[スポンサーリンク]

chemglossary

カスケード反応 Cascade Reaction

[スポンサーリンク]

 

一つの素反応が別の部分に活性な官能基を生成、それがさらに反応を起こす反応形式の総称。滝の水が流れ落ちるがごとく、次々と反応が進行してゆく様から“カスケード”と形容される。タンデム反応(tandem reaction)もしくはドミノ反応(domino reaction)とも呼ばれる。


一工程で多数の結合を生成するため、単純にルートの効率化・短工程化・後処理の単純化に寄与する。

反応系中で活性官能基が生成するために余計な活性化剤を必要とせず、アトムエコノミーも高くなる傾向がある。

以上の性質のために、環境調和型化学プロセスの確立に重要なコンセプトの一つと言われている。

カスケード反応は定義上、分子内反応であり、分子間反応たる多成分連結反応(MCR)とは厳密に区別されている。

 

関連文献

[1]”Tandem reactions, cascade sequences, and biomimetic strategies in total synthesis”

Nicolaou, K. C.; Montagnon, T.; Snyder,S. A. Chem. Commun. 2003, 551. DOI: 10.1039/B209440C

Cascade reactions and biomimetic strategies are being increasingly applied to the construction of natural and designed molecules. Such processes, in which ideally a single event triggers the conversion of a starting material to a product which then becomes a substrate for the next reaction until termination leads to a stable final product, are highly desirable not only due to their elegance, but also because of their efficiency and economy in terms of reagent consumption andpurification. Often, these multistep, one-pot procedures are accompanied by dramatic increases in molecular complexity and impressive selectivity. The discovery of new molecular diversity from Nature and the demand for more efficient and environmentally benign chemical processes dictates and invites the further development of such synthetic strategies and tactics as we move into a new age of chemical synthesis. Within this article, a number of instructive examples of such synthetic strategies from the principal author’s laboratories are discussed.

[2]”Cascade Reactions in Total Synthesis ”

Nicolaou, K. C.; Edmonds, D. J.; Bulger, P. G. Angew. Chem. Int. Ed. 2006, 45, 7134. DOI:10.1002/anie.200601872

mcontent

The design and implementation of cascade reactions is a challenging facet of organic chemistry, yet one that can impart striking novelty, elegance, and efficiency to synthetic strategies. The application of cascade reactions to natural products synthesis represents a particularly demanding task, but the results can be both stunning and instructive. This Review highlights selected examples of cascade reactions in total synthesis, with particular emphasis on recent applications therein. The examples discussed herein illustrate the power of these processes in the construction of complex molecules and underscore their future potential in chemical synthesis.

[3]Tietze, L. F. Chem. Rev. 1996, 96, 115.

 

関連書籍

 

関連リンク

cosine

投稿者の記事一覧

博士(薬学)。Chem-Station副代表。国立大学教員→国研研究員にクラスチェンジ。専門は有機合成化学、触媒化学、医薬化学、ペプチド/タンパク質化学。
関心ある学問領域は三つ。すなわち、世界を創造する化学、世界を拡張させる情報科学、世界を世界たらしめる認知科学。
素晴らしければ何でも良い。どうでも良いことは心底どうでも良い。興味・趣味は様々だが、そのほとんどがメジャー地位を獲得してなさそうなのは仕様。

関連記事

  1. キャピラリー電気泳動の基礎知識
  2. ケミカルジェネティクス chemical genetics
  3. 薄層クロマトグラフィ / thin-layer chromato…
  4. トップリス ツリー Topliss Tree
  5. 合成後期多様化法 Late-Stage Diversificat…
  6. 深共晶溶媒 Deep Eutectic Solvent
  7. MOF-5: MOF の火付け役であり MOF の代名詞
  8. 生物学的等価体 Bioisostere

コメント、感想はこちらへ

注目情報

ピックアップ記事

  1. 第143回―「単分子エレクトロニクスと化学センサーの研究」Nongjian (NJ) Tao 教授
  2. リンダウ会議に行ってきた④
  3. 【書籍】化学探偵Mr. キュリー
  4. ケミストリ・ソングス【Part1】
  5. 新しい糖尿病治療薬認可へ~人体機能高めるタイプから吸入式まで
  6. 知られざる有機合成のレアテク集
  7. 有機合成化学協会誌2019年7月号:ジアステレオ選択的Joullié-Ugi三成分反応・(-)-L-755,807 の全合成・結晶中構造転移・酸素付加型反応・多孔性構造体
  8. 多孔性材料の動的核偏極化【生体分子の高感度MRI観測への一歩】
  9. もっとも単純な触媒「プロリン」
  10. 実験器具・設備の価格を知っておきましょう

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2010年2月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728

注目情報

注目情報

最新記事

第174回―「特殊な性質を持つフルオロカーボンの化学」David Lemal教授

第174回の海外化学者インタビューは、デヴィッド・レマル教授です。ダートマスカレッジ化学科に所属し、…

二核錯体による窒素固定~世界初の触媒作用実現~

Tshozoです。先月このような論文がNature本誌に発表されました。窒素固定と言えばやはり筆…

有機合成化学協会誌2022年8月号:二酸化炭素・アリル銅中間体・遺伝子治療・Phaeosphaeride・(−)-11-O-Debenzoyltashironin・(−)-Bilobalide

有機合成化学協会が発行する有機合成化学協会誌、2022年8月号がオンライン公開されました。筆…

生体分子と疾患のビッグデータから治療標的分子を高精度で予測するAIを開発

第 408 回のスポットライトリサーチは、九州工業大学 情報工学府 博士後期課程…

尿酸 Uric Acid 〜痛風リスクと抗酸化作用のジレンマ〜

皆さん、尿酸値は気にしてますか? ご存知の通り、ビールやお肉に豊富に含まれるプリ…

第173回―「新たな蛍光色素が実現する生細胞イメージングと治療法」Marina Kuimova准教授

第173回の海外化学者インタビューは、マリナ・クイモヴァ准教授です。インペリアル・カレッジ・ロンドン…

Biotage Selekt のバリュープライス版 Enkel を試してみた

Biotage の新型自動フラッシュクロマトシステム Selekt のバリュープライ…

【9月開催】第1回 マツモトファインケミカル技術セミナー 有機チタン、ジルコニウムが使用されている世界は?-オルガチックスの用途例紹介-

■セミナー概要当社ではチタン、ジルコニウム、アルミニウム、ケイ素等の有機金属化合物を“オルガチッ…

超分子ランダム共重合を利用して、二つの”かたち”が調和されたような超分子コポリマーを造り、さらに光反応を利用して別々の”かたち”に分ける

第407回のスポットライトリサーチは、千葉大学大学院 融合理工学府 先進理化学専攻 共生応用化学コー…

セレンディピティ:思いがけない発見・発明のドラマ

hodaです。今回は1993年に刊行され、2022年7月に文庫化された書籍について書いていき…

Chem-Station Twitter

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP