[スポンサーリンク]

chemglossary

振動円二色性(VCD)スペクトル しんどうえんにしょくせいすぺくとる Vibrational Circular Dichroism Spectrum

振動円二色性スペクトル(VCD Spectrum)は、赤外領域を利用した円二色性スペクトルのことです。

左円偏光と右円偏光に対する吸光度の差を、波長に対してプロットしたものが円偏光二色性(CDスペクトルですが、紫外・可視領域(UV-Vis)を利用するCD法では吸収帯が幅広く、その用途が限られてきます。

一方、VCDスペクトルは赤外領域を利用します。このため、分子振動状態の遷移に基づく吸収体が数多く観測され、豊富な情報が得られます。赤外線領域の測定といえばIRスペクトルが代表的ですが、VCDスペクトルの場合、鏡像異性体のスペクトルが異なるため光学活性体の測定において、様々な情報が得られます。

例えば結晶化させることができず、X線構造解析を利用することができない光学活性物質の絶対配置の決定が可能です。また、 分離や誘導体合成をせず、1%ee以下のエナンチオマー過剰率測定をすることや、キラル分子からの赤外発色団スペクトルの取得、現在進行形の反応中での光学純度モニタリグなども可能です。さらに、溶液状態の分子の配座も決定することもできます。

 

関連書籍

 

関連リンク

The following two tabs change content below.
webmaster
Chem-Station代表。早稲田大学理工学術院准教授。専門は有機化学。主に有機合成化学。分子レベルでモノを自由自在につくる、最小の構造物設計の匠となるため分子設計化学を確立したいと考えている。趣味は旅行(日本は全県制覇、海外はまだ20カ国ほど)、ドライブ、そしてすべての化学情報をインターネットで発信できるポータルサイトを作ること。

関連記事

  1. 金属-有機構造体 / Metal-Organic Framewo…
  2. コールドスプレーイオン化質量分析法 こーるどすぷれーいおんかしつ…
  3. E値 Environmental(E)-factor
  4. カスケード反応 Cascade Reaction
  5. 原子間力顕微鏡 Atomic Force Microscope …
  6. 一重項分裂 singlet fission
  7. アトムエコノミー / atom economy
  8. メビウス芳香族性 Mobius aromacity

コメント、感想はこちらへ

注目情報

ピックアップ記事

  1. 【書籍】「ルールを変える思考法」から化学的ビジネス理論を学ぶ
  2. テトラメチルアンモニウム (tetramethylammonium)
  3. 有機反応の立体選択性―その考え方と手法
  4. コラボリー/Groups(グループ):サイエンスミートアップを支援
  5. pre-ELM-11
  6. シャンパンの泡、脱気の泡
  7. インドール一覧
  8. 夏のお肌に。ファンデーションの化学
  9. コーリー・チャイコフスキー反応 Corey-Chaykovsky Reaction
  10. シーユアン・リュー Shih-Yuan Liu

関連商品

注目情報

注目情報

最新記事

ルミノール誘導体を用いるチロシン選択的タンパク質修飾法

2015年、東京工業大学・中村浩之らは、ルミノール誘導体と鉄-ポルフィリン複合体(ヘミン)を用い、チ…

酵素触媒によるアルケンのアンチマルコフニコフ酸化

酵素は、基質と複数点で相互作用することにより、化学反応を厳密にコントロールしています。通常のフラ…

イオンの出入りを制御するキャップ付き分子容器の開発

第124回のスポットライトリサーチは、金沢大学 理工研究域物質化学系錯体化学研究分野(錯体化学・超分…

リチウムイオン電池の課題のはなし-1

Tshozoです。以前リチウムイオン電池に関するトピックを2つほど紹介した(記事:リチウムイ…

アルコールをアルキル化剤に!ヘテロ芳香環のC-Hアルキル化

2015年、プリンストン大学・D. W. C. MacMillanらは、水素移動触媒(HAT)および…

三種類の分子が自発的に整列した構造をもつ超分子共重合ポリマーの開発

第123回のスポットライトリサーチは、テキサス大学オースティン校博士研究員(Jonathan L. …

Chem-Station Twitter

PAGE TOP