナー(全5回) ~DOJIN 5 は語りだす~
  5. MEDCHEM NEWS 30-3号「メドケムシンポ優秀賞」
  6. 有機合成化学協会誌2020年6月号:Chaxine 類・前周期遷移金属ヒドリドクラスター・フッ化アシル・インドール ─2,3─エポキシド・プロトン応答性触媒・Z 型配位子
  7. メカノケミストリーを用いた固体クロスカップリング反応
  8. 第105回―「低配位有機金属錯体を用いる触媒化学」Andrew Weller教授
  9. 誰かに話したくなる化学論文2連発
  10. 【追悼企画】鋭才有機合成化学者ーProf. David Gin

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2014年1月
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  

注目情報

最新記事

マリンス有機化学(上)-学び手の視点から-

概要親しみやすい会話形式を用いた現代的な教育スタイルで有機化学の重要概念を学べる標準教科書.…

【大正製薬】キャリア採用情報(正社員)

<求める人物像>・自ら考えて行動できる・高い専門性を身につけている・…

国内初のナノボディ®製剤オゾラリズマブ

ナノゾラ®皮下注30mgシリンジ(一般名:オゾラリズマブ(遺伝子組換え))は、A…

大正製薬ってどんな会社?

大正製薬は病気の予防から治療まで、皆さまの健康に寄り添う事業を展開しています。こ…

一致団結ケトンでアレン合成!1,3-エンインのヒドロアルキル化

ケトンと1,3-エンインのヒドロアルキル化反応が開発された。独自の配位子とパラジウム/ホウ素/アミン…

ベテラン研究者 vs マテリアルズ・インフォマティクス!?~ 研究者としてMIとの正しい向き合い方

開催日 2024/04/24 : 申込みはこちら■開催概要近年、少子高齢化、働き手の不足…

第11回 慶應有機化学若手シンポジウム

シンポジウム概要主催:慶應有機化学若手シンポジウム実行委員会共催:慶應義塾大…

薬学部ってどんなところ?

自己紹介Chemstationの新入りスタッフのねこたまと申します。現在は学部の4年生(薬学部)…

光と水で還元的環化反応をリノベーション

第609回のスポットライトリサーチは、北海道大学 大学院薬学研究院(精密合成化学研究室)の中村顕斗 …

ブーゲ-ランベルト-ベールの法則(Bouguer-Lambert-Beer’s law)

概要分子が溶けた溶液に光を通したとき,そこから出てくる光の強さは,入る前の強さと比べて小さくなる…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP