[スポンサーリンク]

ケムステニュース

日本電子の米国法人、有機物を非破壊検出できるイオン源を開発

[スポンサーリンク]

イオン源日本電子の米国現地法人であるJEOL USA(マサチューセッツ州)は常温、大気圧の状態で有機物を非破壊検出できるイオン源「DART」を開発した。  液体クロマトグラフ飛行時間質量分析計「JMS―T100LCAccuTOF」に装着する専用イオン源で危険物、麻薬などのスクリーニングのほか、医薬品の品質管理、化学兵器の管理などへの応用もできる。従来の医薬品や危険物、麻薬などの有機物の検出は、試料を切るなど破壊してから溶媒で洗い、濃縮するクロマトグラフィーで行っていた。 DART装着の計測器ではイオン源に試料を挿入するだけで分子量の分布から物質が特定ができる。(引用:朝日新聞)

 

質量分析計イオン源(質量をイオン化する部分)、分析計(イオン化したものを質量の違いで分離する部分)、検出器(分離したイオンを検出する部分)、コンピューター(データを解析しスペクトルとして表示する部分)に分けることができます。今回のDARTTM (Direct Analysis in Real Time)は新しいイオン源です。

 

質量分析法は2002年のノーベル化学賞の対象であったように非常に多くの研究がなされてきました。それに伴い、近年多くの質量分析計が開発されています。

 

関連書籍

[amazonjs asin=”4759807403″ locale=”JP” title=”ポストゲノム・マススペクトロメトリー―生化学のための生体高分子解析 (化学フロンティア)”]

 

ところで今回のDARTは開発したJEOLによると
・ドル紙幣に付着した微量の麻薬(コカイン)
・発破現場近くを通りかかった職員の衣服に付着した微量のニトログリセリン
・泥水中の微量の爆薬 、コンクリート塊に付着した微量の神経ガス(VX ガス)
・各種医薬品(錠剤 ・カプセル)内の薬効成分  (転載:JEOL )のような試料に用いることができるそうです。

関連リンク

  • CSI-MS、コールドスプレーイオン化質量分析法
  • 質量分析法(MS)は試料をイオン化し生成したイオンを電界や磁界の働きによってm/zの値に分けスペクトルを得る分析方法のひとつです。 しかし、不安定な中間体や金属触媒などの質量は測定することができません。そこで・・・
Avatar photo

webmaster

投稿者の記事一覧

Chem-Station代表。早稲田大学理工学術院教授。専門は有機化学。主に有機合成化学。分子レベルでモノを自由自在につくる、最小の構造物設計の匠となるため分子設計化学を確立したいと考えている。趣味は旅行(日本は全県制覇、海外はまだ20カ国ほど)、ドライブ、そしてすべての化学情報をインターネットで発信できるポータルサイトを作ること。

関連記事

  1. エーザイ、医療用の処方を基にした去たん剤
  2. 未来の病気診断はケータイで!?
  3. 原油高騰 日本企業直撃の恐れ
  4. 化学プラントにおけるAI活用事例
  5. 南ア企業がヘリウム生産に挑む
  6. 吉野彰氏がリチウムイオン電池技術の発明・改良で欧州発明家賞にノミ…
  7. 2012年10大化学ニュース【前編】
  8. 武田薬品工業、米バイオベンチャー買収へ 280億円で

注目情報

ピックアップ記事

  1. 柔軟な姿勢が成功を引き寄せた50代技術者の初転職。現職と同等の待遇を維持した確かなサポート
  2. 第2回慶應有機合成化学若手シンポジウム
  3. ALSの新薬「ラジカット」試してます
  4. 抗体結合ペプチドを用いる非共有結合的抗体-薬物複合体の創製
  5. 分子で作る惑星、その名もナノサターン!
  6. コーリー・ニコラウ マクロラクトン化 Corey-Nicolaou Macrolactonizaion
  7. ホウ素ーホウ素三重結合を評価する
  8. つり革に つかまりアセる ワキ汗の夏
  9. トム・マイモニ Thomas J. Maimone
  10. 相次ぐ有毒植物による食中毒と放射性物質に関連した事件

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2005年3月
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031  

注目情報

最新記事

配座制御が鍵!(–)-Rauvomine Bの全合成

シクロプロパン環をもつインドールアルカロイド(–)-rauvomine Bの初の全合成が達成された。…

岩田浩明 Hiroaki IWATA

岩田浩明(いわたひろあき)は、日本のデータサイエンティスト・計算科学者である。鳥取大学医学部 教授。…

人羅勇気 Yuki HITORA

人羅 勇気(ひとら ゆうき, 1987年5月3日-)は、日本の化学者である。熊本大学大学院生命科学研…

榊原康文 Yasubumi SAKAKIBARA

榊原康文(Yasubumi Sakakibara, 1960年5月13日-)は、日本の生命情報科学者…

遺伝子の転写調節因子LmrRの疎水性ポケットを利用した有機触媒反応

こんにちは,熊葛です!研究の面白さの一つに,異なる分野の研究結果を利用することが挙げられるかと思いま…

新規チオ酢酸カリウム基を利用した高速エポキシ開環反応のはなし

Tshozoです。最近エポキシ系材料を使うことになり色々勉強しておりましたところ、これまで関連記…

第52回ケムステVシンポ「生体関連セラミックス科学が切り拓く次世代型材料機能」を開催します!

続けてのケムステVシンポの会告です! 本記事は、第52回ケムステVシンポジウムの開催告知です!…

2024年ノーベル化学賞ケムステ予想当選者発表!

大変長らくお待たせしました! 2024年ノーベル化学賞予想の結果発表です!2…

“試薬の安全な取り扱い”講習動画 のご紹介

日常の試験・研究活動でご使用いただいている試薬は、取り扱い方を誤ると重大な事故や被害を引き起こす原因…

ヤーン·テラー効果 Jahn–Teller effects

縮退した電子状態にある非線形の分子は通常不安定で、分子の対称性を落とすことで縮退を解いた構造が安定で…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP