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触媒的C-H活性化反応 Catalytic C-H activation

触媒的C-H活性化反応 Catalytic C-H activation
9月 11
10:42 2009
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触媒的C-H活性化反応 Catalytic C-H activation 

概要

通常、数多の反応条件に不活性なC-H結合を切断し、新たな結合生成を行う強力な手法。

ハロゲン等の脱離基へと変換する工程が必要無く、副生物も少ない傾向にある。このため、次世代型有機合成プロセスに必須の反応形式と捉えられている。

現時点での報告例の多くは、総じて反応条件が厳しく、化学選択性を実現するため特殊な配向基を必要とする。このため、まだまだ適用制限は多い。今後の研究によって数多の問題が解決されることが望まれる。

 

基本文献

  • Murai, S.; Kakiuchi, F.; Sekine, S.; Tanaka, Y.; Kamatani, A.; Sonoda, M.; Chatani, N. Nature 1993, 366,  529. doi:10.1038/366529a0
  • Campeau, L. -C.; Stuart, D. R.; Fagnou, K. Aldrichimica Acta 2007, 40, 35. [PDF]
  • Alberico, D.; Scott, M. E.; Lautens, M. Chem. Rev. 2007107, 174. DOI: 10.1021/cr0509760

 

反応機構

近傍に配位性官能基が存在するときには、金属のDirection効果によって酸化的付加が促進される。

 

反応例

年ではハロゲン・金属などで修飾されてない基質をクロスカップリングに用いる研究が盛んである。Fagnouらは、ドナー・アクセプターとも非修飾型基質を用いる触媒的クロスカップリング条件の開発に成功している[1]
C_Hactivation_3.gif
sp3-sp3炭素-炭素結合を形成できるヒドロアミノアルキル化反応[2] C_Hactivation_4.gif

実験手順

α-テトラロンのオルト位C-H活性化[3] C_Hactivation_2.gif

実験のコツ・テクニック

 

参考文献

[1] (a) Fagnou, K. et al. Science 2007316, 1172. DOI: 10.1126/science.1141956 (b) Fagnou, K. et al. J. Am. Chem. Soc. 2007129, 12072. DOI: 10.1021/ja0745862

[2] Herzon, S. B.; Hartwig, J. F. J. Am. Chem. Soc. 2007129, 6690. DOI: 10.1021/ja0718366

[3] Kakiuchi, F.; Murai, S. Org. Synth. 200280, 104. [PDF]

 

関連書籍

 

外部リンク

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