[スポンサーリンク]

E

エルマンイミン Ellman’s Imine

 

概要

キラルtert-ブチルスルフィンアミドは性能の高い不斉補助基である。これとカルボニル化合物を縮合させて得られるキラルなイミン(Ellman’s imine)は、高いジアステレオ選択性にて種々の求核付加を受ける。

求核剤としては、有機金属試薬(有機リチウム剤Grignard試薬)、シアニド(不斉Strecker反応)や、エノラート(不斉Mannich型反応)など様々なものが適用可能である。キラルアミン・α-/β-アミノ酸の不斉合成法として価値が高い。

tert-ブタンスルフィニル基は酸性条件下、容易に脱保護可能である。

 

基本文献

・ Liu, G.; Cogan, D. A.; Ellman. J. A. J. Am. Chem. Soc. 1997, 119, 9913. DOI: 10.1021/ja972012z
・ Ellman, J. A.; Owens, T. D.; Tang. T. P. Acc. Chem. Res. 2002, 35, 984. DOI: 10.1021/ar020066u
・ Ellman, J. A. Pure. Appl. Chem. 2003, 75, 39. [PDF]
・ 河内卓彌, 百足勉, Jonathan A. Ellman 有機合成化学協会誌 2004, 62, 128. [abstract]
・ Robak, M. T.; Hergabe, M. A.; Ellman, J. A. Chem. Rev. 2010, 110, 3600. DOI: 10.1021/cr900382t
・ Xu, H.-C.; Chowdhury, S.; Ellman, J. A. Nat. Protoc. 2013, 8, 2271. doi:10.1038/nprot.2013.134

 

開発の歴史

1997年にUC Berkleyのエルマンらによって光学活性のアミンを合成するために開発された(Ellman’s Sulfinamides)。安価で容易に合成可能であることから様々な反応に応用され現在に至っている。

Jonathan A. Ellman

Jonathan A. Ellman

反応機構

 

反応例

ピナコールカップリング条件に伏す事で、キラルtrans-vic-ジアミンユニットを合成できる。[1]

ellman_imine_2.gif

実験手順

実験のコツ・テクニック

参考文献

[1] Zhong, Y.-W.; Izumi, K.; Xu, M.-H.; Lin, G.-Q. Org. Lett. 2004, 6, 4747. DOI: 10.1021/ol0479803

 

関連反応

 

関連書籍

外部リンク

The following two tabs change content below.
Hiro

Hiro

Hiro

最新記事 by Hiro (全て見る)

関連記事

  1. セイファース・ギルバート アルキン合成 Seyferth-Gil…
  2. 有機亜鉛試薬 Organozinc Reagent
  3. ブラン環化 Blanc Cyclization
  4. エッシェンモーザー・クライゼン転位 Eschenmoser-Cl…
  5. 武田オレフィン合成 Takeda Olefination
  6. ノリッシュ反応 Norrish Reaction
  7. ピニック(クラウス)酸化 Pinnick(Kraus) Oxid…
  8. シュタウディンガー反応 Staudinger Reaction

コメント、感想はこちらへ

注目情報

ピックアップ記事

  1. 二光子吸収 two photon absorption
  2. 東芝やキヤノンが優位、微細加工技術の「ナノインプリント」
  3. N-ヘテロ環状カルベン / N-Heterocyclic Carbene (NHC)
  4. 積水化学、工業用接着剤で米最大手と提携
  5. カスケード反応で難関天然物をまとめて攻略!
  6. 【第一三共】抗血小板薬「プラスグレル」が初承認‐欧州で販売へ
  7. ワサビ辛み成分受容体を活性化する新規化合物
  8. ローカル環境でPDFを作成する(Windows版)
  9. 軽量・透明・断熱!エアロゲル(aerogel)を身近に
  10. 高難度分子変換、光学活性α-アミノカルボニル化合物の直接合成法

関連商品

注目情報

注目情報

最新記事

ルミノール誘導体を用いるチロシン選択的タンパク質修飾法

2015年、東京工業大学・中村浩之らは、ルミノール誘導体と鉄-ポルフィリン複合体(ヘミン)を用い、チ…

酵素触媒によるアルケンのアンチマルコフニコフ酸化

酵素は、基質と複数点で相互作用することにより、化学反応を厳密にコントロールしています。通常のフラ…

イオンの出入りを制御するキャップ付き分子容器の開発

第124回のスポットライトリサーチは、金沢大学 理工研究域物質化学系錯体化学研究分野(錯体化学・超分…

リチウムイオン電池の課題のはなし-1

Tshozoです。以前リチウムイオン電池に関するトピックを2つほど紹介した(記事:リチウムイ…

アルコールをアルキル化剤に!ヘテロ芳香環のC-Hアルキル化

2015年、プリンストン大学・D. W. C. MacMillanらは、水素移動触媒(HAT)および…

三種類の分子が自発的に整列した構造をもつ超分子共重合ポリマーの開発

第123回のスポットライトリサーチは、テキサス大学オースティン校博士研究員(Jonathan L. …

Chem-Station Twitter

PAGE TOP