[スポンサーリンク]

chemglossary

メタンハイドレート Methane Hydrate

[スポンサーリンク]

 メタンハイドレート(methane hydrate)とは、メタンガスがある条件下(低温・高圧)で水と包摂してできる、白いゼリー状または雪のような物質です。その外見から「燃える氷」と称されることもあります。化石燃料(石油や天然ガスなど)に代わりうる自国産出可能なエネルギー源として、現在注目を集めています。

メタンハイドレートは永久凍土の下部や、深度500m以深の深海地層中に存在することが明らかになってきています。加圧と冷却によって生成され、ある温度と圧力の範囲において安定に存在します。実験室レベルでは0℃で30気圧程度まで加圧するとメタンハイドレートができます。

引用:Geology.com

日本周辺でもオホーツク沖、十勝・日高沖、四国沖などに分布していると推定されています。およそ東京ドーム約600万杯分(7兆4000億立方メートル)のメタンガスが日本近海にあると予想されています。これは日本の天然ガス使用量の100年分以上にも相当します。低コストな採取技術が開発されれば、日本も資源大国になり、エネルギーの輸出も夢ではなくなるかも知れません。

日本の周りにあるメタンハイドレート埋蔵地(引用:Wikipedia Commons)

メタンハイドレートを資源として開発するため、「メタンハイドレート開発検討委員会」(委員長 田中彰一 東京大学名誉教授)が「我が国におけるメタンハイドレート開発計画」をしました。計画に基づき研究を行うべく立ち上げられた機関が、「メタンハイドレート資源開発研究コンソーシアム」です。

関連書籍

外部リンク

cosine

投稿者の記事一覧

博士(薬学)。Chem-Station副代表。国立大学教員→国研研究員にクラスチェンジ。専門は有機合成化学、触媒化学、医薬化学、ペプチド/タンパク質化学。
関心ある学問領域は三つ。すなわち、世界を創造する化学、世界を拡張させる情報科学、世界を世界たらしめる認知科学。
素晴らしければ何でも良い。どうでも良いことは心底どうでも良い。興味・趣味は様々だが、そのほとんどがメジャー地位を獲得してなさそうなのは仕様。

関連記事

  1. 徹底比較 特許と論文の違い ~その他編~
  2. トリメチルロック trimethyl lock
  3. 重医薬品(重水素化医薬品、heavy drug)
  4. ノーベル化学賞 Nobel Prize in Chemistry…
  5. 分子の点群を帰属する
  6. 生物指向型合成 Biology-Oriented Synthes…
  7. GRE Chemistry
  8. 血液―脳関門透過抗体 BBB-penetrating Antib…

コメント、感想はこちらへ

注目情報

ピックアップ記事

  1. 食べず嫌いを直し始めた酵素たち。食べさせれば分かる酵素の可能性!?
  2. 小さなフッ素をどうつまむのか
  3. ケムステスタッフ Zoom 懇親会を開催しました【前編】
  4. 三菱商事ナノテク子会社と阪大院、水に濡れるフラーレンを共同開発
  5. なんと!アルカリ金属触媒で進む直接シリル化反応
  6. 反応開発における顕著な功績を表彰する「鈴木章賞」が創設 ―北海道大学化学反応創成研究拠点(ICReDD)―
  7. マイクロ空間内に均一な原子層を形成させる新技術
  8. クラリベイト・アナリティクスが「引用栄誉賞2018」を発表
  9. カルベンで挟む!
  10. 可視光照射でトリメチルロックを駆動する

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2007年10月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031  

注目情報

最新記事

5/15(水)Zoom開催 【旭化成 人事担当者が語る!】2026年卒 化学系学生向け就活スタート講座

化学系の就職活動を支援する『化学系学生のための就活』からのご案内です。化学業界・研究職でのキャリ…

フローマイクロリアクターを活用した多置換アルケンの効率的な合成

第610回のスポットライトリサーチは、京都大学大学院理学研究科(依光研究室)に在籍されていた江 迤源…

マリンス有機化学(上)-学び手の視点から-

概要親しみやすい会話形式を用いた現代的な教育スタイルで有機化学の重要概念を学べる標準教科書.…

【大正製薬】キャリア採用情報(正社員)

<求める人物像>・自ら考えて行動できる・高い専門性を身につけている・…

国内初のナノボディ®製剤オゾラリズマブ

ナノゾラ®皮下注30mgシリンジ(一般名:オゾラリズマブ(遺伝子組換え))は、A…

大正製薬ってどんな会社?

大正製薬は病気の予防から治療まで、皆さまの健康に寄り添う事業を展開しています。こ…

一致団結ケトンでアレン合成!1,3-エンインのヒドロアルキル化

ケトンと1,3-エンインのヒドロアルキル化反応が開発された。独自の配位子とパラジウム/ホウ素/アミン…

ベテラン研究者 vs マテリアルズ・インフォマティクス!?~ 研究者としてMIとの正しい向き合い方

開催日 2024/04/24 : 申込みはこちら■開催概要近年、少子高齢化、働き手の不足…

第11回 慶應有機化学若手シンポジウム

シンポジウム概要主催:慶應有機化学若手シンポジウム実行委員会共催:慶應義塾大…

薬学部ってどんなところ?

自己紹介Chemstationの新入りスタッフのねこたまと申します。現在は学部の4年生(薬学部)…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP