[スポンサーリンク]

odos 有機反応データベース

ウォルフ・キシュナー還元 Wolff-Kishner Reduction

[スポンサーリンク]

アルデヒド・ケトン→アルカン

概要

カルボニルからメチレンへの還元反応。

NaOHやKOHの共存下、アルデヒドやケトンをヒドラジンとエチレングリコール中加熱することで、炭化水素が得られる(黄鳴竜変法)。Clemmensen還元が酸性条件で行われるのに対して、本反応はそれと相補的な塩基性条件下で行われる。

ヒドラゾンの代わりに、セミカルバゾンやアジンを前駆体として用いても同様の反応は進行する。

基本文献

  • Kishner, N. J. Russ. Phys. Chem. Soc. 191143, 582.
  • Wolff, L. Ann. 1912, 394, 86.
  • Huang-Minlon Modification: (a) Minlon, H. J. Am. Chem. Soc. 1946, 68, 2487. DOI: 10.1021/ja01216a013 (b) idem. J. Am. Chem. Soc. 1949, 71, 3301. DOI: 10.1021/ja01178a008 (c) Hunig, S.; Lucke, E.; Brenningesr, W. Org. Synth. 196343, 34.
  • Todd, D. Org. React. 1948, 4, 378.
  • Szmant, H. H. Angew. Chem., Int. Ed. Engl. 19687, 120.
  • Hutchins, R. O.; Hutchins, M. K. Comprehensive Organic Synthesis 1991, 8, 327.

 

反応機構

炭素上でのプロトン捕捉が律速段階とされている。
al-ane2.gif

反応例

典型的な化学選択性発現例
al-ane3.gif
トシルヒドラジンと水素化シアノホウ素ナトリウムを用いて、ケトンから一挙にアルカンを得る改良法[1]が知られている。
wolff_kishner_4.gif
ヒドラゾンはDMSO-tBuOH溶媒中、t-ブトキシカリウムで処理すると室温でWolff-Kishner還元を行うことが出来る。ビスTBSヒドラジンを用いることで、ヒドラゾン形成段階の効率化も達成されている(Cram-Myers変法)[2] wolff_kishner_5.gif
Neotripterifordinの合成[3] wolff_kishner_6.gif

実験手順

 

実験のコツ・テクニック

 

参考文献

[1] Hutchins, R. O.; Milewski, C. A.; Maryanoff, B. E. J. Am. Chem. Soc. 1973, 95, 3662. DOI: 10.1021/ja00792a03
[2] Furrow, M. E.; Myers, A. G. J. Am. Chem. Soc. 2004126, 5436. DOI: 10.1021/ja049694s
[3] Corey, E. J.; Liu, K. J. Am. Chem. Soc. 1997119, 9929. DOI: 10.1021/ja972549c

 

関連反応

 

関連書籍

 

外部リンク

関連記事

  1. カラッシュ付加反応 Kharasch Addition
  2. 脱離反応 Elimination Reaction
  3. TPAP(レイ・グリフィス)酸化 TPAP (Ley-Griff…
  4. 福山クロスカップリング Fukuyama Cross Coupl…
  5. アルダー エン反応 Alder Ene Reaction
  6. (古典的)アルドール反応 (Classical) Aldol R…
  7. ノッシェル・ハウザー塩基 Knochel-Hauser Base…
  8. モンサント酢酸合成プロセス Monsanto Process f…

コメント、感想はこちらへ

注目情報

ピックアップ記事

  1. 第77回―「エネルギーと生物学に役立つ無機ナノ材料の創成」Catherine Murphy教授
  2. マイクロ波化学の事業化プラットフォーム 〜実証設備やサービス事例〜
  3. Greene’s Protective Groups in Organic Synthesis 5th Edition
  4. 力を加えると変色するプラスチック
  5. 有機レドックスフロー電池 (ORFB)の新展開:オリゴマー活物質の利用
  6. Arcutine類の全合成
  7. ケミストリ・ソングス【Part1】
  8. COVID-19状況下での化学教育について Journal of Chemical Education 特集号
  9. 硫黄-フッ素交換反応 Sulfur(VI)-Fluoride Exchange (SuFEx)
  10. Illustrated Guide to Home Chemistry Experiments

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

注目情報

注目情報

最新記事

非古典的カルボカチオンを手懐ける

キラルなブレンステッド酸触媒による非古典的カルボカチオンのエナンチオ選択的反応が開発された。低分子触…

CEMS Topical Meeting Online 機能性材料の励起状態化学

1月28日に毎年行われている理研の無料シンポジウムが開催されるようです。事前参加登録が必要なので興味…

カルボン酸に気をつけろ! グルクロン酸抱合の驚異

 カルボン酸は、カルボキシ基 (–COOH) を有する有機化合物の一群です。カルボン…

第138回―「不斉反応の速度論研究からホモキラリティの起源に挑む」Donna Blackmond教授

第138回の海外化学者インタビューはドナ・ブラックモンド教授です。2009年12月現在、インペリアル…

Ru触媒で異なるアルキン同士をantiで付加させる

Ru触媒を用いたアルキンのanti選択的ヒドロおよびクロロアルキニル化反応が開発された。本反応は共役…

化学系必見!博物館特集 野辺山天文台編~HC11Nってどんな分子?~

bergです。突然ですが今回から「化学系必見!博物館特集」と銘打って、私が実際に訪れたいちおしの博物…

有機合成化学協会誌2021年1月号:コロナウイルス・脱ニトロ型カップリング・炭素環・ヘテロ環合成法・環状γ-ケトエステル・サキシトキシン

有機合成化学協会が発行する有機合成化学協会誌、2021年1月号がオンライン公開されました。あ…

第137回―「リンや硫黄を含む化合物の不斉合成法を開発する」Stuart Warren教授

第137回の海外化学者インタビューはスチュアート・ウォーレン教授です。ケンブリッジ大学化学科に所属し…

Chem-Station Twitter

PAGE TOP