[スポンサーリンク]

archives

pre-MIBSK ~Dess-Martin試薬と比べ低コスト・安全なアルコール酸化触媒~

[スポンサーリンク]

 

pre-MIBSKは、名古屋大学の石原らが開発した超原子価ヨウ素を有するアルコール酸化触媒です。Dess-Martin試薬に比べ、使用量が触媒量でよく活性種が系中で発生するため、低コストかつ安全に扱うことが可能です。さらに第2級アルコールの酸化も進行することに加え、第一級アルコールの酸化に関しては共酸化剤のOxone®の量を調節することでアルデヒドとカルボン酸の作り分けも可能です。
〈参考文献〉

[1] “2-Iodoxybenzenesulfonic Acid as an Extremely Active Catalyst for the Selective Oxidation of Alcohols to Aldehydes, Ketones, Carboxylic Acids, and Enones with Oxone”

Uyanik, M., Akakura, M., Ishihara, K. : J. Am. Chem. Soc., 2009,  131, 251. DOI: 10.1021/ja807110n

ja-2008-07110n_0035

Electron-donating group-substituted 2-iodoxybenzoic acids (IBXs) such as 5-Me-IBX (1g), 5-MeO-IBX (1h), and 4,5-Me2-IBX (1i) were superior to IBX 1a as catalysts for the oxidation of alcohols with Oxone (a trademark of DuPont) under nonaqueous conditions, although Oxone was almost insoluble in most organic solvents. The catalytic oxidation proceeded more rapidly and cleanly in nitromethane. Furthermore, 2-iodoxybenzenesulfonic acid (IBS, 6a) was much more active than modified IBXs. Thus, we established a highly efficient and selective method for the oxidation of primary and secondary alcohols to carbonyl compounds such as aldehydes, carboxylic acids, and ketones with Oxone in nonaqueous nitromethane, acetonitrile, or ethyl acetate in the presence of 0.05−5 mol % of 6a, which was generated in situ from 2-iodobenzenesulfonic acid (7a) or its sodium salt. Cycloalkanones could be further oxidized to α,β-cycloalkenones or lactones by controlling the amounts of Oxone under the same conditions as above. When Oxone was used under nonaqueous conditions, Oxone wastes could be removed by simple filtration. Based on theoretical calculations, we considered that the relatively ionic character of the intramolecular hypervalent iodine−OSO2 bond of IBS might lower the twisting barrier of the alkoxyperiodinane intermediate 16.

[2] “2-Iodoxy-5-Methylbenzenesulfonic Acid-Catalyzed Selective Oxidation of 4-Bromobenzyl Alcohol to 4-Bromobenzaldehyde or 4-Bromobenzoic Acid with Oxone”

Uyanik, M., Ishihara, K. Org. Synth. 2012, 89, 105. DOI:10.15227/orgsyn.089.0105

v89p0105-1

〈製品ページ〉

pre-MIBSK

Avatar photo

富士フイルム和光純薬

投稿者の記事一覧

「次の科学のチカラとなり、人々の幸せの源を創造する」
みなさまの研究開発を支えるチカラとなるべく、
これからも高い技術とクオリティで、次代のニーズにお応えします。
Twitterでの情報提供を始めました。

関連記事

  1. スーパーブレンステッド酸
  2. (S)-5-(ピロリジン-2-イル)-1H-テトラゾール:(S)…
  3. 産学それぞれの立場におけるマテリアルズ・インフォマティクス技術活…
  4. マテリアルズ・インフォマティクスにおけるデータ0からの初期データ…
  5. 高分子材料中の微小異物分析技術の実際【終了】
  6. 「新規高活性アルコール酸化触媒 nor-AZADOの有用性」 第…
  7. ポリエチレングリコール結合ルテニウムカルベン錯体
  8. 核酸合成試薬(ホスホロアミダイト法)

注目情報

ピックアップ記事

  1. 有機合成創造の軌跡―126のマイルストーン
  2. 元素周期 萌えて覚える化学の基本
  3. カール−ヘインツ・アルトマン Karl Heinz Altmann
  4. 天然有機化合物の全合成:独創的なものづくりの反応と戦略
  5. ペンタレネン Pentalenene
  6. ご注文は海外大学院ですか?〜渡航編〜
  7. 尿酸 Uric Acid 〜痛風リスクと抗酸化作用のジレンマ〜
  8. コルベ電解反応 Kolbe Electrolysis
  9. 実験メガネを15種類試してみた
  10. 科学は探究心を与え続けてくれるもの:2016 ロレアル–ユネスコ女性科学者 日本奨励賞

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2013年9月
 1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
30  

注目情報

最新記事

第67回「1分子レベルの酵素活性を網羅的に解析し,疾患と関わる異常を見つける」小松徹 准教授

第67回目の研究者インタビューです! 今回は第49回ケムステVシンポ「触媒との掛け算で拡張・多様化す…

四置換アルケンのエナンチオ選択的ヒドロホウ素化反応

四置換アルケンの位置選択的かつ立体選択的な触媒的ヒドロホウ素化が報告された。電子豊富なロジウム錯体と…

【12月開催】 【第二期 マツモトファインケミカル技術セミナー開催】 題目:有機金属化合物 オルガチックスのエステル化、エステル交換触媒としての利用

■セミナー概要当社ではチタン、ジルコニウム、アルミニウム、ケイ素等の有機金属化合物を“オルガチッ…

河村奈緒子 Naoko Komura

河村 奈緒子(こうむら なおこ, 19xx年xx月xx日-)は、日本の有機化学者である。専門は糖鎖合…

分極したBe–Be結合で広がるベリリウムの化学

Be–Be結合をもつ安定な錯体であるジベリロセンの配位子交換により、分極したBe–Be結合形成を初め…

小松 徹 Tohru Komatsu

小松 徹(こまつ とおる、19xx年xx月xx日-)は、日本の化学者である。東京大学大学院薬学系研究…

化学CMアップデート

いろいろ忙しくてケムステからほぼ一年離れておりましたが、少しだけ復活しました。その復活第一弾は化学企…

固有のキラリティーを生むカリックス[4]アレーン合成法の開発

不斉有機触媒を利用した分子間反応により、カリックスアレーンを構築することが可能である。固有キラリ…

服部 倫弘 Tomohiro Hattori

服部 倫弘 (Tomohiro Hattori) は、日本の有機化学者。中部大学…

ぱたぱた組み替わるブルバレン誘導体を高度に置換する

容易に合成可能なビシクロノナン骨格を利用した、簡潔でエナンチオ選択的に多様な官能基をもつバルバラロン…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP