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李昂 Ang Li

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アン・リー(Ang Li、1982年xx月x日–)は中国の有機化学者である。中国科学院 上海有機化学研究所教授。

経歴

2004 北京大学 学士号取得 (Zhen Yang 教授)
2009 スクリプス研究所 博士号取得 (K. C. Nicolaou 教授)
2010 ICES(Institute of Chemical and Engineering Science) 研究員 (K. C. Nicolaou 教授)
2010– 中国科学院 上海有機化学研究所 (Shanghai Institute of Organic Chemistry: SIOC) 教授

受賞歴

2007 Bristol-Myers Squibb Graduate Fellowship in Organic Synthesis
2012 Asian Core Program Lectureship Award
2013 Thieme Chemistry Journal Award
2013 China Pharmaceutical Association–Servier Youth Medicinal Chemist Award
2013 Chinese Chemical Society Wei-Shan Award for Natural Product Synthesis
2013 Asian Core Program Lectureship Award
2015 Roche Chinese Young Investigators Award
2015 The National Science Fund for Distinguished Young Scholars (国家杰出青年基金)
2015 WuXi PharmaTech Life Science and Chemistry Award
2016 ChemComm Emerging Investigator Lectureship
2016 CAPA Biomatik Distinguished Faculty Award
2017 Tetrahedron Young Investigator Award for Organic Synthesis
2017 Asian International Symposium Distinguished Lectureship Award, Chemical Society of Japan

研究概要

天然物の全合成研究

合成終盤に電子環状反応/芳香族化を用いる効率的な多置換ベンゼン環の構築法を考案・実践した。これにより、clostrubinやrubriflordilactone Aなどの全合成を達成している[1]

生合成経路を参考にし、天然物の網羅的な多様性合成を行っている。例えば、ユズリハアルカロイドの共通骨格である6,6,5,7-四員環骨格を、容易に入手可能な化合物から短工程で構築できる手法を考案し、多数の類縁体の全合成を達成した[2]。また、先述の電子環状反応/芳香族化もしくはインドールC2位のC–H変換/環化を用いたカルバゾール合成により、計5種のインドールセスキテルペノイド類を合成した[3]

コメント&その他

  • 博士課程(Nicolaou研)時には、抗生作用をもつ天然物platensimycin類の全合成を達成し、注目を集めた[4]。また、種々の類縁体を合成し、構造活性相関研究も行っている。

  • 2000年の国際化学オリンピックで金メダルを獲得した。
  • 学部1年生から研究室に所属し、学部生時代からすでに6報の論文に関わっている。

関連文献

  1. (a) Yang, M.; Li, J.; Li, A. Nature Commun. 2015, 6, 6445. DOI: 10.1038/ncomms7445(b) Li, J.; Yang, T.; Yao, M.; Deng, J.; Li, A. J. Am. Chem. Soc. 2014, 136, 16477. DOI: 10.1021/ja5092563(c) Yang, M.; Yang, X.; Sun, H.; Li, A. Angew. Chem., Int. Ed. 2016, 55, 2851. DOI: 10.1002/anie.201510568(d) Li, H.; Chen, Q.; Lu, Z.; Li, A. J. Am. Chem. Soc .2016, 138, 15555. DOI: 10.1021/jacs.6b10880
  2. (a) Lu, Z.; Li, Y.; Deng, J.; Li, A. Nature Chem.2013, 5, 679. DOI: 10.1038/nchem.1694(b) Li, J.; Zhang, W.; Zhang, F.; Chen, Y.; Li, A. J. Am. Chem. Soc.2017, 139, 14893. DOI: 10.1021/jacs.7b09186(c) Chen, Y.; Zhang, W.; Ren, L.; Li, J.; Li, A. Angew. Chem., Int. Ed. 2017, 56, 1. DOI: 10.1002/anie.201711482
  3. Meng, Z.; Yu, H.; Li, L.; Tao, W.; Chen, H.; Wan, M.; Yang, P.; Edmonds, D. J.; Zhong, J.; Li, A. Nature Commun. 2015,6, 6096. DOI: 10.1038/ncomms7096
  4. (a) Nicolaou, K. C.; Li. A.; Edmonds, D. J. Angew Chem., Int. Ed.2006, 45, 7086. DOI: 10.1002/anie.200603892(b) Nicolaou, K. C.; Li. A.; Edmonds, D. J.; Tria, G. S.; Ellery, S. P. J. Am. Chem. Soc. 2009, 131,16905. DOI: 10.1021/ja9068003(c) Nicolaou, K. C.; Stepan, A. F.; Lister, T.; Li, A.; Montero, A.; Tria, G. S.; Turner, C. I.; Tang, Y.; Wang, J.; Denton, R. M.; Edmonds, D. J. J. Am. Chem. Soc. 2008, 130, 13110. DOI: 10.1021/ja8044376

山口 研究室

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