[スポンサーリンク]

ケムステニュース

梅干し入れると食中毒を起こしにくい?

[スポンサーリンク]

毎年5月以降は食中毒が増える時期だ。昔から、梅干しを弁当やおにぎりに入れると食中毒を起こしにくいと言われているが、本当だろうか。

 和歌山県立医科大の宇都宮洋才(ひろとし)講師(病理学)らのグループは、梅干しが食中毒菌に与える影響を研究した。腸管出血性大腸菌(O157)や黄色ブドウ球菌などを使い、菌だけを入れた試験管と、菌と梅干しを入れた試験管を同じ条件で培養した。その結果、梅干し入りの試験管では菌の増殖が抑制されたり、梅干しの量が多いと死滅した。

 梅には、クエン酸が多く含まれる。柑橘(かんきつ)類にもある「酸っぱさ」のもとで、菌が増殖しにくい酸性の環境を作る。このほか、リグナンという化合物も抑制に関与している。実験ではリグナンを加えた方が菌の増殖を強く抑えられたという。(引用:毎日新聞

クエン酸Citric Acid )はカルボン酸を3つ有する酸です。レモンにはクエン酸が重量の6%から7%含まれて います。話は違いますが紅茶にレモンを入れると色が消えます。(ペットボトルのストレートティとレモンティーを比較するとわかるでしょう。)これはクエン酸と紅茶に含まれる色の成分アントシアニンという物質がプロトン化されることによって引き起こされる現象です 詳しくはこちら=> キリヤQ&A

リグナンリグナンlignan)はC6フェニル基C3の炭素鎖が2つあるいは3つ結合した骨格を持つ化合物の総称です。結合部位、数によって**リグナンと呼ばれます。梅干に入っているリグナンはどのような構造をしているのでしょうか?

関連書籍

[amazonjs asin=”4834771539″ locale=”JP” title=”増補改訂版 重曹&クエン酸の活用知恵袋 (ブティックムックno.1053)”]

 

外部リンク

リグナンの合成と抗酸化作用

リグナンとネオリグナン

Avatar photo

webmaster

投稿者の記事一覧

Chem-Station代表。早稲田大学理工学術院教授。専門は有機化学。主に有機合成化学。分子レベルでモノを自由自在につくる、最小の構造物設計の匠となるため分子設計化学を確立したいと考えている。趣味は旅行(日本は全県制覇、海外はまだ20カ国ほど)、ドライブ、そしてすべての化学情報をインターネットで発信できるポータルサイトを作ること。

関連記事

  1. 『夏休み子ども化学実験ショー2019』8月3日(土)~4日(日)…
  2. 広がる産総研の連携拠点
  3. 毛染めでのアレルギー大幅低減へ ~日華化学がヘアカラー用染料開発…
  4. トレハロースが癒着防止 手術に有効、東大など発表
  5. 大日本住友製薬が発足 業界5位、将来に再編含み
  6. 痛風薬「フェブキソスタット」の米国売上高が好発進
  7. 帝人骨粗鬆症治療剤「ボナロン錠」製造販売承認
  8. 武田や第一三共など大手医薬、特許切れ主力薬を「延命」

注目情報

ピックアップ記事

  1. 岩澤 伸治 Nobuharu Iwasawa
  2. 米国、カナダにおけるシェール・ガスによるLNGプロジェクトの事業機会【終了】
  3. 武田や第一三共など大手医薬、特許切れ主力薬を「延命」
  4. プリンターで印刷できる、電波を操る人工スーパー材料
  5. まっすぐなペプチドがつまらないなら「さあ輪になって踊ろ!」
  6. パラジウム錯体の酸化還元反応を利用した分子モーター
  7. 重いキノン
  8. ルドルフ・クラウジウスのこと① エントロピー150周年を祝って
  9. 幾何学の定理を活用したものづくり
  10. C&EN コラム記事 ~Bench & Cubicle~

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2005年5月
 1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
3031  

注目情報

最新記事

アクリルアミド類のanti-Michael型付加反応の開発ーPd触媒による反応中間体の安定性が鍵―

第622回のスポットライトリサーチは、東京理科大学大学院理学研究科(松田研究室)修士2年の茂呂 諒太…

エントロピーを表す記号はなぜSなのか

Tshozoです。エントロピーの後日談が8年経っても一向に進んでないのは私が熱力学に向いてないことの…

AI解析プラットフォーム Multi-Sigmaとは?

Multi-Sigmaは少ないデータからAIによる予測、要因分析、最適化まで解析可能なプラットフォー…

【11/20~22】第41回メディシナルケミストリーシンポジウム@京都

概要メディシナルケミストリーシンポジウムは、日本の創薬力の向上或いは関連研究分野…

有機電解合成のはなし ~アンモニア常温常圧合成のキー技術~

(出典:燃料アンモニアサプライチェーンの構築 | NEDO グリーンイノベーション基金)Ts…

光触媒でエステルを多電子還元する

第621回のスポットライトリサーチは、分子科学研究所 生命・錯体分子科学研究領域(魚住グループ)にて…

ケムステSlackが開設5周年を迎えました!

日本初の化学専用オープンコミュニティとして発足した「ケムステSlack」が、めで…

人事・DX推進のご担当者の方へ〜研究開発でDXを進めるには

開催日:2024/07/24 申込みはこちら■開催概要新たな技術が生まれ続けるVUCAな…

酵素を照らす新たな光!アミノ酸の酸化的クロスカップリング

酵素と可視光レドックス触媒を協働させる、アミノ酸の酸化的クロスカップリング反応が開発された。多様な非…

二元貴金属酸化物触媒によるC–H活性化: 分子状酸素を酸化剤とするアレーンとカルボン酸の酸化的カップリング

第620回のスポットライトリサーチは、横浜国立大学大学院工学研究院(本倉研究室)の長谷川 慎吾 助教…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP