[スポンサーリンク]

chemglossary

振動円二色性スペクトル Vibrational Circular Dichroism (VCD) Spectrum

[スポンサーリンク]

振動円二色性スペクトル(VCD Spectrum)は、赤外領域を利用した円二色性スペクトルのことです。

左円偏光と右円偏光に対する吸光度の差を波長に対してプロットしたものが円偏光二色性(CD)スペクトルですが、紫外・可視領域(UV-Vis)を利用するCD法では吸収帯が幅広く、その用途が限られてきます。

一方、VCDスペクトルは赤外領域を利用します。このため、分子振動状態の遷移に基づく吸収体が数多く観測され、豊富な情報が得られます。赤外線領域の測定といえばIRスペクトルが代表的ですが、VCDスペクトルの場合、鏡像異性体のスペクトルが異なるため光学活性体の測定において、様々な情報が得られます。

例えば結晶化させることができず、X線構造解析を利用することができない光学活性物質の絶対配置の決定が可能です。また、 分離や誘導体合成をせず、1%ee以下のエナンチオマー過剰率測定をすることや、キラル分子からの赤外発色団スペクトルの取得、現在進行形の反応中での光学純度モニタリグなども可能です。さらに、溶液状態の分子の配座も決定することもできます。

 

関連書籍

[amazonjs asin=”0470032480″ locale=”JP” title=”Vibrational Optical Activity: Principles and Applications”][amazonjs asin=”1439821712″ locale=”JP” title=”VCD Spectroscopy for Organic Chemists”][amazonjs asin=”1118012933″ locale=”JP” title=”Comprehensive Chiroptical Spectroscopy, Instrumentation, Methodologies, and Theoretical Simulations”]

 

関連リンク

Avatar photo

webmaster

投稿者の記事一覧

Chem-Station代表。早稲田大学理工学術院教授。専門は有機化学。主に有機合成化学。分子レベルでモノを自由自在につくる、最小の構造物設計の匠となるため分子設計化学を確立したいと考えている。趣味は旅行(日本は全県制覇、海外はまだ20カ国ほど)、ドライブ、そしてすべての化学情報をインターネットで発信できるポータルサイトを作ること。

関連記事

  1. 波動-粒子二重性 Wave-Particle Duality: …
  2. 非リボソームペプチド Non-Ribosomal Peptide…
  3. 色素増感型太陽電池 / Dye-sensitized Solar…
  4. クロスカップリング反応 cross coupling react…
  5. ステープルペプチド Stapled Peptide
  6. 金属-有機構造体 / Metal-Organic Framewo…
  7. 生物学的等価体 Bioisostere
  8. クライン・プレログ表記法 Klyne-Prelog Nomenc…

注目情報

ピックアップ記事

  1. 有機合成化学協会誌2020年9月号:キラルナフタレン多量体・PNNP四座配位子・π共役系有機分子・フェンタニル混入ヘロイン・プロオリゴ型核酸医薬
  2. 第一三共/イナビルをインフルエンザ予防申請
  3. 実験ノートの字について
  4. 新海征治 Seiji Shinkai
  5. 世界5大化学会がChemRxivのサポーターに
  6. ボツリヌストキシン (botulinum toxin)
  7. 北大触媒化研、水素製造コスト2―3割安く
  8. エキノコックスにかかわる化学物質について
  9. マーフィー試薬 Marfey reagent
  10. 高活性、高耐久性を兼ね備えた世界初の固体鉄触媒の開発

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2009年2月
 1
2345678
9101112131415
16171819202122
232425262728  

注目情報

最新記事

第12回 野依フォーラム若手育成塾

野依フォーラム若手育成塾について野依フォーラム若手育成塾では、国際企業に通用するリーダー型研究者…

その酸素、“本当にその場所”の値ですか? ニードル式酸素センサーを使ってみた!

突然ですが、「培養の再現性がなんか悪い」「同じ条件のはずなのに結果がズレる」といった経験はあ…

有機合成化学協会誌2026年4月号:activatable型分子プローブ・DMAPO触媒・カルビノールアニオン・アミコラマイシンの全合成・構造指向スクリーニング

有機合成化学協会が発行する有機合成化学協会誌、2026年4月号がオンラインで公開されています。…

第37回仙台シンポジウム参加登録開始のご案内

これまで「万有仙台シンポジウム」は、MSD生命科学財団の助成を受けて開催されてまいりましたが、同財団…

デイビッド・サーラ David Sarlah

デイビッド・サーラ(David Sarlah、1983年X月XX日–)は米国の有機化学者である。米国…

第13回慶應有機化学若手シンポジウム

概要主催:慶應有機化学若手シンポジウム実行委員会共催:慶應義塾大学理工学部・理工学研究科…

ラジカル機構で一挙に環化!光励起PdによるPAHの合成

可視光励起パラジウムを用いたアリールハライドと末端アルキンのラジカルカスケード環化を報告した。得られ…

【産総研・触媒化学研究部門】新卒・既卒採用情報

触媒部門では、「個の力」でもある触媒化学を基盤としつつも、異分野に積極的に関わる…

励起状態での配位結合解離を利用して二重CPLを示す分子を開発!

第701回のスポットライトリサーチは、名古屋大学 学際統合物質科学研究機構(IRCCS, 山口茂弘研…

化学・工学・情報系研究者も応募可能! 上原財団の研究助成が40周年で進化

上原記念生命科学財団の助成金をご存知でしょうか。私も2014年に本助成をいただき、その後、研究室を主…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP