[スポンサーリンク]

世界の化学者データベース

ジョン・グッドイナフ John B. Goodenough

[スポンサーリンク]

ジョン・バニスタ・グッドイナフ (John Bannister Goodenough、1922年7月25日-)は、アメリカの化学者・物理学者である。米テキサス大学オースティン校教授(写真:Giving to UT )。「リチウムイオン電池の開発」の業績により、2019年にノーベル化学賞を受賞した。

経歴

1943 イェール大学 卒業
1952 シカゴ大学 博士号取得 (Clarence Zener 教授)
1951-1952 ウエスティングハウス社 研究技術者
1952-1976 マサチューセッツ工科大学 リンカーン研究所グループリーダー
1976-1986 オックスフォード大学 教授
1986-現在 テキサス大学オースティン 教授

受賞歴

1976 RCS Centenary Lecturer
1980 RSC Solid State Chemistry Prize
1989 Von Hippel Award
1996 University of Pennsylvania Medal for Distinguished Achievement
1997 John Bordeen Award
1999 Olin Palladium Award
2001 日本国際賞
2009 Enrico Fermi Award
2011 アメリカ国家科学賞
2014 チャールズ・スターク・ドレイパー賞
2015 トムソン・ロイター引用栄誉賞
2017 ウェルチ化学賞
2018 ベンジャミン・フランクリンメダル
2019 コプリメダル
2019 ノーベル化学賞

研究概要

リチウムイオン二次電池の開発[1-5]

1979年、グッドイナフと水島公一は、リチウムイオンを吸収・放出するリチウムコバルト酸化物(LixCoO2)が電池陽極として活用可能であることを示した[1]。

ノーベル財団プレスリリースより引用・改変

これがリチウムイオン電池の技術的土台となり、後にSONYによって市販されるに至った。長寿命・大容量・軽量・小型・メモリ効果の無いリチウムイオンバッテリーは、今日では携帯電話・デジタルカメラ・ハンディビデオ・ラップトップPCなど、様々なポータブル電子機器に搭載されている。

本業績が評価され、M. Stanley Whittingham吉野彰とともに2019年のノーベル化学賞を受賞した。

グッドイナフ・金森則の提唱[6] 材料における磁気超交換の符号を定める法則。

コメント&その他

  1. 材料化学分野において傑出した業績を上げた研究者に対し、ジョン・グッドイナフ賞が2008年より与えられている。
  2. リチウムイオン電池のカソード材料を開発したのは、英国オックスフォード大学時代である。

関連動画

関連文献

  1.  Mizushima, K.; Jones, P. C.; Wiseman, P. J.; Goodenough, J. B. Materials Research Bulletin 1980, 15, 783.
  2. Thomas, M. G. S. R.; Bruce, P. G.; Goodenough, J. B. Solid State Ionics, 1985, 17 , 13.
  3. Thackeray, M. M.; David, W. I. F.; Bruce, P. G.; Goodenough, J. B., Materials Research Bulletin 1983, 18, 461.
  4. Padhi, A. K.; Nanjundaswamy, K. S.; Goodenough, J. B. Journal Electrochemical Society 1997, 144, 1188.
  5. Padhi, A. K.; Nanjundaswamy, K. S.; Masquelier, C.; Goodenough, J. B. Journal Electrochemical Society 1997, 144, 2581.
  6. Good enough, J. B. Phys. Rev. 1955, 100, 564.

関連書籍

[amazonjs asin=”4882318342″ locale=”JP” title=”リチウムイオン電池物語―日本の技術が世界でブレイク (CMC books)”][amazonjs asin=”4785386649″ locale=”JP” title=”リチウムイオン二次電池の話―ポピュラー・サイエンス (ポピュラーサイエンス)”][amazonjs asin=”4822251225″ locale=”JP” title=”バッテリーウォーズ 次世代電池開発競争の最前線”]

外部リンク

Avatar photo

cosine

投稿者の記事一覧

博士(薬学)。Chem-Station副代表。国立大学教員→国研研究員にクラスチェンジ。専門は有機合成化学、触媒化学、医薬化学、ペプチド/タンパク質化学。
関心ある学問領域は三つ。すなわち、世界を創造する化学、世界を拡張させる情報科学、世界を世界たらしめる認知科学。
素晴らしければ何でも良い。どうでも良いことは心底どうでも良い。興味・趣味は様々だが、そのほとんどがメジャー地位を獲得してなさそうなのは仕様。

関連記事

  1. 神谷 信夫 Nobuo Kamiya
  2. エリック・ベッツィグ Eric Betzig
  3. 【書籍】文系でも3時間でわかる 超有機化学入門: 研究者120年…
  4. 金城 玲 Rei Kinjo
  5. 千葉 俊介 Shunsuke Chiba
  6. アレックス・ラドセヴィッチ Alexander Radosevi…
  7. 小林 洋一 Yoichi Kobayashi
  8. Cyclopropanes in Organic Synthes…

注目情報

ピックアップ記事

  1. 海の生き物からの贈り物
  2. アクリルアミド /acrylamide
  3. トーマス・ホイ Thomas R. Hoye
  4. 「話すのが得意」でも面接が通らない人の特徴
  5. ウランガラス
  6. 書物から学ぶ有機化学 1
  7. 米ファイザー、コレステロール薬の開発中止
  8. フッ素の特性が織りなす分子変換・材料化学(CSJカレントレビュー:47)
  9. 米陸軍に化学薬品検出スプレーを納入へ
  10. エキモフ, アレクセイ イワノビッチ Екимов, Алексей Иванович

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2009年9月
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
282930  

注目情報

最新記事

3つのラジカルを自由自在!アルケンのアリール–アルキル化反応

アルケンの位置選択的なアリール–アルキル化反応が報告された。ラジカルソーティングを用いた三種類のラジ…

【日産化学 26卒/Zoomウェビナー配信!】START your ChemiSTORY あなたの化学をさがす 研究職限定 キャリアマッチングLIVE

3日間で10領域の研究職社員がプレゼンテーション!日産化学の全研究領域を公開する、研…

ミトコンドリア内タンパク質を分解する標的タンパク質分解技術「mitoTPD」の開発

第 631 回のスポットライトリサーチは、東北大学大学院 生命科学研究科 修士課程2…

永木愛一郎 Aiichiro Nagaki

永木愛一郎(1973年1月23日-)は、日本の化学者である。現在北海道大学大学院理学研究院化学部…

11/16(土)Zoom開催 【10:30~博士課程×女性のキャリア】 【14:00~富士フイルム・レゾナック 女子学生のためのセミナー】

化学系の就職活動を支援する『化学系学生のための就活』からのご案内です。11/16…

KISTEC教育講座『中間水コンセプトによるバイオ・医療材料開発』 ~水・生体環境下で優れた機能を発揮させるための材料・表面・デバイス設計~

 開講期間 令和6年12月10日(火)、11日(水)詳細・お申し込みはこちら2 コースの…

【太陽ホールディングス】新卒採用情報(2026卒)

■■求める人物像■■「大きな志と好奇心を持ちまだ見ぬ価値造像のために前進できる人…

産総研の研究室見学に行ってきました!~採用情報や研究の現場について~

こんにちは,熊葛です.先日,産総研 生命工学領域の開催する研究室見学に行ってきました!本記事では,産…

第47回ケムステVシンポ「マイクロフローケミストリー」を開催します!

第47回ケムステVシンポジウムの開催告知をさせて頂きます!第47回ケムステVシンポジウムは、…

【味の素ファインテクノ】新卒採用情報(2026卒)

当社は入社時研修を経て、先輩指導のもと、実践(※)の場でご活躍いただきます。「いきなり実践で…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP