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ケムステニュース

ITを駆使して新薬開発のスピードアップを図る米国製薬業界

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米アベンティス製薬の新薬開発研究員たちは、ぜんそく治療薬の動物実験を終えた段階で、その開発作業のペースをさらにスピードアップしなければならない事態に追い込まれた。それは、同社のライバル会社である米グラクソスミスクラインと米シェリング・プロウが、アベンティスと同様のぜんそく治療薬の開発を進めており、しかも、アベンティスよりもテストが進んでいることが判明したからだ。ライバル2社はそれぞれ、アベンティスが研究してきたのと同様のアプローチ(ぜんそくの症状を悪化させると考えられているタンパク質を抑制する「アンチインターロイキン5」と呼ばれる療法)の効果を実証するために、すでに人間を対象としたテストを実施する段階にまで開発作業を進めていたのだ。

 このため、アベンティスは時間と費用がかかる他社と同じ開発手法を中止し、ある特別な近道を進むことにした。その近道とは、コンピュータ上に「アラン」と「ビル」という仮想患者を設定し、ぜんそく治療薬の実験を行うことができる米エンテロスのシミュレーション・システム「Asthma PhysioLab」を導入することであった。アベンティスは、同システムのシミュレーション結果を使って、アンチインターロイキン5療法が深刻なぜんそくの発作に対して直接効果を発揮することを実証し、その成果をライバル会社に先駆けて発表することができた。従来どおりに多額の費用と数年の期間をかけて臨床試験を行ったライバル会社は、アベンティスより先にその結果を導き出すことはできなかった。

 アベンティスが採用したコスト・パフォーマンスに優れたバイオ・シミュレーション技術は、新薬開発プロセスの効率化や、コストの削減に大きく貢献する情報技術の1つとして期待されている。(引用:CIO Online)

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Chem-Station代表。早稲田大学理工学術院准教授。専門は有機化学。主に有機合成化学。分子レベルでモノを自由自在につくる、最小の構造物設計の匠となるため分子設計化学を確立したいと考えている。趣味は旅行(日本は全県制覇、海外はまだ20カ国ほど)、ドライブ、そしてすべての化学情報をインターネットで発信できるポータルサイトを作ること。

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