[スポンサーリンク]

身のまわりの分子

プロリン ぷろりん proline

[スポンサーリンク]

proline.gif

プロリン(proline)は、タンパク質などを構成する α-アミノ酸の一種である。

  • 歴史・用途

生体における必須アミノ酸20種類のうち、唯一ペプチド結合内に環状構造を持つアミノ酸(唯一のイミノ酸)。他の必須アミノ酸と異なり剛直な構造を持つため、タンパク質のコンフォメーション規定にとりわけ重要な役割を果たしている。

2000年には、List・Barbasらによって直接的分子間アルドール反応の触媒として利用できることが報告された(List-Barbasアルドール反応)[1]。これを契機に、有機合成領域での有機分子触媒の研究が活発化することとなる。安価で容易に得られ、また金属を用いないため取り扱い用意で廃棄時の問題も少なく、環境にやさしい次世代合成法へつながるとされている。(参照:もっとも単純な触媒「プロリン」

  • 関連文献
[1] List, B.; Lerner, R. A.; Barbas, C. F., III J. Am. Chem. Soc. 2000, 122, 2395. DOI:10.1021/ja994280y

 

  • 関連書籍
工業調査会
日本必須アミノ酸協会(編集)
発売日:2003-11
発送時期:通常24時間以内に発送
ランキング:179183
おすすめ度:5.0
おすすめ度5 タンパク質のもとアミノ酸
講談社
櫻庭 雅文(著)
発売日:2004-02-21
発送時期:通常24時間以内に発送
ランキング:116076
おすすめ度:3.0
おすすめ度2 科学ではない
おすすめ度2 一般向け
おすすめ度3 タイトルに偽りあり
おすすめ度4 アミノ酸について、より詳しく知りたい方にオススメの一冊
シーエムシー出版
発売日:2006-11
発送時期:通常3~5週間以内に発送
ランキング:265585
Vch Verlagsgesellschaft Mbh
Albrecht Berkessel(著)Harald Groger(著)
発売日:2005-03
発送時期:通常7~9日以内に発送
ランキング:37864
  • 関連リンク

もっとも単純な触媒「プロリン」(有機って面白いよね!)

Proline – Wikipedia

Biosynthesis of proline in bacteria

List-Barbasアルドール反応 (ODOOS)

Hajos-Parrish-Eder-Sauer-Wiechert反応 (ODOOS)

プロリン – Wikipedia

究極の不斉触媒・プロリン (有機化学美術館)

Avatar photo

cosine

投稿者の記事一覧

博士(薬学)。Chem-Station副代表。国立大学教員→国研研究員にクラスチェンジ。専門は有機合成化学、触媒化学、医薬化学、ペプチド/タンパク質化学。
関心ある学問領域は三つ。すなわち、世界を創造する化学、世界を拡張させる情報科学、世界を世界たらしめる認知科学。
素晴らしければ何でも良い。どうでも良いことは心底どうでも良い。興味・趣味は様々だが、そのほとんどがメジャー地位を獲得してなさそうなのは仕様。

関連記事

  1. セレノネイン selenoneine
  2. ITO 酸化インジウム・スズ
  3. 虫歯とフッ素のお話① ~どうして歯磨きにフッ素が使われるの??~…
  4. カスガマイシン (kasugamycin)
  5. ユーコミン酸 (eucomic acid)
  6. モルヒネ morphine
  7. 塩化ラジウム223
  8. 酒石酸/Tartaric acid

注目情報

ピックアップ記事

  1. ヒュッケル法(前編)~手計算で分子軌道を求めてみた~
  2. Brevianamide Aの全合成:長年未解明の生合成経路の謎に終止符
  3. そこのB2N3、不対電子いらない?
  4. 薬学会年会も付設展示会キャンペーンやっちゃいます
  5. 製薬産業の最前線バイオベンチャーを訪ねてみよう! ?シリコンバレーバイオ合宿?
  6. 有機ホウ素化合物の「安定性」と「反応性」を両立した新しい鈴木–宮浦クロスカップリング反応の開発
  7. ナノってなんて素敵ナノ
  8. 有機合成化学協会誌3月号:鉄-インジウム錯体・酸化的ハロゲン化反応・両親媒性ジアリールエテン会合体・アミロイド選択的光酸素化・カリウムイオン競合型アシッドブロッカー
  9. 「産総研・触媒化学研究部門」ってどんな研究所?
  10. アルケンとニトリルを相互交換する

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2007年10月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031  

注目情報

最新記事

7th Compound Challengeが開催されます!【エントリー〆切:2026年03月02日】 集え、”腕に覚えあり”の合成化学者!!

メルク株式会社より全世界の合成化学者と競い合うイベント、7th Compound Challenge…

乙卯研究所【急募】 有機合成化学分野(研究テーマは自由)の研究員募集

乙卯研究所とは乙卯研究所は、1915年の設立以来、広く薬学の研究を行うことを主要事業とし、その研…

大森 建 Ken OHMORI

大森 建(おおもり けん, 1969年 02月 12日–)は、日本の有機合成化学者。東京科学大学(I…

西川俊夫 Toshio NISHIKAWA

西川俊夫(にしかわ としお、1962年6月1日-)は、日本の有機化学者である。名古屋大学大学院生命農…

市川聡 Satoshi ICHIKAWA

市川 聡(Satoshi Ichikawa, 1971年9月28日-)は、日本の有機化学者・創薬化学…

非侵襲で使えるpH計で水溶液中のpHを測ってみた!

今回は、知っているようで知らない、なんとなく分かっているようで実は測定が難しい pH計(pHセンサー…

有馬温泉で鉄イオン水溶液について学んできた【化学者が行く温泉巡りの旅】

有馬温泉の金泉は、塩化物濃度と鉄濃度が日本の温泉の中で最も高い温泉で、黄褐色を呈する温泉です。この記…

HPLCをPATツールに変換!オンラインHPLCシステム:DirectInject-LC

これまでの自動サンプリング技術多くの製薬・化学メーカーはその生産性向上のため、有…

MEDCHEM NEWS 34-4 号「新しいモダリティとして注目を浴びる分解創薬」

日本薬学会 医薬化学部会の部会誌 MEDCHEM NEWS より、新たにオープン…

圧力に依存して還元反応が進行!~シクロファン構造を活用した新機能~

第686回のスポットライトリサーチは、北海道大学大学院理学研究院化学部門 有機化学第一研究室(鈴木孝…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP