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来年は世界化学年:2011年は”化学の年”!

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2011年を「世界化学年」とすることは2008年末に開催された国際連合総会によって決められました。

世界化学年では統一テーマ“Chemistry-our life, our future”の下、化学に対する社会の理解増進、若い世代の化学への興味の喚起、創造的未来への化学者の熱意ある貢献への支援、女性の化学における活躍の場の支援を目的に、世界各国が連動して化学に関する啓発・普及活動を行う予定です。

なお、2011年はキュリー夫人のノーベル化学賞受賞から100年目に当たります。(引用:社団法人 日本化学会HP)

 

来年の話をするのはまだ少し気が早いと思いますが、色々な所で世界化学年にちなんだイベントが行われるみたいなので、先日12月1日に開催された世界化学年カウントダウン記念シンポジウムの様子のレポートを兼ねて、ちょっと紹介してみたいと思います。

「世界化学年」 (International Year of Chemistry:IYC2011)は冒頭にもありましたが、キュリー夫人のノーベル化学賞受賞から100年目にあたります。世界化学年日本委員会HPによりますと、IUPACが呼びかけ、日本がそれに賛同し共同提案国として国際連合教育科学文化機関(UNESCO)に働きかけて実現したものであるそうです。またIUPACが設立されてからも100年目にあたるということです。

社会に化学をもっと理解してもらおう!

若い世代にもっと化学に興味を持ってもらおう!

化学者の創造的未来への貢献を支援しよう!

女性化学者の活動の場を支援しよう!・・・といった目標のもとで、世界化学年を記念した事業を興していく、とのことで来年から年会での公開シンポジウムや子供のための化学実験ショー、市民講座や実験教室などが企画されているようです。

全国の科学館に化学の実験や現象の展示コーナーを設けてもらう企画もあり、結構面白くなるのでは・・・と今から期待しています。

具体的にはどんな活動が今後行われる予定なのかについては、全体での活動はこちらを、日本国内についてはこちらに詳細があります。

 

この世界化学年記念イベントの一環として、先日東大小柴ホールにて世界化学年カウントダウン記念シンポジウムが開催されました。

記念式典では2010年ノーベル化学賞を受賞した鈴木章先生からのビデオメッセージが上映され、記念シンポジウムでは日本科学未来館館長の毛利衛さんによる講演や大学教授の先生方、企業の方々による最先端研究とその未来への貢献についての講演が行なわれ、さらに2010年ノーベル化学賞を受賞した根岸英一先生がサプライズで登場し、講演を行いました。

また最後に、国際化学オリンピック日本大会についての報告と講演、そして国際化学オリンピックメダリスト6名を、世界化学年大使に任命する任命式が行われました。

 

当日会場は超満員で、学生の参加者も多く見られました。(学生は会費が安かったからかな・・・)

どの講演も素晴らしかったのですが、個人的には化学オリンピックと高校化学の国際化についての講演が大変衝撃的だったので少し紹介したいと思います。(以前からここでもよく紹介されていた国際化学オリンピックについて詳しく語られていましたよ!)

 

最初の驚きは、先進諸国の中でほぼ日本だけが教科書検定を行っていること!

それにより定められた内容以上の化学的知識は授業で扱えない事になっていることが語られました。

それに対して国際標準の高校化学では、物質の性質・変化に関する「なぜ?」をつかむための内容である量子数(n,l,m)、s・p・d軌道、ギブズエネルギー、ネルンスト式、σ軌道・π軌道、グリニャール反応、求核性・求電子性などの項目は既習事項!!であるという、なんだかすごい話が。。。(そのうえ実験のトレーニングも行うのだそう。ひゃー!)

 

結局日本が教科書検定によって、進んでいく国際標準の高校化学カリキュラムに対してかたくなに「ここまでは高校の範囲」というくくりを変えなかった結果、国際標準化を受け入れてきた国と比較して、国際化学オリンピックへの参加への「壁」が高くなってしまった。といったようなお話がされました。(それでも日本代表として賞を獲得した出場者の人々は凄い!)

そしてそれは化学オリンピック参加者だけの問題でなく、理系に進学した人々はもれなく高校化学で学んだ知識と頭をリセットし、急な坂道を登っていくような学習を余儀なくされてしまう。といったようなことも語られました。(なんだかとっても身に覚えがあるような・・・)

本来は高校→大学となだらかな坂を登っていくように学習内容のレベルを上げていくのが理想の姿の筈なのですが、現実にはなかなかうまくいかない。それで国際化学オリンピックが教育カリキュラムの国際化・近代化につながっていくきっかけになれば。と講演では結ばれていました。

 

うーん。最近まで化学オリンピックの存在も知らなかったし高校化学の範囲についてもそれが普通だと思っていた筆者にとっては結構驚きの格差だったのですが、読者の皆様にとってはいかがだったでしょうか?

化学やってる人にとって知ってて当たり前、常識でしょ!ということが、一般社会では知らなくてもそれが普通!なんてことはままありますが、

知ってることと知らないことの間に、その物事を理解するための基礎知識のステップがあれば、一般の人々からみた化学の姿はだいぶ違ってくるのでは。とヒヨコ学生ながらに思います。

 

長くなってしまいましたが、来年度は化学を啓蒙する活動が色んなところで行われる年です!

色々なところで、色々な分野の人々が、化学について色々考えたり面白がってこっちの世界に興味を持っていただけることを期待して、今年もあと少しがんばっていこうと思います。

 

関連書籍

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po_suke

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無機化学研究室に所属する、有機合成大好きな学生。 好きなものは鳥と散歩とお酒と化学です。 光機能性分子や、色素などに興味があります。

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