[スポンサーリンク]

化学者のつぶやき

【悲報】HGS 分子構造模型 入手不能に

化学を学ぶ上で欠かすことのできない存在の「HGS分子構造模型」を製作していた「日ノ本合成樹脂製作所」が廃業したそうです。

丸善のサイトでアナウンスされている通り丸善が持っている在庫が無くなり次第販売は終了となります。

 

 

本来ならケムステニュースが適している話題なのですが、ニュースが見当たらないのでこちらでのポストになります。

先日海外で磁石を使った分子模型を開発中の方が投資を募っているとのポストがありました。確かに秀逸な製品になりそうで、筆者も興味があります。

しかし磁石の模型はスマートではありますが、結合の角度とか、グルグル、グネグネいじった時の分子の動き、歪んだ感じが再現できないと思います。特に複雑な立体構造をもつ有機化合物について理解するには、実際に分子模型を組み立ててみて、あーでもない、こーでもないと考えるのが手っ取り早く、かつかなり正確に情報を得ることができます。

model_1

© SCIENCE MUSEUM / SCIENCE & SOCIETY PICTURE LIBRARY

かのワトソン、クリックがDNAの二重らせん構造にたどり着くのに分子模型が大きな役割を果たしたことは間違いありません。コンピュータでの3Dモデリングの方がスマートではありますが、やはり自分で組み立てていつでもどこでも手軽に考えられるという意味では実物にはかなわないでしょう。私も学生の頃は自分のテーマとなっている分子を組み立てて、実験台の上に置いてありました。実物(?)が目の前にあるとやはりテンションが違いません?

HGS_1C120 HGSのサイトより

最近の若者は・・・と言うと歳を感じますが、確かに最近の若者はあまり買わなくなったのかもしれませんね。教科書とか専門書もあまり買わなくなってきているように思います。自分への投資なんですけどね・・・

 

どのような事情で廃業なされたのかは存じませんが、大変残念です。本当に残念です。来年から学生にどうやって教えようか途方に暮れております。代替となる製品もあるのですが、筆者としてはHGSが一番しっくりきていました。

化学会関係者の皆様の中で事情がお分かりの方がいらっしゃいましたら、どうにかならないかならないものでしょうか。時代の流れとはいえ、我が国の化学にとって大きな痛手になるような気がします。

 

丸善の在庫も既に無い商品もあるようです。

生協に置いてあるようでしたら今のうちです。くれぐれも買い占めて転売とか姑息なことはしないで下さいね。

最後に日ノ本合成樹脂製作所の皆様、これまで大変おせわになり、どうもありがとうございました。

 

関連書籍

The following two tabs change content below.
ペリプラノン

ペリプラノン

有機合成化学が専門。主に天然物化学、ケミカルバイオロジーについて書いていきたいと思います。

関連記事

  1. 日本化学会と対談してきました
  2. 第10回日本化学連合シンポジウム 化学コミュニケーション賞201…
  3. 新たな特殊ペプチド合成を切り拓く「コドンボックスの人工分割」
  4. 【PR】 Chem-Stationで記事を書いてみませんか?【ス…
  5. ヒト遺伝子の ヒット・ランキング
  6. 化学者の卵、就職活動に乗りだす
  7. 表裏二面性をもつ「ヤヌス型分子」の合成
  8. SlideShareで見る美麗な化学プレゼンテーション

コメント、感想はこちらへ

注目情報

ピックアップ記事

  1. ペプチド触媒で不斉エポキシ化を実現
  2. 「2010年トップ3を目指す」万有製薬平手社長
  3. 高分解能顕微鏡の進展:化学結合・電子軌道の観測から、元素種の特定まで
  4. ケテンの[2+2]環化付加反応 [2+2] Cycloaddition of Ketene
  5. 官能基「プロパルギル基」導入の道
  6. 触媒でヒドロチオ化反応の位置選択性を制御する
  7. ジメチル(2-ピリジル)シリル化合物
  8. 取扱いが容易なトリフルオロアセチル化試薬
  9. ちょっと変わったイオン液体
  10. 【太陽HD】世界初!セルロースナノファイバー複合電子材料の研究

関連商品

注目情報

注目情報

最新記事

二重芳香族性を示す化合物の合成に成功!

第170回目のスポットライトリサーチは、埼玉大学大学院理工学研究科・古川 俊輔 助教にお願いしました…

専門家要らず?AIによる圧倒的高速なスペクトル解釈

第169回目のスポットライトリサーチは、東京大学大学院工学系研究科博士課程・清原慎さんにお願いしまし…

日本プロセス化学会2018ウインターシンポジウム

ご案内日本プロセス化学会(JSPC)が年2回主催するシンポジウムは、最新のプロセス化学の知識を習…

フラーレンの“籠”でH2O2を運ぶ

過酸化水素分子内包フラーレン誘導体を、大気圧・室温条件下で合成する方法が開発された。分子内包フラ…

北エステル化反応 Kita Esterification

概要ルテニウム触媒存在下、エチニルエチルエーテル試薬を脱水剤として用い、カルボン酸とアルコールか…

一人二役のフタルイミドが位置までも制御する

N-ヒドロキシフタルイミドを用いる逆マルコフニコフ型のヒドロアミノ化が報告された。遷移金属触媒および…

PAGE TOP